Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > ぴあ映画 > 海宝直人が映画『ライオン・キング:ムファサ』に寄せる期待

海宝直人が映画『ライオン・キング:ムファサ』に寄せる期待

PR

いよいよ劇場公開になる映画『ライオン・キング:ムファサ』は、誕生から30年を経てもなお愛され続ける名作『ライオン・キング』の知られざる物語を描いた感動作だ。愛する息子シンバを守るために命がけで戦った偉大な王ムファサ。彼の若き日の物語が明らかになる。

そこで、ミュージカル『ライオン・キング』をはじめ、数多くのディズニー・ミュージカルにも出演している俳優の海宝直人に本作への想いを語ってもらった。彼はこう予想する。「この映画を見ることで『ライオン・キング』の見え方が変わってくるかもしれない」

子どもから大人まで魅了する“伝説の作品”

1988年生まれの海宝は、1994年公開の『ライオン・キング』を「ずっと当たり前のようにそばにいる作品」だと言う。

「ディズニー作品は子どもの頃からずっと観ていましたし、パークにも物心つく前から足を運んでいましたから、『ライオン・キング』も小さな頃からずっと観ていました」

7歳の時に劇団四季のミュージカル『美女と野獣』のチップ役でデビューした彼は、1999年にミュージカル『ライオン・キング』で初代ヤングシンバを務めることになる。

「ヤングシンバを演じたのは小学校4年生の時です。オーディションの時のことを今でもしっかりと覚えています。『美女と野獣』とはまったく違った切り口でつくられた舞台で、その後も『アラジン』『ノートルダムの鐘』とディズニー作品の舞台に出演させていただきましたが、そのどれとも違う。ディズニー作品のもつ幅の広さ、挑戦を続ける姿勢を常に感じます。どの作品もまったく異なるアプローチなんです」

さらに彼はキャリアを積み、16年の時を経てシンバ役で帰還する。ヤングシンバを演じた俳優がシンバ役として再び出演するのは世界初だという。

「何よりもすごいのは、それだけの期間ずっと上演が続いていることです。そして、観客のみなさんの幅も広いんです。大人になってシンバをやらせていただいて、最後のスカーとの対決のシーンで僕が崖に追い詰められて落とされそうになると、客席から子どもの声で『シンバがんばって!』と声をかけてもらったり、幅広い世代がそれぞれの感覚で楽しんでくださっているんだと思います。

大人の観客は大人で感じるものがあるのだと思います。『ライオン・キング』の物語はシェイクスピアの『ハムレット』をベースにしている部分もあるので、内容に深みがあるんです。その一方で、小さな子どもたちも楽しめる。その幅の広さは本当にすごいと今でも思っています」

『ライオン・キング』は“継承”の物語

『ライオン・キング』は“愛され続けている”物語だ。アニメーション映画、2019年の超実写版は現在も多くのファンをもち、ミュージカルはロングラン上演を続けている。長い時を経て、新たな世代が出演者、作り手、そして観客に加わりながら作品が生き続けているのだ。

その光景は、王から子へ、歴代の王から新たな王へと想いが引き継がれる『ライオン・キング』の物語と重なるところがある。

「大人になってシンバを演じさせていただいた時は、劇場が改築前で僕がヤングシンバを演じた時と同じ春劇場(JR東日本アートセンター四季劇場[春])でした。他の演目とは違った独特の空気が流れていて、劇場の空間のあちこちにそれまでのキャスト・スタッフみんなが戦ってきた跡や空気を感じるんです。劇場入った瞬間に改めて、気を引き締めて演じなければならない、と思ったのを覚えています。

この作品を演じるカンパニーは“継承”の感覚を大切にしているのだと思います。作品のスピリッツを次の世代、さらにその次の世界に受け継いでいくことをとても大事にしているんです。ですから、自分もこの作品、この場所で積み重ねられてきたもの、その精神をしっかりと受け取ることができなければ、プライドロックにのぼることはできない。誰かにそう言われたわけではなく、肌でそう感じる。そんな感覚がありました」

彼が受け取ったものの中にはヤングシンバを演じていた幼い頃に劇中でムファサが語った言葉たちも含まれているようだ。

「ヤングシンバとしてムファサと一緒に演じてきて、ムファサの言葉のひとつひとつが自分に刻み込まれている感覚がありました。それは大人になってシンバを演じるにあたって自分の“道しるべ”になったんです。

ムファサの姿を見ることで“いつか自分もこうなっていかなければならない”と思うようになりますし、ムファサを見ることで“王とは何か”を実感できるんです」

ムファサに何があったのか? すごく興味があります!

ところが劇場公開になる映画『ライオン・キング:ムファサ』に登場する若いムファサには“王”の片鱗はまったくない。彼は両親とはなればなれになった孤児で、命を救ってもらったタカと兄弟の絆で結ばれているが、王の血をひくタカをサポートすることはあっても、王になろうとは微塵も思っていない。

海宝は「『ライオン・キング』のムファサは王として“達観の境地”にいたっているからこそ、今回の映画が生まれたんだと思います」と笑顔を見せる。

「ムファサの境地はそう簡単に辿り着けないものですから、何が起こって彼はこんな感じになったのか、みんなの興味を掻き立てるんだと思うんです。前作でザズーがムファサについて“若い頃はヤンチャで周囲のいうことを聞かなくて大変だった”って語るところから想像するしかなかったムファサの過去が描かれるわけですから、すごく気になりますよね。それに僕はスカーがすごく好きなキャラクターで、とても魅力的なディズニー・ヴィランだと思っているんです。このふたりの関係性が描かれるのも楽しみです。

僕は『ライオン・キング』という作品に長く携わってきました。楽しいこともあれば、大変な想いをすることもあったりして、ある時期は『ライオン・キング』の曲を耳にすると緊張感でそれ以上聞くことができない時期もあったぐらい、さまざまな感情を味わってきました。そのぐらい自分という存在の中に“ライオン・キング”というものが流れている。

そんな物語の前日譚を観ることができるわけですよね。なぜ、タカはスカーになったのか? ムファサにどんなドラマが起こって、あの場所にたどり着いたのか? すごく興味がありますし、この映画を見ることで『ライオン・キング』の見え方が変わってくるかもしれない。新しい『ライオン・キング』の物語と世界の創造を目撃したいと思います。とにかく劇場で観るのが楽しみです!」

『ライオン・キング:ムファサ』
12月20日(金) 公開
(C)2024 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.


撮影:源賀津己
ヘアメイク:友森理恵
スタイリスト:津野真吾