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頂点を見据え、研ぎ澄ます武知海青の美学「頑張る以外の選択肢はない」

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武知海青 (撮影:堺優史)

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極限まで磨かれた肉体には、人を惹きつけてやまない美しさが宿る。これまでの研鑽を凝縮させたボディ・ビジュアルブック『BULLET』(幻冬舎)を9月19日に刊行した、THE RAMPAGEのパフォーマー・武知海青。彼の鍛え抜かれた姿を見ていると、美しさには限界がないと思い知らされる。プロレスラーとしての新たな地平も開拓する武知は、いまこの瞬間、どんな景色を見ているのだろうか。

ありのままの自分を見せたい

まさに筋骨隆々な肉体を持つ武知だが、服を身につけるとたちまち着痩せして見える。「結構、着痩せするタイプなんです」と和やかに笑う彼のトレーニング方法は、すべて自己流なのだとか。

「トレーニングや食事方法は、いまはすべて独学です。最初はプロの方に教えてもらっていたんですが、自分の身体に合うやり方を見つけてからは、自己管理しています。今回のようなボディ・ビジュアルブックをつくらせてもらうのは初めてなので、自分にとってのいちばん良い身体を最大限、詰め込みたいという思いが強くありました。大袈裟な言い方になっちゃいますけど、これまで肉体を武器に芸能界を戦い抜いてきたので、あらためて自分の魅力を知ってもらえたら嬉しいです」

テーマは「美」。武知自身が表現したい自分と、ファンに求められる“武知海青”の姿。そのちょうど真ん中を“狙い撃ち”した姿が、所狭しと並んだのが『BULLET』だ。

「僕が思い描く美しさや、見せたい本当の自分。たくさんある自分像をあえて一言で表すなら『ありのまま』でしょうか。やっぱり、自然体の僕を見てほしい。ただ、表現者として舞台に立っている以上、ありのまま過ぎてもいけないのかな、とも感じるんです。『BULLET』内のインタビューでは、赤裸々にありのままの僕を語っていますけど、ファンの方が求めてくれる、アーティストとしての自分も表現したい。その両方を、絶妙なバランスで楽しめる一冊になったと思います」

武知海青流・モチベーション維持のコツ

素の自分と、アーティストとしての自分。ときには相反してしまいそうな二面性のバランスについて、武知は「デビュー当時は、相当悩みました」と振り返る。

「やっと最近になって、その二つが安定してきました。時間がかかりましたね(笑)。何かきっかけがあって変わったというよりは、僕はもともと先を見据えて物事を考えるタイプなので、いつかバランスの取れた自分になれるだろうって信じて、ここまで走り続けてきた感じです。何事も、チリが積もれば山となる、ですね」

武知海青といえば、努力の人だ。自らの意思のみで肉体改造に向き合い、THE RAMPAGEのパフォーマーとしてデビューした後も、柔道の黒帯取得やプロレスラーとしてリングに立つなど、新しい挑戦を惜しまない。一つのゴールをクリアした瞬間に、次のゴールが出現するような道を、走り続けられるモチベーションの源泉はどこにあるのか。

「落ち切ったモチベーションを上げるのって、すごく難しいじゃないですか。でも、ちょっとだけ残っているモチベーションを掬い上げられたら、持続性を高められる。『今日はやる気がないからやめておこう』ではなく、自分のなかに残っているモチベーションの種を探り出して、育ててあげる感覚。そんなマインドに変えていければ、終わりのないトレーニングでも続けていけるんです」

まるで、なんでもないことのように語ってみせる。苦難の連続を乗り越えてきた武知だからこそ、モチベーションがゼロになることはありえない。しかし、そんな彼にとってもコロナ禍は試練だったようだ。

「ジムにも行けないし、自宅でできるトレーニングも限られているし、さすがにしんどかったですね。これ、いつ終わるんだろう……って力が抜けちゃって。でも、そんなときでも、過去の『いちばん良い状態だった自分の姿』を見つめ直して、なんとか這い上がりました。スポダン(=最強スポーツ男子頂上決戦)で優勝したときの写真や、プロレスの試合で勝ったときの写真を見返したり。皆さんも、たとえばダイエットのモチベーションが続かないとき、過去にいちばん痩せてたときの写真を見返せば、やる気が復活するはずです!」

常に自分史上のベストを模索する

THE RAMPAGEのパフォーマーとしてデビューして以降、武知のなかには「身体を鍛えていないと、グループに必要とされない」という意識が拭えなかったという。しかしそれは、決して卑屈な思いからではない。

「デビュー当時、僕には取り柄がなくて。THE RAMPAGEはメンバーが16人もいますから、何か武器を持っていないと簡単に沈んでしまうと思ったんです。でもあるとき、HIROさんから『体格が良いね』って褒めてもらえて。それをきっかけに『じゃあもっと身体を鍛えたら、自分の強みになるのかも』と気づきました。それからトレーニングに向き合うようになったんです」

いまではTHE RAMPAGEのなかでも、鍛え抜かれた美しい身体の持ち主として知られるようになった。立派なアピールポイントとして確立して久しいが、武知はまだまだ先を見据えている。

「今後、どうしても年齢とともに骨格や筋肉量、筋肉の付き方、代謝が変わってきます。重ねられる年齢に適応した身体をつくっていく必要があるんです。些細な変化も見逃さずに、食事や運動量を調整して、その瞬間にもっともベストな自分を探していくつもりです」

パフォーマー、そしてプロレスラー。体力や筋力を重視する仕事は、年齢とともに向き合い方が変化していく。否応なしに訪れる変化を、武知は悲観的に見てはいない。いつどんなときだって、ベストな自分でいること。それがきっと、彼の自分らしさであり、ファンへ報いる姿勢なのだろう。

男性ファンへのアドバイス「守る人ができれば……」

「すごく根暗でした。学生のころ、国語の音読の時間に、クラス全員の前で教科書を読み上げるのが嫌だったくらい……」と武知自身が振り返るように、もともとは人前に出るのは苦手なタイプだったという。

「でも、トレーニングを習慣化して身体を鍛えたことで、メンタルも強く明るくなりました。それでも、根っこの暗さは変わらないんですけどね(笑)。一人で時間を過ごすとか、一度『元の自分に返る時間』をつくらないと、また頑張る力がわいてきません。この性根は、どれだけトレーニングしても変わらない部分だと思います」

そんな武知が、いまやTHE RAMPAGEのパフォーマーとして大観衆を前にライブをし、プロレスラーとして技を披露している。自らを奮い立たせられるようになったのは「トレーニングをするようになったこと、そしてスポダンで優勝した経験」が大きな自信に繋がったから。「何か一つとことんやり切って結果を出せれば、いつまでも挑戦し続けられる自信になるんだ、と思えたきっかけでした」と実感を込めて語る。

あえて、男性ファンへのトレーニングのアドバイスを求めると、武知は「大切な人ができたら、頑張れるんじゃないでしょうか」と直球ゆえに強いメッセージをくれた。

「守りたいと思える人がいるかどうか。つらいこと、しんどいことでも『この人のために』と思えたら、最後までやりきれますよね。いちばん大切な人を思い浮かべて、しっかりフォーカスを定める。そうすれば、身体を鍛えるモチベーションになると思います」

デビュー以降、覆らない掟

武知海青のボディ・ビジュアルブック『BULLET』には、彼の鍛え抜かれた肉体が、さまざまなシーンや角度で切り取られている。「当初は、ここまで脱ぐ予定ではなかったんです!」と武知は、実際に見本誌を手にしながら、追加で撮られたカットについて教えてくれる。

「いったん撮影が終わったあと、想定以上にどの写真も素敵だ、と言ってもらえて。スタッフさんと話し合ったうえで、もう少し攻めたポージングでも撮ろう、ということに。『BULLET』を見てもらうと、途中で紙の質感が変わっているので、どこから追加で撮られたカットなのかわかってもらえると思います」

鑑賞者まで照れてしまうほどのカットが続く。「最初は恥ずかしかったんですけど、現場に入っちゃえばやるしかないですから。やっぱり撮るからには良いものを残したいので、なんでもやります! っていう精神でしたね」と武知は撮影当時を述懐する。挑戦するからにはやり切る、その精神は、THE RAMPAGEとしての活動にも通じる。

「僕が『やる!』と言ったら、応援してくださるファンの方がいます。期待を背負っているのに、途中でやめることはできません。やめるのって簡単ですけど、そのせいでTHE RAMPAGEとしての株まで下げかねない。そうならないためにも、やると決めたら行けるところまで行く。それが僕のデビュー当時からの掟で、一度もブレたことがないです」

取材当時は9月中旬、ちょうどTHE RAMPAGE TOKYO DOME公演が終わったばかりだった。メンバー16人全員で臨んだ肉体改造計画において、なんとトータル−51.1kg減を達成。

「一ヶ月のあいだ、メンバーの士気が下がりかけた時期もあったんですけど、全員で連絡を取り合いながら『やると決めたらやる』精神で頑張りました。たった一人でも気合いを持ち続けていれば、それに感化されてもう一人、また一人とやる気のレベルが上がってくる。16人全員で競い合う世界をつくることができたら、本番までに良い結果を出せる、と確信していました」

自ら鍛錬し、追い込む姿を見せることで、メンバーを引っ張り上げる存在になった。まるで鬼コーチのような顔も見せる武知に、もっとも優秀だったメンバーについて訊いてみる。

「陣さんです。トレーニングの回数も多く、食事のことまで僕に訊いてきて。あれだけお酒が好きなのに、禁酒までしてたんですよ。体重、体脂肪率ともに目標値以上の結果を出してましたし、ほかのメンバーを鼓舞する存在だったと思います。反対に(鈴木)昂秀は、ちょっと……(笑)。一人だけジムに来ない日があって、僕が急いで呼び出して一緒にトレーニングしたこともありましたね」

THE RAMPAGEは「登山で例えると7合目」

これまでの活動の軌跡や、未来を見据えたインタビューはもちろん、武知家族の座談会まで収録された充実感たっぷりの『BULLET』。そのなかには「完璧になりたいけど、なれない」という、武知の根本に在り続ける葛藤についても触れられている。

「THE RAMPAGEとして活動するなかでも、常にその葛藤は感じています。トレーニングと同じく、エンターテインメントもゴールがない世界なので。自分で定めた目標に向かって突き進んで、着実にクリアしていくしかない。最近はそんなジレンマも楽しめるようになってきたんですけど、デビュー当時はまったく楽しめなくて、練習のたびに『帰りたい』と思っていました」

武知にとって、いまのTHE RAMPAGEは登山で表すと「七合目」。残り三合を踏破するには、ドームツアーやワールドツアーなど、大きな目標をいくつも越えねばならない。

「頂上まで行くには、一人ひとりが自分と向き合って、奮い立たせるしかないと思います。僕ひとりだけが目指していても限界がある。メンバーそれぞれが、自分自身で『てっぺんに行くために必要なもの』に気づいて、そこに向かっていくしかない。全員が同じ意識を持てたら、まさにOne for all All for one、ものすごい力になりますよね、きっと。今回も全員で肉体改造ができたんだから、一人ひとりがやるべきことをやっていたら、辿り着けると思います。理想とする頂上に」

半ば確信を持って語る武知の目には、おそらくすでに見えている。THE RAMPAGEとして行き着くべきゴールがどこにあるか、そして、そこからどんな景色が見えているのかも。

「頑張る」以外の選択肢はない

THE RAMPAGEのパフォーマーとしての活動を主軸に、次々と新しい世界に踏み出しては、目標を達成している武知海青。彼が、いまこの瞬間に見据えている“課題”は何なのだろう。

「夢、いっぱいあります。どうしたら辿り着けるかを、毎日模索している感じです。がむしゃらに頑張るというよりは、ゴールを決めてから逆算して、到達するまでの道をつくる感覚のほうが近いかな。僕が頑張り続けることで、誰か一人でも『自分も頑張ろう』とついてきてくれたら嬉しい。それが数珠繋ぎになって、努力の連鎖が繋がってくれたらいいな。僕にはもう『頑張る』以外の選択肢はないんですよね」

9月25日には『最強スポーツ男子頂上決戦2024秋』が、そして29日にはプロレスラー・武知青海にとっての第2戦目『DRAMATIC INFINITY 2024』が控えていた。(※取材日は9月上旬)その間隔は4日しかなく、それぞれに適した身体に調整するのも、彼にとっては新しい挑戦だ。過酷だが、武知は「いまから楽しみ」と目を輝かせる。

「とにかく、試合を観にきてくださる方に、何かを届けたい。一人ひとりの背中を押したい。タイトルを獲りたい、ベルトを巻きたいといった気持ちよりも、応援してくださる方全員に何かを持ち帰ってほしい。その思いしかありません」

生粋のエンターテイナーだ。THE RAMPAGEのパフォーマー、そしてプロレスラーとして公の場に立ち続ける彼を支えるのは、自分自身はもちろん、ファン全員を鼓舞したい“魂”が原動力になっているのかもしれない。

「自分を変えられるのは、自分しかいません。可愛くなりたい、綺麗になりたい、カッコよくなりたい、強くなりたい……その願いを叶えられるのは自分自身。自分さえやる気にさせてしまえば、あとはもうなんでもできちゃうんですよ。些細なことでもいい。何か一つやり切ると決めて、自分を信じて走り抜くこと。ぜひ思いついたことにチャレンジしてみてください。諦めるのは、始めてからでも遅くはないですから」

武知海青の言葉は、どこまでもシンプルで自然体だ。それは彼自身が何度も迷い、苦しみ、諦めかけたことがあるからだろう。一筋の弾道となってまっすぐ届く言葉に導かれ、これからも、見たことのない景色を見せてくれるに違いない。

取材・文:北村有 撮影:堺優史

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<書籍情報>
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https://www.gentosha.co.jp/book/detail/9784344042810/

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