AKB48・小栗有以がコント舞台初挑戦「新しい自分をたくさん出せるように殻を破りたい」

今回の舞台は「新しい自分を探せる機会」

――出演が決まったときのお気持ちを教えてください。

「混頓」の前作を実際に会場で観劇して、たくさん笑いましたし、ストーリーもすごくおもしろくて、魅力的な公演だな、と思っていました。そのようなシリーズの公演に今回選んでいただけて嬉しい、という気持ちが強かったです。

――コントは初挑戦ということですよね。

ちょっとしたコントみたいなものはグループでやっていたんですけど……本格的なコントは初めてなのですごく勉強になるという意味で、新しい自分を探せる機会だなと思ってすごい楽しみにしてます。

――ご自身が演じられる役についてはどういった印象ですか？

私は両方ともわりと大声を出す、怒りの感情が多い役なんですけど、普段の自分の性格とは全く違う本当にさらけ出す役だな、と思います。新しい自分がどう出せるかが大事だな、って。
あと、どちらも本当にアドリブが多いんです。毎公演、アドリブを考えないとな、と楽しみとドキドキする気持ちがあります。

――やはり、普段の役者のお仕事とは役作りの仕方も違いますか。

ドラマはカメラを向けられたときに、いかに表現できるか、というところがあります。撮り順も物語通りではないので、瞬発力が大事だな、って思うんですけど、舞台は共演者のみなさんと一緒に何日も稽古して、みんなで作り上げていくものだと思います。その中で生まれるセリフじゃないアドリブが舞台の良さというか。多分、毎公演違うと思うのでリアルが出せるのが舞台だなと思っています。そのリアルなおもしろさが出せるように、みんなで今絆を深めている段階です。

――稽古の様子はいかがですか。

有野さんがおもしろくて。小さいころからテレビで拝見していて大好きでした。一番ベテランにも関わらず、みんなを笑わせてくださるんです。ムードメーカーですね。

――稽古の初日は緊張されたんですか。

今回、初めてご一緒する方ばかりだったので、緊張しました。でも、本当に少しずつお芝居を通して仲良くなってきていますね。

――有野さんがムードメーカーとのことですが、原さんや井頭さんの印象はいかがですか？

原さんはどちらの作品でも、おもしろい役回りなので、演じ分けも勉強になります。
井頭さんはずっと私と喧嘩している役です。ケンカのときは関西弁で怒られるんですけど、やっぱり関西弁の方が強く感じるんですよね。私も役になって思いっきり怒っていても、負けちゃうぐらい、強くて。関西弁に負けないぐらいがんばらないと、と思っています。
怒っているときは本当に怖いんですけど、オフのときの井頭さんは本当にキュルキュルしていて優しくて、みなさんいい人だなと思います。

――脚本・演出のかたまりさんや三浦さんとは、どういったお話をされたんですか？

稽古場に来られたときは演技を見ていただいて、分からなかったところは聞いて……という形ですね。本当に学校の先生みたいな感じです。
三浦さんはすごくわかりやすく説明してくださって、かたまりさんも芸人さんとしてもおもしろくてすごい方だな、と思うんですけど、演出家さんになったときは真剣で、いい意味でギャップがありますね。本当に私たちの意見を尊重してくださる方です。

――刺激になることも多そうですね。

そうですね。アイドルとして約10年やってきましたが、新しいことに挑戦するときって、どうしても緊張したり、考えたり、研究しながらなので、今はそういう不安だったり、緊張があります。でもきっと本番を迎えたらそれ以上に楽しさが勝つと思うので、そこを目指して稽古をがんばろうかな、と思います。

コントならではのおもしろさとは

――お稽古に入られて、コントで難しいと感じたのはどういった部分ですか？

私の役はアドリブが多くて。片方は初っ端からアドリブがあります。稽古のたびに内容を変えているんですよ。変えなくてもいいし、周りにもそこを期待されているわけじゃないんですけど、「また同じのやってるよ」と思われるのが嫌なんですよね。自分で自分を苦しめているし、どんどん自分の中でハードルが上がっているのでちょっと大変です（笑）。

――では、本番では選りすぐりのものが見られるかもしれませんね。

一応、ノートにはどういうアドリブをして、みなさんがちゃんとウケていたかはメモしています。でもまだまだ足りないので、たくさん試してみたいですね。

――逆に、コントをやっていておもしろいな、と感じたことはありますか？

今まで出演してきた舞台は決められたセリフがありましたが混頓はセリフは決まっていても、そのときの感情でコントとして繋がっていればいいんですよね。なので、セリフを覚えよう、というよりも、役の関係性で動きを大きくしたり、間を大事にしたり、より動きをコミカルにしています。
稽古でも笑ってしまいそうになる部分がいくつかあるので、それは本当に気をつけないとな、と思っています。

――今回の舞台は、役者としても新境地かな、と思うのですが、今後、挑戦してみたい役はありますか？

普段の自分の性格と違う役にもチャレンジしたいです。今は学生役をいただくことが多いですが、等身大の役が好きだな、と思う反面、もっといろんな表現幅を出していきたいです。この作品は、そういったいつもと違う自分を磨ける場になるかな、と思います。

――最後に、記事を読んでくださる方へ、メッセージをお願いします。

今回の役は本当に破天荒というか、いつもの私とは全く違う役柄なので、アイドルの小栗有以としてではなく、「小栗有以」が表現するコントとして観ていただきたいな、と思います。コントの所作とか、普段やらないような動きも意識しているので、そういう細かい部分にも注目してほしいですし、いつもの自分とは違う、新しい自分をたくさん出せるように殻を破ってがんばるので、楽しみにしていただけると嬉しいです。

取材・文：ふくだりょうこ

＜公演情報＞
コント公演「混頓vol.5」

公演期間：2024年11月15日(金)〜11月17日(日)
会場：TOKYO FMホール

チケット情報：
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2454415