なぜ『ライオン・キング:ムファサ』は見逃し厳禁なのか
1994年にアニメーション映画が公開され、2019年の超実写版ではディズニー映画として歴代NO.1の興行収入を記録した屈指の名作『ライオン・キング』の“はじまり”を描く超大作『ライオン・キング:ムファサ』が12月20(金)から公開になる。
誕生から約30年。世界中で愛され続ける作品を語る上で決して欠かすことのできないエピソードがついに明かされ、その結末はディズニー史上屈指の切ないドラマになるという。壮大なスケールの映像、心を震わせる音楽、そして胸の奥をしめつけるような切ない物語。この冬、『ライオン・キング』のドラマがついに完成する!
第1回
第2回
いまも不動の人気。伝説の名作『ライオン・キング』

ディズニーには人気作が数多く存在するが、『ライオン・キング』は誕生から長きにわたって上映、上演を続けている特別な作品だ。
動物たちの王国で、尊敬を集める王ムファサの子として生まれたシンバは、ある日、王座を狙うスカーによって父を殺され、王国を追われる。孤独になったシンバは仲間たちと出会い、成長を遂げ、再び自身の運命と向き合うために故郷に帰還する。
主人公がたどるドラマの面白さ、個性豊かなキャラクター、背後に描かれるメッセージの雄大さが好評を集め、1994年公開のアニメーション映画『ライオン・キング』は大ヒットを記録。エルトン・ジョンが名作詞家ティム・ライスとタッグを組んで手がけた音楽も人気を集め、エルトンが歌った主題歌「愛を感じて(Can You Feel the Love Tonight)」はグラミー賞最優秀ポップ男性ボーカル賞とアカデミー歌曲賞を受賞した。

1997年にはアニメーション映画をベースにしたミュージカルがスタートし、現在も上演が続いている。2019年には最新の映像技術を駆使して描いた“実写を超える映像体験=超実写版”の『ライオン・キング』が登場。全世界で16億5600万ドルの興行収入を記録し、ディズニー映画として歴代NO.1作品となる。
デジタル技術を駆使して描かれるキャラクターは、まるで本物のライオンや鳥の姿でありながら、豊かな表情で演技し、高らかに歌う。どこまでも続くアフリカの大地、生い茂る緑、光をうけてきらめく水、澄んだ空気、すべてを照らす太陽の光がリアルに描きだされ、観客はそのクオリティの高さに驚き、何度も観てきたはずのシンバの物語に改めて没入することができた。
『ライオン・キング』はシンプルな物語でありながら、観る者を決して飽きさせない“深み”がある。アニメーション、ステージ、超実写と語り直すごとに新たな発見がある。名作と呼ばれるディズニー作品は多いが、本作はその中でも“伝説”級の1作と言って良いだろう。
あの人気キャラクターの“原点”を描く予測不能な物語

そしてついに公開になる最新作『ライオン・キング:ムファサ』は、タイトルの通り、シンバの父ムファサが幼い頃の物語だ。
若き日のムファサは家族を失った孤児として登場する。ある日、彼はある日、群れに遭遇し、行動を共にするようになり、王の血筋を受け継ぐタカと出会う。ムファサとタカは友情を深め、血のつながりを超えて実の兄弟以上の絆で結ばれる。ふたりで行動し、喜びも厳しい時もわかちあう。ムファサとタカの友情は永遠に続くかに思えた。
そんなある日、彼らの前に冷酷な敵ライオン“キロス”が出現する。脅威にさらされたムファサとタカは仲間たちを守るため、“約束の地”を目指して過酷な冒険の旅に出かける。彼らはキロスの手から逃れ、冒険を終えることができるのか?

本作で最も驚かされるのは、ムファサと兄弟以上の関係を結ぶ最高の相棒タカが、のちに“スカー”と呼ばれることだ。なぜ、タカはスカーになったのか? なぜ、王の血を継ぐタカではなく、孤児のムファサが王になったのか? そしてムファサとタカの知られざる秘密とは? 新たなキャラクターが登場する物語は観客の予測不可能な展開で、劇中にはアッと驚く真実、伏線、キャラクターの原点のドラマが盛り込まれている。
物語を彩り、熱く盛り上げる楽曲の数々を手がけたのは、ミュージカル『ハミルトン』や『ミラベルと魔法だらけの家』などを手がけてきた現代最高のソングライター、リン・マニュエル=ミランダ。“ミュージカルの天才”とも称される彼が本作のために新曲を多数、書き下ろした。
さらに超実写プレミアム吹替版には豪華なキャストが集結する。主人公ムファサを、歌舞伎俳優であり、映画でも活躍する尾上右近が演じるほか、Travis Japan の松田元太がタカの声を演じることが決定。そして、ふたりの前に立ちはだかるキロスの声を名優・渡辺謙が演じることも発表され、話題を集めている。
最新作の熱いドラマを観て初めて『ライオン・キング』は完成する!

『ライオン・キング:ムファサ』は物語的には“前日譚”と呼ばれるものになるが、それ以上のドラマ、いわば『ライオン・キング』の真髄、魅力の根源を描くものになる。
『ライオン・キング』の中で王ムファサは、息子シンバに王になる心構えを説く場面がある。いずれ王になることを知ったシンバは王国が自分のものになると思うが、ムファサはこう諭す。
「誰のものでもない。だが、お前が守るのだ。それが王の務め。“何を手にいれるか”よりも、真の王は“何を与えるか”だ。すべての生き物は繊細なバランスで存在している。王はそのことを理解し、生き物に敬意を払うのだ」
生き物はすべてつながり、循環して命を次の世代にリレーしている。生命の環=サークル・オブ・ライフと呼ばれる重要な考え方だ。
孤児だった幼いムファサは、どのような出会いと出来事を経験して、大地とそこで生きる者に敬意を払い、守り、命の環をつなぐ偉大な王になったのだろうか? そして彼はどのようにして自分の守る王国にたどりついたのだろうか?
本作では手に汗握る壮大な冒険のドラマを通じて、これらの疑問が解き明かされることになるだろう。それは私たちの愛する『ライオン・キング』の基本的な考え、壮大な世界観を支える最も重要な部分だ。

そして、ムファサとタカの物語も、これまでに繰り返し観てきた『ライオン・キング』をさらに魅力的なものにするだろう。
幼いムファサとタカはまだ“何者でもない”キャラクターとして登場する。ふたりは力を合わせることで前を向き、成長し、仲間を守るために危険な冒険に踏み出す。ひとりではできなかった。親友であり、兄弟とも言えるふたりだからできた。本作の友情ドラマは観客に感動を呼び起こす。しかし、そんな熱く、唯一無二の関係は、衝撃的な真実によって大きく動き出す。
『ライオン・キング』を観ている時には私たちはまだ知らなかった。ムファサとスカーは単なる“不仲”や“因縁”だけの関係ではないことを。かつて、心から信頼する相手だったことを。そして、その絆が壊れたことを。
『ライオン・キング:ムファサ』は、人気キャラクターの過去や驚きの秘密を描くだけでなく、心を揺さぶる感動のドラマを描いた作品だ。ふたりの友情は観る者に温かみを与え、その切ない結末は観る者の胸に残り続ける。
本作を観ることで、『ライオン・キング』に対する理解がさらに深まり、シリーズに対する愛情はより大きくなる。本作を観て初めて、『ライオン・キング』は完成するのだ!
『ライオン・キング:ムファサ』
12月20日(金) 公開
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