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さまざまな制約で過去最難の窮地を作り出す! 新作『トラップ』に見る“シャマラン流”

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『トラップ』 (C)2024 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED

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M・ナイト・シャマラン監督の新作『トラップ』が10月25日(金) から公開される。本作はサスペンス、ホラー、ファンタジーなど様々な要素を独自のブレンドでミックスしてきたシャマラン監督の集大成的な作品だ。

これまで多くの作品で密室や登場人物に対する“制約”が描かれ、ドラマを盛り上げてきた。シャマラン監督は物語の必須条件である“制約”を巧みにアレンジする達人だ。

例えば、2004年公開の『ヴィレッジ』は閉鎖空間が舞台だ。自給自足で暮らすアメリカの村の住人たちは、奇怪な出来事が次々に起こっても村から出ることができない。通常のホラー映画であれば、この設定は単に恐怖を盛り上げるためにある。しかし、本作は“村から出られない”ことが物語の重要な設定であり、ラストのサプライズへとつながるのだ。

最新作『トラップ』も、シャマラン監督ならではの“制約”が満載だ。

全米を震撼させている切り裂き魔クーパーが、もうひとつの顔“優しい父”として娘と共にやってきた巨大アリーナでは、世界的に人気のアーティストが公演中。しかし、このライブ会場そのものが“トラップ=罠”で、すべての入り口が塞がれ、その周囲には大量の警官隊が配備される。会場内のいたるところに監視カメラが設置され、スタッフ通路はすべてセキュリティロック済み。

大きな会場ではあるが完全な閉鎖空間。外に出ても幾重にも警官が包囲している状態。つまり、逃げ場はない。さらにクーパーは、娘に自分が切り裂き魔であることを知られたくないので、娘と一緒に“父として”このアリーナから脱出しなければならない。しかし、ライブは進行中で娘はステージに夢中だ。

空間の制約、行動の制約、素性を明かせない制約……シャマランは本作で過去最難の状況を自ら作り上げてしまった。そしてこの制約を単に突破するのではなく、これまでの作品同様、“シャマラン流”のアレンジを加えながら描いていく。

さらに本作はワクワクだけで押し通すのではなく、随所にニヤリとする場面やユーモアのある展開が描かれ、物語の緩急が巧みにコントロールされている。観客が父娘の会話にほのぼのとしていると、その隙を突くようにサプライズや意外な展開が差し込まれる。

映画『トラップ』はこれまでのシャマラン作品同様、最後の最後まで油断できない作品になっている。

<作品情報>
『トラップ』

10月25日(金) 公開

公式サイト:
https://wwws.warnerbros.co.jp/trap/

(C)2024 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED

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