内藤大希×平野良に聞く『る剣』への意気込み
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内藤大希×平野良
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る・ひまわりが2011年より上演している、「なんとなく歴史が学べる」年末公演、祭シリーズ。2024年12月から2025年1月にかけて上演される最新作は、ファンからも熱望されていた「幕末」が描かれる。
脚本・土城温美、演出・原田優一、音楽・オレノグラフィティがタッグを組み、spiと内藤大希がW主演を務める。第一部のオリジナ・る ミュージカ・る 『もえ・る剣』で斎藤一を演じる内藤大希、土方歳三を演じる平野良の二人にインタビューを行った。
自分たちでも、どうなるか楽しみな公演
――お二人とも祭シリーズ常連です。今回の意気込みや楽しみなことを教えてください。
平野 主演が横須賀コンビで楽しみだよね。spiはシン・るひま1作目に出てくれたときから「もっとやりたい!」と言っていました。しかも今回は大希とのタッグ。僕自身も楽しみですし、ミュージカルで岡さんや水さんがいて、加藤将・加藤啓の要注意コンビもいる(笑)。いろいろなものが詰まっていると思います。
内藤 (原田)優一さんにはいつもお世話になっています。さらに、良くんが演出した『時をかけ・る~LOSER~』に参加し、すごく絆が深まった気がします。メンバーの様々な側面をさらに知ることができ、人としてより好きになりました。今回は良くんも優一さんもいるので、心の支えが2本決まっている状態。ひまわりに添木と結束バンドがついているくらい、上にしか行かないなって。
平野 逆に不自由じゃない(笑)。
内藤 成功間違いなしだと思っています!
――平野さんの演出作品で、祭シリーズとはまた違う皆さんの一面を知ることができたということですが、改めてお互いの印象はいかがですか?
内藤 『時をかけ・る』で良くんと話した時、役者の時は演出脳じゃなくて自分のことを遂行していると言っていました。でも、シンるで役者の良くんにアドバイスをもらい、絡まった糸が解れることもあった。やっぱりお兄ちゃんな感じがします。演出でも、言葉を選んでピンとくることを話してくれるんです。良くんが中心にいて、みんなが惹きつけられる感じがしましたね。あと、稽古場で人一倍筋トレをしていた。身体にも気をつけていてさすがだなと(笑)。
平野 大希はまっすぐなところが魅力ですね。わからないときはわからないことが伝わるのでやりやすい。わからないのを誤魔化してしまう人もいるけど、大希はすぐわかる。しかもそれが解れた瞬間に光り輝くお芝居をする。歌一つとっても魅力の爆発力がすごいので信頼しています。中途半端がない、とても気持ちのいい俳優さんだと思います。
――例年よりキャストが少なく、一人ひとりの歌唱や見せ場が増えるのかなと感じています。
平野 今回もエモーショナルな感情になるんじゃないかと思うし、それをこのメンバーでやる。今回はspiと大希の歌で泣けるんじゃないかなと思います。歌で魅せられるメンバーが多いよね。
内藤 あと、近藤を演じるのが啓さん、副長が良くんじゃないですか。『明治座の変 麒麟にの・る』を見ている身としては、啓さんと良くんのお遊びタイムみたいなものがあると嬉しいです。
平野 ふざけられる人が少ないもんね。spiと将、井深(克彦)がやりそうだけど、どうだろう。何が起こるか楽しみ。
生きるヒントも詰まった作品になるはず
――様々な作品に登場する新選組。今回はどう作っていこうと考えていますか?
内藤 斎藤一は寡黙でシュッとしてるイメージがあります。
平野 冷静な人だよね。それを大希がやるっていうのも、今までにない感じがする。
内藤 寡黙だけど、信頼されている。不思議な人ですよね。
平野 いろいろなところでバランスをとって順応して生きてきた人なのかな。土方に求められているのはまとめ役だろうと思います。啓さんに「ちゃんとしてください! 何やってるんですか、何年も何年も!」って怒るシーンがほしい(笑)。
内藤 積年の(笑)。あったら面白いですね。
――新選組や会津藩のイメージはいかがでしょう。
平野 時代の過渡期、歴史の変わり目にいる人たちの激情みたいなものを感じます。この時代を扱った映画や漫画を見ても、それぞれに正義があるから、どこにどうやって光を当てるかによると思いますね。今になって振り返るとそれでよかったと思えるけど、っていう。今とリンクできることが時代物の良さ。生きる活力やヒントもたくさんある作品になるだろうと思います。
内藤 僕、グループでの活動に憧れがあって。
平野 「SUI」やってるじゃん。写真集出してるやん。
内藤 そういうことじゃなくて(笑)。DA PUMPとかRUN&GUNとか。
平野 なんでそのチョイス(笑)?
内藤 グループで何かをするって、いい部分と悪い部分があると思うんですが、憧れがあったんです。新選組というグループ、個性あるメンバーの中で、自分がこの脚本を使ってどんな役割で何ができるんだろうと。
平野 大希がspiとどう作っていくのかも楽しみ。一緒にやったことはあるの?
内藤 あるけど、お芝居で言葉を交わしたことはほぼないです。普段、spiとは何も考えずに喋っちゃうんですよね。地元の友達みたいな感覚。
平野 同郷で同い年だよね。プライベートの関係性が役や作品にいい影響を与えるんじゃない?
内藤 spiは声がすごくまろやかで優しい。声を重ねた時にどうなるかも楽しみです。あと、二部の最後にTHE ZEN(2023年の『ながされ・る君へ~足利尊氏大変記~』二部に登場したユニット)の曲を歌うんですよ。これも今までにない。
平野 引き継いだっていう。でもいい曲だったもんな。
内藤 THE ZENの影響力は絶大だと思いました。楽しみです。
――今お話に出ましたが、二部のパフォーマンスも楽しみの一つです。
平野 今回も歌って踊ってになるだろうね。
内藤 僕が聞いた楽曲はダンスチューンっぽいアレンジが多かったです。
平野 「うっせえわ!!」はタイトルを変える気もないじゃないですか(笑)。
内藤 オマージュ元には「!!」がないです(笑)。
平野 水さん、想像つくなあ(笑)。楽しみ。
内藤 A'zはさっき写真を撮ってたけど、どんな感じになるんですかね。
平野 Sonnow Manはめちゃくちゃ踊らされそう。メンバーに啓さんは……いない! ってことは踊らされるぞ(笑)。いやー……。稽古のことを考えて無言になっちゃった(笑)
内藤 (笑)。
歴史ある作品の新たな一歩を見届けて
――原田さんの演出の魅力を教えてください。
平野 掘り下げる余地も残してくれているし、役者に委ねてくれている感じもあってやり甲斐があります。
内藤 優一さん自身も素敵な役者さん。前回ばっち(相葉裕樹)が演出を受けているのを見ていても、役者に寄り添って助けてくれる方だと感じました。演出家として大変な時期もあるだろうけど、それを感じさせない。楽しく稽古に参加できます。役をしっかり務め上げることが優一さんへの恩返しになるかなと思いながら向き合っています。
――稽古前ですが、見どころ、注目ポイントはどこになりそうでしょう。
平野 やっぱり歌ですね。みんなで歌うようなところが一番楽しみかも。歌も芝居もアクションもあり、二部では笑いもある。年末年始にふさわしいエネルギーの作品になると思います。大いに期待して遊びに来ていただけると嬉しいです。
内藤 るひまさんの作品で新しく出会う方って、すごく仲良くなれるので今回もとても楽しみにしています。一部はお仕事、二部は借り物競走みたいな感じ(笑)。一部と二部を合わせて身も心も消耗するのが年末のるひまさんというイメージです。二部の演目ではコントもあるだろうし。僕、コントの良くんを見るのも好きで、本当に楽しみなんです。以前もハマってしまい、松田岳くんとずっと笑っていましたし、別現場で会う時も話したくらい(笑)。また見られると思うとワクワクしています。岳くんもゲストでくるのでそれも楽しみです。
――最後に、楽しみにしている皆さんへのメッセージをお願いします。
平野 初めてシアターHに足を運んでくださる方も多いと思います。10年以上続いたシリーズがシンる・ひまになり、150年の歴史を持つ劇場から今年できた劇場になります。また一つ、新たな歴史・伝説を一緒に作れたらいいなと。作品はお客様が入って初めて完成するので、ぜひその目撃者になっていただきたいと思います。
内藤 人数が少なくなった分、それぞれの役者さんへのフィーチャーの配分も大きくなると思います。別現場で知った推しの新たな魅力に、るひまさんならではの形で触れられるので、絶対に楽しんでいただけると思います。ぜひ楽しみにしていてください。
取材・文:吉田沙奈
<公演情報>
シンる・ひま オリジナ・る ミュージカ・る 革命『もえ・る剣』
東京公演:2024年12月27日(金)~2025年1月2日(木) シアターH
大阪公演:2025年1月18日(土)~1月19日(日) サンケイホールブリーゼ
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