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KERA CROSS第六弾『消失』で、藤井隆と入野自由が兄弟役に

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左から)藤井隆、入野自由 (撮影:石阪大輔)

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ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)の過去戯曲を、新たな演出家の手により再構築する人気シリーズ「KERA CROSS」。その第六弾『消失』は、ナイロン100℃の本公演として過去二度上演され、今なお高い人気を誇る一作だ。今回演出を担うのは、KERA CROSS 第三弾『カメレオンズ・リップ』(21年)でもその手腕が光った河原雅彦。そこで物語の主軸となる兄弟、チャズとスタンリーを演じる藤井隆、入野自由のふたりに、KERA作品への想いや河原演出について、ざっくばらんに語ってもらった。

――KERAさん作品への参加は、藤井さんは初、入野さんはKERA CROSS 第二弾『グッドバイ』(20年)以来二度目となります。今回のお話があった時の心境は?

入野 素直に嬉しかったです。高校生ぐらいの時に初めて観た、ナイロン100℃『ナイス・エイジ』(06年、作・演出:KERA)にめちゃくちゃ衝撃を受けたので。それこそ『グッドバイ』は念願叶ってでした。あの時の演出は生瀬(勝久)さんで、演出家によって作品の印象がこんなにも変わるんだと思いましたし、生瀬さんが試しにやって見せてくださる芝居が素晴らしくて……。当時は落ち込む日々でしたが、再びKERA CROSSという企画で、KERAさんの作品に挑戦出来ることが本当に光栄です。

藤井 すごく光栄だなと思いました。(主催の)キューブさんには生瀬さん、古田(新太)さん、大倉(孝二)さんなど、お世話になっている方が本当に多いですから。KERAさんの作品は大倉さんのおかげで何度か拝見していますが、夢があったり、怖かったり、約3時間の間にいろんな気持ちにさせてもらえる。そういう物語の世界に自分も入っていけること、それを藤井にやらせてみようと思っていただけたことが、本当に嬉しいなと思います。

――『消失』という作品の魅力をどんな点に感じていますか?

藤井 台本を読ませていただきましたが、再演もされているだけに、お好きな方がたくさんいらっしゃる作品だと思うんです。だから絶対に汚さないよう、演出の河原(雅彦)さんにしっかりついていきたいなと思っています。物語としてはやっぱり面白い、けど難しい、一度読んだぐらいではわからないことばかり。ただ20年前に描かれた近未来から、時代はどんどん変わってきていると思うので、今回の上演ではそういった点も味方してくれるんじゃないかなと期待しています。

入野 僕は再演を観ていて、率直に面白い!と思いました。序盤は理解し難い感じから、中盤には心がザワザワし出し、最終的には崖の底に落とされるような感覚になるのに、それが救いのような気もして……。今回台本をいただいて読んでいくと、実際に観たものとはまた違って、なかなか腑に落ちない部分もある。そこを今回河原さんと皆さんとで一緒に作っていけたらと思います。

――今回おふたりが演じられるのは、藤井さんが兄のチャズで入野さんが弟のスタンリー。これまで大倉さん、みのすけさんが演じられていた役どころですね。

藤井 もともとKERAさんがすごい愛情をもって、大倉さんやみのすけさんに書かれた役ですからね。そこはプレッシャーに感じても逆におこがましいというか、いったん置いて考えるようにしています。

入野 僕もみのすけさんで観た印象が強いですし、読んでいても頭の中で動いているのはみのすけさんになってしまって(笑)。そこで僕がみのすけさんを追うのも違いますし、そもそも追えないですし、落ち込むだけですし(笑)。

藤井 絶対そうですよね!

入野 だから僕も割り切って、別物として楽しんでもらえるようなものを作っていきたいなと思っています。

――先ほどからお名前は挙がっていますが、河原雅彦さんの演出はおふたりとも経験済みですね。

入野 ミュージカル『ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ』(16年)でご一緒しましたが、あの作品はトリプルキャストでした。稽古も日々追われるような感じだったので、こうしてシングルキャストで、じっくり作品を作っていけるのは未知数なので、今からすごく楽しみです。

藤井 僕がご一緒した「愛のレキシアター『ざ・びぎにんぐ・おぶ・らぶ』」(19年)は、本当にお祭りみたいな舞台だったので、演出の河原さんは本当に大変だったと思います。でも役者に預けてくださるところは預けてくださいますし、間違っていたら「全然違います」とちゃんと言ってくださる(笑)。すごく信用出来る演出家さんなので、またご一緒出来ることが本当に嬉しいです。

入野 「KERA CROSS」シリーズの面白さは、同じKERAさんの作品でも、演出家とキャストで全然色の違うものになっていくことだと思うんです。ただ稽古中は今回も絶対にしんどいと思うので……(笑)。

藤井 絶対にしんどいですよね!

入野 だから稽古場ではみんなで楽しく、そして河原さんには優しくして欲しいなと思います(笑)。

藤井 絶対に優しくして欲しいです!

取材・文:野上瑠美子 撮影:石阪大輔

<公演情報>
KERA CROSS 第六弾『消失』

2025年1月・2月 東京・大阪で上演

公式サイト:
https://www.cubeinc.co.jp/archives/theater/keracross_6

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