秋の対バンツアー2戦目、ユニゾン×ハンブレッダーズ真っ向勝負!なZepp Sapporo公演をレポート
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すべて見るText:高島由佳 Photo:渡邉一生
ハンブレッダーズ&対バンする6バンドのロゴがあしらわれた巨大なバックドロップを背景に始まった『秋のグーパンまつりZ 2024』。福岡に続く2本目は寒風吹きすさぶ札幌公演。Zepp Sapporoに敬愛するUNISON SQUARE GARDENを迎えて行われた。
UNISON SQUARE GARDENの3人が現れ、1曲目「to the CIDER ROAD」のイントロが流れた瞬間から会場が大歓声に湧く。斎藤宏介(vo/g)の歯切れ良いボーカルと、田淵智也(b/cho)の力強いベース、鈴木貴雄(ds/cho)のアグレッシブなドラム。20周年を迎えてさらに磨きがかかったスリーピースが、北の大地に降臨した。
2曲目には早くも最新シングル「傍若のカリスマ」をお披露目。それぞれのソロパートではサウンドで個々を存分にアピールしながら、ライブでこの曲を聴くのを待ち望んでいたオーディエンスを圧倒する。続けてユニゾンの名を一気に押し上げた名曲「シュガーソングとビターステップ」へ。冒頭3曲で鮮やかに自己紹介を済ませた。
ひと息ついたMCで斎藤が「ハンブレッダーズとは四者四様に付き合いがあって、4人とも音楽に対してまっすぐでめちゃくちゃ可愛い後輩です。やっと念願かなって一緒にできた。でも今日は先輩も後輩もナシの対等な立場で、ボコボコにしてやろうと思います」と先制攻撃。そこからは1stアルバム収録の「カラクリカルカレ」や最新アルバムの「アンチ・トレンディ・クラブ」から、「何かが変わりそう」、「君の瞳に恋してない」とこれまでのユニゾンを網羅する勢いでコアなファン垂涎のアルバム曲を披露した。
「あまり話したことないんですけど」と前置きして「同じレーベルの中でも、ハンブレはスタッフも一緒で完全に同じチームだからほぼ家族みたいなもん。彼らの活躍がすごくうれしくて誇らしい……けど、関係なくボッコボコにします!」と本日2度目のノックアウト宣言。
田淵がステージを縦横無尽に駆け回る「Invisible Sensation」から、疾走感あふれる「カオスが極まる」へ。ラストの「フルカラープログラム」では、鈴木がドラムスティックと上着を高く放り投げ、怒涛のような全10曲を終えた。「次はハンブレッダーズです!」と、ハンブレッダーズにバトンを渡し、鈴木はツアータイトルになぞらえて客席に向かってグーパンを披露して退場した。
懐かしさあふれるKenoの「おはよう。」をSEに、足取りも軽くあらわれた4人。15年前の自分たちに問いかけるような印象的な歌い出しでスタートを切る。最初から挨拶がわりのukicaster(g)のギターソロがうなり、早くもオーディエンスのクラップやシンガロングが炸裂する。
MCではムツムロ アキラ(vo/g)が「UNISON SQUARE GARDEN先輩まじサイコーでした! ありがとうございます」と、背中を追いかけ続けた先輩バンドに感謝をつげる。続けて「でもかわいいだけの先輩は叩き潰し甲斐がないんで、今日はバラードなしでやります!」と宣言。ユニゾンへのリスペクトをこめて次の曲へ。会場と会話するように、歌で、かけあいで一体感がどんどん高まっていく。青春の青臭さと閉塞感ともどかしさが詰まったエモーショナルな楽曲はハンブレの真骨頂。でらし(b)がピョンピョンと飛び跳ねまわり、ukicasterのギターソロが冴える。曲によってはサビでオーディエンスの大合唱も起こる。
会場の熱気と盛り上がりを受けながら、ムツムロが「ユニゾンの時のフロアはもうちょっと気品があった気がする」ととぼける。仕方ない。いまのフロアはみんな暴れたくてたまらない思春期のムーブなのだから。個性あふれる対バンが並ぶ本ツアー。ユニゾン登場の日に訪れた人たちに「素晴らしい日を選んだんじゃないですか?」と語りかけるムツムロは、実に誇らしげだ。
「ユニゾンは最高の先輩です。何回も一緒にやりたいと声をかけていて、やっと出てもらえた。でもグーパンまつりZは、僕らがリスペクトしているバンドと同じ土俵でこれからやっていく決意を示す場なので、今日はボコボコにします!」とこちらも真っ向勝負を宣言した。
個性的なメロディラインにのるキレのよいボーカル、カッティングギターがPOPに響き、ベースとドラムがリズムを作るゆるやかなダンスナンバーにフロアが楽しげに揺れる。
ムツムロがちょっと真面目に新曲について語り出す。「いまはSNSとかネットで全部見えるから、絵を描こうと思ったり、楽器やろうとして動画みても、自分より上手い人がいるからとやめちゃうことがあると思う。でも自分でやるからこそ得られる楽しさがある。まずはアクションしてみよう」からの「いつもやらないけど田淵さんみたいなキックします!」で突然のジャンプキックを披露して新曲「アクション!」に突入。曲中も何度もジャンプキックを繰り出すムツムロの謎のパワーに引きずられ、会場のボルテージもさらにアップ! 木島(ds)のドラムソロから次の曲へと流れゆく。王道バンドサウンドで4ピースの音をじっくりと聴かせて、ソロパートではそれぞれのスキルの高さを見せつける。ukicasterがこれでもかと言わんばかりに、メロディアスで情熱的なギターソロでオーディエンスを夢中にさせる。
クラップ、シンガロング、拳を突き上げてのジャンプにダンス。ハンブレのライブはフロアも大忙しだ。
息切れしながら「ちょっと難しかった…ジャンプ」とこぼすムツムロ。あらためてユニゾンへの感謝を述べたあとで「日本武道館に立たせてもらって、ハンブレッダーズっていうバンドが、ちゃんと日本でバンドをやれている意味っていうか自信というか自覚があります。グーパンまつりZは、これから日本のロックンロールの歴史を作っていく、その決意の場。ユニゾン先輩と一緒に作っていくんで、どうかよろしくお願いします!」と叫んだ。
ラストスパートではあますところなく4人のスキルフルなテクニックを発揮し、フロアは最高潮の盛り上がりを見せる。
「歌え~~~~!」
珍しく煽るムツムロに、会場からは力一杯の歌声が届く。ハンブレのライブは、呼応するようにたびたび湧き起こるシンガロングも醍醐味のひとつだ。波のように広がる歌声が会場を熱く満たす。ライブMCやインタビューでたびたび彼らは「声を出せない人の声を代弁するのがロックバンド」と語る。その魂の叫びを受けて、誠心誠意レスポンスを返すオーディエンスは、まさに5人目のハンブレッダーズなのだとあらためて確信した。
アンコールでは声が枯れたムツムロのかわりに、会場のみんなが声を振り絞って歌う一幕も。
「サイコーです! ありがとう! これから俺たちもっともっと、みんなの手を離れて大きくなっていくかもしれない。嫌いになれるもんならなってみてください」
挑戦的な問いかけは、さらに大きな未来に向け先に進むしかないというの彼らの決意でもあるのだろう。
シングル&アルバムの相次ぐリリース、大阪城ホールと日本武道館でのワンマンライブと結成15周年イヤーを全力で駆け抜けているハンブレッダーズ。ひと回り大きくなった彼らが覚悟を持って挑む秋のグーパンまつりZ 2024。残り3公演も期待せずにはいられない。
<ツアー情報>
『秋のグーパンまつりZ 2024』
11月13日(水) 福岡・Zepp Fukuoka
開場18:00 / 開演19:00
ゲスト:04 Limited Sazabys
※SOLD OUT/終了
11月20日(水) 北海道・Zepp Sapporo
開場18:00 / 開演19:00
ゲスト:UNISON SQUARE GARDEN
※SOLD OUT/終了
11月26日(火) 愛知・Zepp Nagoya
開場18:00 / 開演19:00
ゲスト:サンボマスター
※SOLD OUT
11月27日(水) 大阪・Zepp Osaka Bayside
開場18:00 / 開演19:00
ゲスト:マカロニえんぴつ
※SOLD OUT
12月5日(木) 東京・Zepp Haneda(TOKYO)
開場18:00 / 開演19:00
ゲスト:凛として時雨
※SOLD OUT
<リリース情報>
デジタル・リリース「アクション!」
配信中
配信リンク:
https://lnk.to/hmbr_action
デジタル・リリース「フィードバックを鳴らして」
配信中
配信リンク:
https://lnk.to/hmbr_feedback
ハンブレッダーズ公式サイト:
https://humbreaders.com/
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