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『LIVE AZUMA』実行委員会・坂口氏インタビュー あづま総合運動公園でお祭りがやってるぐらいの気軽に楽しめる存在に

音楽

インタビュー

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(C)LIVEAZUMA

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Text:渡辺彰浩

音楽フェス『LIVE AZUMA 2024』が、10月19日(土)、20日(日)に福島県福島市・あづま総合運動公園で開催される。

公園内にある福島あづま球場をメインステージとした『LIVE AZUMA』は、2022年に初開催となり、今年で3度目の実施。スタジアムに設置されたAZUMA STAGEと球場に隣接されたPARK STAGE、そして無料エリアのDJ STAGEといった3ステージ制でタイムテーブルが組まれ、初日はクリープハイプ、2日目は羊文学がそれぞれヘッドライナーを務める。

今年もアート・グルメ・マーケットを主軸とした無料エリアの「PARK LIFE」を展開。ラーメンエリア「東北拉麺屋台村」や会津地酒支援プロジェクトとして販売される限定ボトルは毎年好評で、『LIVE AZUMA』は有料の音楽フェスと入場無料のフードフェスの融合型と言えるだろう。

今回は実行委員会メンバーのひとりであり、『SUMMER SONIC』を手がけている会社の株式会社クリエイティブマンプロダクションの坂口和義氏にインタビュー。3年目を迎える『LIVE AZUMA』の福島における現在地や今年の新たな挑戦とその魅力、今後『LIVE AZUMA』が理想とする姿までを聞いた。

――『LIVE AZUMA』が始まって今年で3年目ですが、坂口さんの手応えとしてはいかがですか?

坂口和義(以下、坂口) まだまだスタートさせてもらったばかりの新参者のフェスですが、お陰様で全体的に盛り上がってきているという印象ですね。連続で来ていただいているファンの方々や、アーティストさんやスタッフの皆さんからご好評の声をただいているのと、音楽関係者やメディアの皆さんの反響も含めて、ありがたい事に動員含めて年々伸びてきているフェスになっていると感じています。

坂口和義氏 Photo:タカギタツヒト

――SNSでの声を見ていても、福島市ひいては福島県の人に年々定着してきている印象で、終演後に来年の開催が求められているのは強く感じます。

坂口 フェスは3年目ぐらいである程度形が見えて定着してくるものだと思っていますが、福島の方々にそう言っていただけるのは一体感もありますし、フェス会場最寄りの福島駅周辺に行く度にいつもびっくりするんですけど、『LIVE AZUMA』のポスターやフライヤーが、飲食店のみならず街なかのいろんなお店で貼っていただいているんですよね。東京ではここまでそういったことはあまりないので、そこは大きな違いだと思っています。『LIVE AZUMA』を自分たちのものとして感じていただけているのであれば、それほどうれしく光栄なことはないです。特にフェスの後に地元福島の方々とお話して実感する事が多いのですが、今年本番日を迎えての皆さんの後日感想を今から楽しみにしております。

(C)LIVEAZUMA

――初年度は2日間で2万人、昨年は2万5000人を受け止める受け皿としての機能が、フェス開催地のあづま総合運動公園と福島あづま球場にはあったわけですよね。

坂口 私も下見で最初に一目見た時から、こんなにインフラがしっかりしていて心地良い環境でもしフェスができたら最高だなと思いました。東京ですと代々木公園や駒沢公園のようなイメージのエリアですね。2021年の東京オリンピックでソフトボールの試合や、プロ野球の試合だったりも行われるくらいしっかりとしたスタジアムが備わった会場で、福島駅からバスやタクシーで約20分で会場に着く立地にあるので、東京にも同じ様な野外でLIVEができる公園があればなと羨ましく思っているくらいです。それに「あづま」という公園一帯の地域を指す地名も、福島の人には広く定着していて、地元の方に愛されている歴史ある場所でフェスを開催させていただけることが心底ありがたいと思いますし、皆さんのお邪魔にならないようにしつつ、これからも続けさせてもらいたいと感じています。

――福島県では、アーティストのツアーも、ほとんどが仙台か郡山ばかりで、福島市には訪れることが少ないというのが『LIVE AZUMA』が開催される前までの現状でした。

坂口 福島市は素敵なライブハウスはいくつかありますが、数だけで言うとおっしゃる通り無数に駅周辺にライブ会場があるエリアではなかったりもします。会場の公園内にあるあづま総合体育館では、過去に幾多のレジェンド・アーティストさんもライブを開催されたことは存じ上げていましたが、そのお隣のあづま球場においては、フェスをやること自体がそもそも初めてでした。
当初はその体育館をステージとして利用するというアイデアもありましたが、あづま球場にはその開放感だったり、将来的にはスタジアムが完全にぎっしり埋まった状況を目指せるステージというのが選定のポイントとしてはありました。その他にもゆくゆくはさらに大規模にしていく未来を見据えた時に、ポジティヴな伸び代要素が多々あったんですよね。
初めての会場というのは、我々フェス側も色々と開拓や勉強をしていかなければいけない点が多くあるんですけれども、会場や公園の方も融通を利かせてくれていたり好意的だったりするので、開催させていただく側としても大変ありがたくとてもやりやすいですね。

(C)LIVEAZUMA

――参加していると『LIVE AZUMA』は、地方版の『SUMMER SONIC』という印象があって、それはフェス全体の雰囲気やホスピタリティから、企画・運営を手がけるクリエイティブマンの方々が長年培ってきたノウハウが大きいのかなとも感じます。

坂口 我々も実際に『サマソニ』で得た知見のいくつかは反映してきているつもりですが、『LIVE AZUMA』の成り立ちのひとつには、今でも大切な仲間や後輩が数多くいる学生ボランティアチームが『サマソニ』にはあったのですが、その内のスタッフのひとりとして『サマソニ』に参加してくれていたのが、現LIVE AZUMA実行委員内の福島テレビの佐藤将一さんなんです。いつか一緒にフェスを創りたいねと学生時代にサマソニで一緒に汗をかいて働きながらおとぎ話的な夢を語っていたのが、20年近くかかって実現できていたりする側面もあるので、規模や内容の違いはあれど『サマソニ』が原体験でもありひとつのモデルというのはどこかにあるかなと思っています。個人的にはそれに加えて、横浜赤レンガ地区野外特設会場で開催されている『GREENROOM FESTIVAL』にも近いと思っていて。それは有料エリアだけではなく無料エリアも大いに盛り上がっていたりして、ベビーカーを押した親子連れの参加者や、友達とは勿論のことデートだったりでも来られるような、音楽だけじゃないカルチャー感が溢れるムードというところも含めて、どこか近しい空気や雰囲気が感じられるなというのはあると思いますね。ちなみに一部の装飾は『GREENROOM FESTIVAL』でやられているチームにも入っていただいているので、特に夜の雰囲気は公園の木々と相まって素敵な仕上がりにしてもらっています。

(C)LIVE AZUMA

――『サマソニ』に比べての、『LIVE AZUMA』のブッキングの特色というのはありますか?

坂口 例年『サマソニ』にご出演していただいている方もいらっしゃいますけど、福島ではなかなか観られないような方にもお願いさせてもらうようにはしています。福島市にあるClub NEOには、DJやHIP HOPのアーティストがライブに来たりもしているのですが、そういったカルチャーに合わせて、『LIVE AZUMA』でもHIP HOPの方たちなどは毎回必ずフェスへお迎えするようしています。全アーティストが推しですが、例えば初日のPARK STAGEに出演するMFSは、今後日本を代表するフィメールアーティストになっていくかなと思っています。アーティストのブッキングに関してはジャンルレスで、決まり事はなし。とにかく実行委員会内のメンバー含めて、好きなアーティストさんにこのフェスで是非演奏していただきたいというような方をお呼びする感じですね。打ち合わせでは様々なアーティスト名が飛び交っています。実行委員会内の株式会社フライング・ベコの佐藤亮太さんなどは、他のフェスもサポートされている方なので、話していると毎回新しい発見があるんですよね。年代的に僕らの上の大先輩の方々の世代がフェスを作ってきた中で、まだまだ若輩者ですが私共もようやく自分たち世代が中心となってフェスをスタートして携わることをさせてもらっています。これまで色々なフェスで観て経験させてもらったことを活かしながら、このチームと世代感だからできるものもやってきたいという気概はあります。

坂口和義氏 Photo:タカギタツヒト

――今年のアーティストのラインナップの特徴として、開催3年目としての「物語性」、間口の広い参加者を集める「大衆性」、そして先ほどお話されていた初年度からPARK STAGEの軸にあるヒップホップは「独自性」にあると思っています。

坂口 おっしゃる通り、それぞれのアーティストさんに物語性というのはありますね。例えば羊文学さんは、まさにそうです。昨年は念願叶って出ていただけて、ボーカルの塩塚さんのお母様が福島市のミスピーチキャンペーンクルーを受賞されているという縁深いお話もステージのMCでされているのも聞けました。そしてありがたいことに今年は2日目のトリを務めていただきます。羊文学さんのライブは何度も拝見していて、楽曲もステージングも圧倒的なので、楽しみでなりません。

――初日のJO1、2日目の.ENDRECHERI.は大衆性に当てはまると思っています。福島のような地方では、知っているということが何よりもフェスに参加する動機に繋がると思いますし。

坂口 どちらも多くのみなさんがご存じですよね。JO1さんは担当させてもらっている他のフェスでもご縁があったりしていて、福島現地の方々からも名前が挙がる著名なアーティストさんですし、福島の方が喜んでくださるのは一番うれしいことだと思います。.ENDRECHERI.さんも勿論誰もがご存知の方というのはあるのかもしれないですけど、私としてはジョージ・クリントンのようなイメージで日本を代表するファンク・アーティストとしてオファーをさせてもらっています。ライブを拝見していても海外アーティストの方を観ているようなグルーヴ感で自由に踊れるし、圧倒的な音楽性でとにかくステージ全体も演奏中の手元さえも眼が離せないんですよ。私としてはご出演者全員のことを推しているので、時間が許される限りご出演者の皆さまをすべて細かくご紹介させてもらいたいのですが、タイムテーブル的にも被りを極力少なくしているので、是非とも全アーティストさんのライブをコンプリートする勢いで生で観ていただきたいと思っています。

――昨年から特に親子連れの参加者も多く見られるようになりました。

坂口 とても多くほんわかと温かい雰囲気もありますよね。もちろんチケットを購入していただいて球場内でフェスに参加されているご家族の方も多くいらっしゃいますが、球場のすぐ外の無料エリアにはキッズスペースもあるので、親子三代含めて、ベビーカーを押した親子連れがいっぱいいらっしゃっていて、スタッフ一同微笑ましく見守っています。福島随一の自然公園というインフラもあり、楽しい中でも安全な環境が一番にありますし、家族で楽しめるフェスであるというのは実はハードルが高かったりもするので、誇り高いことですね。
福島市の方々にとってのそれぞれの有名なお祭りのように、この時期になるとあづま総合運動公園でお祭りがやってるから行こうかなぐらいの、気軽に足を運んで楽しめる存在に『LIVE AZUMA』がなっていくといいなと思っています。

(C)LIVEAZUMA

――あづま球場の人工芝がふかふかで気持ちいいですよね。そこも親子連れで参加したくなるポイントかと思います。

坂口 座る前にお尻が汚れないかの確認すらしなくてもいい位の、質の良いふかふかの人工芝も、フェスの居住性や心地良さに繋がるポイントだったりもします。フェスが終演した後に球場の方のお手入れを実際に拝見していたんですけど、本当に丁寧に作業をされていて、色んな方に大事にされている球場なんだなというのを感じました。

――スタンド席は雨よけとしても機能していますよね。

坂口 今年はスタンド席エリアを昨年よりも少し広げようと思っています。雨よけはすべてではなく実はステージ真向かいの一部のエリアではあるのですが、雨よけ以外にも日中の日差し避けとしても活躍している側面もあって、スタンドで一日を通して座ってゆっくり観たいという方には、ぜひプラスアルファでご利用していただきたいです。
スタンドは昨年に比べて多くの方が座られる想定なので、今年はさらにディレイスピーカーをアリーナ後方に新設しようと制作や音響チームとも話をしており、例年以上にスタンド席でも音が聞こえるようにするべく進めています。それは何より参加者の方が増えてきて盛り上がってきた証ですね。

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――アート・グルメ・マーケットを主軸とした無料エリア「PARK LIFE」も毎年好評です。

坂口 「PARK LIFE」はブースの数が約80程もあるんです。この数は本フェスの動員数と照らし合わせると驚異的です。ラーメンエリアの「東北拉麺屋台村」だけでも今年は6店舗あって、つまりは2日間、朝昼晩ラーメンだけで終わっちゃうぐらいのボリュームです。ラーメン以外にも東北地域の美味しいものが集まっていて、事務局内のスタッフさえも初めて見る内容の飲食店やブースばかりで、そこは福島県以外からいらしている全国の参加者のみなさんも楽しいと思っていただけるはずです。ブースの数のみならず充実度も高く、例えば全国のフェスをまとめた「フェス旅 ~日本全国音楽フェスガイド~」 を執筆している津田昌太朗さんといった、幾多のフェスを経験してきている猛者の方々からも、太鼓判コメントをいただいております。無料エリア含めて、年々フェス自体が快適な良い方向に向かっていると感じています。

――来場者の券売は福島県の人が何割ぐらいなんですか?

坂口 過半数は福島県の方々ですね。人口が多い関東が隣接している福島エリアで、福島県の参加者が過半数を超えるというのはすごいことですね。以前は東北と関東がメインといった感じでしたが、今年は関西などは勿論のこと、沖縄から北海道といった全国様々なところから足を運んでくださっていて、その割合は徐々に増えてきています。食やお酒に加え有名な温泉街が実は多かったりする福島への週末旅行も含めた感覚でいらしていたりと、県外の方に福島のいいところを知ってもらえるいい機会になっているとうれしいですね。

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――個人的な思いとしては、福島市のライブハウスにも『LIVE AZUMA』開催の恩恵が少しでもあればいいと思っています。街の音楽シーンの活性は『LIVE AZUMA』とも無関係ではないはずです。例えば、金曜日に前夜祭を開催するとか。

坂口 福島ご出身であるインタビュアーの渡辺さんが仰るとリアルですし、素敵なアイデアですね。フェス側としても遠くない未来にそういったことができたらと思いますし、アフターパーティなどもいつか実現できるかもしれません。実は東京でプレパーティーをやろうという話もあったんです。ただ、東京で開催するよりも福島で定期的に“ Road to LIVE AZUMA”といったようなイベントがあってもおもしろいのかもしれないですね。年に2日だけというのももったいないと思っているので、更なる規模にもし育っていったのならば、夢はアメリカのコーチェラ・フェスティバルのように2週にわたって開催させてもらえたりしたら素敵だなと。ステージをそのまま残せるのとか現実的な点はあるにせよ、そういった姿のフェスは日本でも指折りしかないですし、それはフェスが活性化した先にしかない姿なので、おとぎ話のひとつして聞いておいてください(笑)

そしてやはりフェスは地元の方の協力なくしては絶対にできません。地元の方に喜んでいただいてフェスが地元の名物として溶け込んでいって、さらに県内外の方々に愛されて、結果地元の方々に還元されていくフェスになることを心より願って、フェスを皆さんと今後も一緒に丁寧に育てていければと思っています。

(C)LIVEAZUMA

<公演情報>
『LIVE AZUMA 2024』

10月19日(土)・20日(日) 開場10:00 / 開演11:00(予定)
福島・あづま総合運動公園 / 福島あづま球場

(C)LIVEAZUMA

【出演】
■10月19日(土)
-AZUMA STAGE-
Aqua Timez / クリープハイプ / フレデリック / go!go!vanillas / JO1 / Lucky Kilimanjaro / THE ORAL CIGARETTES / 水曜日のカンパネラ

-PARK STAGE-
Campanella / EGO-WRAPPIN' (Acoustic Set) / 石野卓球 / MFS / スチャダラパー / TENDRE / U-zhaan×環 ROY×鎮座 DOPENESS

-DJ -
ZEN-LA-ROCK / grooveman Spot / セク⼭ / 原島 “ど真ん中” 宙芳 / shakke / JIN TANAKA(BACK DROP BOMB) / DJ NANASHIMA / IMAKARUM / RIP

■10月20日(日)
-AZUMA STAGE-
Dragon Ash / .ENDRECHERI. / 04 Limited Sazabys / 羊文学 / HYDE / indigo la End / MAN WITH A MISSION / リーガルリリー

-PARK STAGE-
dodo / Kan Sano (Band Set) / LET ME KNOW / MONO NO AWARE / Newspeak / Ryohu (Band Set) / 鈴木真海子 / WONK

-DJ-
オカモトレイジ(OKAMOTO’S)/ JUBEE / Yohji Igarashi / okadada / Shōtaro Aoyama / Whelmiy’nd / DJ mariennu / ナツ・サマー / DJ MITSU

【チケット情報】
■入場券
2日通し券:21,500円(税込)
1日券:11,500円(税込)
2日通し券(スタンド席付):25,000円(税込)
1日券(スタンド席付):13,500円(税込)

■中高生入場券
2日通し券:14,000円(税込)
1日券:7,900円(税込)
2日通し券(スタンド席付):17,500円(税込)
1日券(スタンド席付):9,900円

■駐車券 ※発売中の券種のみ
臨時駐車場・駐車2日通し券:5,000円(税込)
臨時駐車場・駐車1日通し券:2,500円(税込)

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2451985

LIVE AZUMA 2023 AFTER MOVIE

公式サイト:
https://liveazuma.jp

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