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東京芸術劇場「TMT ギア 東京芸術劇場クリエイター支援プロジェクト」始動 岡田利規と山田和樹からのメッセージも

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東京芸術劇場「TMT ギア 東京芸術劇場クリエイター支援プロジェクト」

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東京芸術劇場が、新しい舞台芸術・音楽のプロジェクトとして「TMT ギア 東京芸術劇場クリエイター支援プロジェクト」をスタートし、現在、育成対象者となる次世代のアート・クリエイターを募集している。

文化庁文化芸術活動基盤強化基金(クリエイター等育成・文化施設高付加価値化支援事業)の助成により実施される本プロジェクト。ジャンルにとらわれない柔軟な感性をもって、世界に向けてチャレンジングなプロジェクトを実現したい人を募集、首都の公共劇場としての機能と蓄積を生かし、アート・クリエイターたちの思考と実践を粘り強くサポートするという。舞台芸術部門は演劇作家・岡田利規、音楽部門は指揮者・山田和樹、さらには劇場スタッフがメンターとなり、劇場内外でのクリエイション、海外でのリサーチやプロモーション活動など、劇場とアート・クリエイターが一体となって、プロジェクトの実現を目指す。

舞台芸術部門においては、東京芸術劇場とともに、自らの表現の新たな文脈での可能性を探求。本年度、計画を立てた上で、令和7(2025)年度には、海外フェスティバルなドのリサーチや、国際共同制作などの現場でのオン・ジョブ・トレーニング、ワークショップを実施して、創造のアイディアを育てる。令和8(2026)年度には、自らが中心となって創作した作品を国内で発表し、将来的にはその作品を国際的に発信することを目指すという。募集はパフォーミンアーツ分野(演劇・ミュージカル・ダンスなど)に関わる、演出家・作家・ドラマトゥルク等のアート・クリエイター。パフォーミングアーツを表現の中心に据えながら、さまざまなジャャンルの芸術文化をリファレンスとするか、もしくはコラボレーションして企画することを目指す。

音楽部門では、令和8(2026)年度に主催公演として開催する音楽プロジェクトを企画・上演する。音楽プロジェクトは、音楽をコンセプトの中心に据えながら、さまざまなジャンルの芸術文化をリファレンスとするか、もしくはコラボレーションして企画することを目指す。

「TMTギア」という名称は、次代のアート・クリエイターたちに未来を切り拓きサヴァイヴするための「ギア」―装備、変速装置―をこのプロジェクトを通して探しあて、開発し、身に付けてほしい……という思いが込められたという。

パフォーミングアーツ分野、音楽分野ともに募集受付期間は2025年1月5日(日) まで。

■岡田利規(演劇作家・小説家、次期芸術監督)からのメッセージ 全文

岡田利規(演劇作家・小説家/東京芸術劇場 次期芸術監督)©宇壽山貴久子

あなたがたとえいわゆる"海外志向"というか国際的に活動することへの強い意欲というかそういうのは特にないんですよねという人だとしても、この募集要項を他人事とはどうかおもわないでほしい。演劇・ダンスなどのパフォーミングアーツという芸術形式を探究する野心に満ちた人でさえあるのならば、どうか、このプロジェクトが募ろうとしている対象の、自分は範疇の外であるとおもわないでほしい。
もちろんこれは"国際的なフィールドで活躍するクリエイター"を育成するプロジェクト、それは、そうである。しかし、本プロジェクトで"指導者"を務めることになるわたしとしては、"国際的なフィールドで活躍する"ようになることは真の目的では実はなくて、真の目的を達成するともれなく付随してくるオマケのようなものにすぎないと考えて、これに取り組みたい。
では、わたしが"真の目的"としたいものは何か
ある作り手の作品・活動が、その人自身が根ざすのと異なる文脈において機能することが起こり得る。ときに、作り手自身の思ってもみなかった仕方で。
そのことを、"普遍性"というような雑な(とわたしにはおもわれる)いい回しを用いることなしに考えていくというプロセスを、育成対象者となる人たちと一緒にわたしは経験したい。"国際的なフィールドで活躍する"地力は、その経験のオマケとしてもれなく備わるだろうし、それはその力の備わり方として真っ当なものだろう、とわたしは考えている。
わたしがそう考えるのは、なにより、かつてのわたし自身が少しも"海外志向"ではなかったからだ。だから、そんな人にもこのプロジェクトに奮って応募してほしい。お待ちしています。


■山田和樹(指揮者、次期芸術監督)からのメッセージ

山田和樹(指揮者/東京芸術劇場 次期芸術監督)© Zuzanna Specjal

「人はいるが人材がいない」──すべての業界において切実な問題である。
「人材の発掘と育成」を掲げるプロジェクトは多いものの、一体どれだけの効果が上がっているだろうか。つまり、人材というのは何かの路線やマニュアルによって育まれるものとはまた違うということなのだろう。
今回は国がやる気になった。血税を用いる以上、効果を上げなければならないというプレッシャーを感じている。しかし、人材は一体どこに居て、どのように育まれるものなのか、この簡単ではない問いに正面から向き合えることは幸せなことでもある。
一つ言えることは、縁や出会いなくして人材は決して育まれないということである。そして、その縁や出会いを呼び込める運を左右するのはその人自身でしかない。運があるかどうか、それに尽きる部分もまた多いのは真実だと思う。
ここにクリエイターの募集を設けることになった訳だが、一つ運試しのつもりでたくさんの人に受けてもらいたいと切に願う。変な言い方になるが、受かる運もあれば、受からない運もまたあると思う。しかし申し込まなければ、受かる運も受からない運も最初から働かないのだから、この機会を上手く利用して欲しいと思うのだ。
たくさんの物事がデータ化、デジタル化していく世の中にあって、今一度問いたいのは、情熱ややる気こそがすべての創造の源であるということだ。岡本太郎氏はそれを「毒」という言葉で表現したが、最初からバランスなんかとれていたら逆に恐ろしい。
自分の中に毒を持っている人、募集します。何卒、たくさんのご応募を!!


<『TMT ギア 東京芸術劇場クリエイター支援プロジェクト』アートクリエイター募集>

【支援内容】
・クリエイションおよび公演実施にかかる経費(会場の提供を含む)(稽古・ワークショップへの参加費、脚本執筆料、演出料、ドラマトゥルク料、出演料、作編曲料、舞台費、楽譜・楽器借用料など)
・オン・ジョブ・トレーニングおよび海外リサーチにかかる参加費・渡航費・現地滞在費
・メンターによる活動へのアドバイス 等

【応募受付期間】2024年12月2日(月) 〜2025年1月5日(日)

【募集人数】若干名

詳細は下記東京芸術劇場サイトよりご確認ください
https://www.geigeki.jp/info/20241129/

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