ハンブレッダーズセットリスト
1 銀河高速
2 ヤバすぎるスピード
3 はじめから自由だった
4 DAY DREAM BEAT
5 常識の範疇
6 DANCING IN THE ROOM
7 Telecastic fake show(凛として時雨 カバー)
8 アクション!
9 ⚡
10 フィードバックを鳴らして
11 才能
12 グー
13 フェイバリットソング
14 ギター
―ENCORE―
15 プロポーズ
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『秋のグーパンまつりZ 2024』 東京・Zepp Haneda Photo:渡邉一生
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すべて見るText:森朋之 Photo:渡邉一生
ハンブレッダーズの対バンツアー『ハンブレッダーズ 秋のグーパンまつりZ 2024』の最終公演が、東京・Zepp Hanedaで開催された。対バン相手は、ハンブレッダーズの4人が高校時代から憧れていた、凛として時雨。フロアを埋め尽くしたオーディエンスの前で両バンドは、世代とスタイルを超え、ロックミュージックの醍醐味をダイレクトに見せつけた。
ステージ奥に掲げられたバックドロップには、ハンブレッダーズと今回のツアーの対バン相手の名前がデザインされている。04 Limited Sazabys、UNISON SQUARE GARDEN、サンボマスター、マカロニえんぴつ、凛として時雨。現在の日本のロックシーンを代表する5組との共演は言うまでもなく、バンドにとって大きな刺激となったはず。最終公演で彼らは、そのことを自らの音と身体ではっきりと証明してみせた。
最初に登場したのは、凛として時雨。鋭利で煌びやかなギター、〈誰にも見せられないもの 頭の中溢れて〉というフレーズから始まり、凄まじい突破力を備えたバンドサウンド、起伏に富んだメロディラインが共鳴。ピエール中野(ds)が煽ると、オーディエンスは拳を突き上げて興奮を表現する。
さらにブルーの照明とまさにレーザービームのようなギター、美しき憂いを帯びたボーカルがぶつかり合う「laser beamer」、フィードバックを交えたギターサウンド、重厚な16ビートを軸にしたリズムアレンジ、TK(vo/g)、345(vo/b)のツインボーカルが炸裂した「DIE meets HARD」を放ち、フロアのテンションを力づくで引き上げていく。
前半のハイライトは、「a symmetry」だった。この曲が収録されたアルバム『still a Sigure virgin?』(2010年)は、ハンブレッダーズのメンバー(特にムツムロとuki)に大きな影響を与えた作品。この楽曲におけるダークかつエッジーな音像は、ハンブレッダーズのファンにも巨大なインパクトを与えたはずだ。
「凛として時雨です、はじめまして」(TK)からはじまったMCでは、ピエール中野が「グーパン祭り、楽しみにしてきました。一緒に“グーパン!”やりましょう!」とアピール。さらにTKが「僕らのうるさい音楽にドン引きしている感じもあるかもしれませんが、ハンブレッダーズのみなさん、呼んでいただてありがとうございます。こういう音楽を聴いた若い人たちから、ああいう真っ当な音楽が生まれることを間近で見てもらえると思います」と語り掛け、ライブは後半へ。
まずはアルバム『still a Sigure virgin?』から「I was music」。爆発的なダイナミズムのなかで独創的なフレーズが絡み合うシーンは、3ピースバンドの可能性を拡張し続けてきた凛として時雨の真骨頂だ。研ぎ澄まされたバンドグルーヴによってフロアが揺れた「DISCO FLIGHT」から今年リリースされた新曲「Trrrrrrrrrrrrrrrrrrrue Lies」と跳躍。そして初期の代表曲にして、最大級のアンセム「Telecastic fake show」へとつながる。2008年リリースの楽曲だが、その先鋭性と革新性は言うまでもなく、今もまったく色褪せていない。最後は「アレキシサイミアスペア」。凄まじい轟音、緻密に構築されたアンサンブル、ストーリー性と映像喚起力を備えたボーカルが互いを高め合うパフォーマンスは、まさに圧巻だった。
ハンブレッダーズのステージは、冒頭からフルスロットルだった。ムツムロ アキラ(vo/g)、でらし(b)、木島(ds)、ukicaster(g)がステージ中央で目線を合わせた後、オーディエンスに向けて〈何処までも行けると思った夜だった/血と涙と汗が混じり合っていた〉と声を合わせて歌い上げる。1曲目は「銀河高速」。早くもフロアかシンガロングが発生し、ステージとの距離がグッと縮まる。「スクールカーストの最底辺から青春を歌いに来ました、ハンブレッダーズです」(ムツムロ)といういつもの挨拶から、「ヤバすぎるスピード」。気持ちよすぎるスピード感と切なすぎる青春の匂いで胸がいっぱいになる。
さらに〈はじめから自由だった僕ら!〉という大合唱が発生した「はじめから自由だった」、冴えない思春期に出会った音楽の輝きをそのまま歌にした「DAY DREAM BEAT」を続け、最初のMC。話題はもちろん、凛として時雨。
「すごかったな。マジでよかったな。良すぎた……最高だった」と声が上ずるムツムロ。
「高校1年のときに『Telecastic fake show』のビデオを見て。最初はわかんなかったんですけど、翌日も翌々日も聴いて、知らぬうちになくてはならない状態になってた」(ムツムロ)「ムツムロさんと初めて会ったとき、この人、TKさんモデルのギター弾いてたんですよ」(でらし)からはじまり、メンバーそれぞれが時雨との出会い、どれだけ好きかを話し合う。その姿はほとんど高校生だ。
「あ、でも、いまは俺らのライブなんで。最後まで楽しんでください」(ムツムロ)と気を取り直して(?)演奏されたのは、しなやかで軽快なグルーヴが印象的な「常識の範疇」。「各々のダンスでお願いします」(ムツムロ)という言葉に導かれた「DANCING IN THE ROOM」では、ソウル的なテイストを織り交ぜたアンサンブルを披露。8ビート主体のギターロックがハンブレッダーズの主軸ではあるが、その音楽性はじつに多彩。それを支えているのはもちろん、技術と個性を併せ持ったメンバーのプレイだ(この日は特にでらしのベースが冴えわたってました!)。
ここでムツムロが新曲「アクション!」について言及。絵を描こうとか音楽やろうと思っても、SNSとかでめっちゃ上手い人を見ると「だったらやらなくていいか」と思いがち。でも、没頭する時間は何物にも代えがたいよな、ということを曲にしました……という話をしたあと、「今日はマジで15歳の気持ちに戻ったんで。その気持ちでアクション!を起こそうと思います」と「Telecastic fake show」(凛として時雨)をカバー。必死に食らいつくような演奏にグッと来ていると、そのテンションを保ったまま新曲「アクション!」へ。さらに“なんのために生きてんだ?”という根源的なテーマに射抜かれた「⚡」(ビリビリ)。ここ最近のハンブレッダーズは、バンドをやること、音楽を続けることの本質をそのまま歌ってるんだなと改めて実感させられた。
「凛として時雨から影響を受けたことがわかりそうな曲」(ムツムロ)と紹介された「フィードバックを鳴らして」からライブはクライマックスに向かって進み始める。
スリリングなバンドサウンドと〈生み出し続けよう あの頃の自分がグッと来る名盤〉というパンチラインが響き合う「才能」も強く心に残った。
「今年、大阪城ホール、武道館と大きい会場でライブをやらせてもらって。ハンブレッダーズが日本のロックバンドとしてちゃんと存在している意味を示そうと思って回らせてもらったツアーでした。(ツアーに参加したバンドと)肩を並べてやっていこうと思うんで、これからもよろしく」というムツムロに対して、フロアからは大きな拍手が送られた。
欲しいもの、欲しい場所は自分たちで作ろうという切実な思いを刻んだ「グー」によって、観客との一体感はさらに強まっていく。続く「フェイバリットソング」では、曲の途中でムツムロが「木島さん、日和ってるんじゃないですか? もっと速くていいですよ」と煽り、いきなりスピードアップ。オーディエンスも笑顔で体を揺らし、拳を上げて、大きな声で歌う。本編最後は「ギター」。〈錆び付いたギターでぶっ壊す/もう全部 全部 全部〉というシンガロング、ムツムロ渾身のギターソロが響き渡り、ライブの興奮はピークに達した。
アンコールで「末永くよろしくお願いします、ということで」(ムツムロ)と「プロポーズ」を届け、「秋のグーパンまつりZ 2024」は終了。
この後もハンブレッダーズは、全国各地でイベントや対バンライブに出演。さらに新曲「夜明けの歌」をTVアニメ『マジック・メイカー ~異世界魔法の作り方~』エンディング主題歌として書き下ろしたことも発表された。観るたびにライブがすごくなり、新曲も精力的にリリースし続けている4人は2025年、こちらの想像を超えるような飛躍を遂げることになるだろう。
<公演情報>
12月5日東京・Zepp Haneda(TOKYO)
ゲスト:凛として時雨
1 銀河高速
2 ヤバすぎるスピード
3 はじめから自由だった
4 DAY DREAM BEAT
5 常識の範疇
6 DANCING IN THE ROOM
7 Telecastic fake show(凛として時雨 カバー)
8 アクション!
9 ⚡
10 フィードバックを鳴らして
11 才能
12 グー
13 フェイバリットソング
14 ギター
―ENCORE―
15 プロポーズ
<ツアー情報>
『秋のグーパンまつりZ 2024』
11月13日(水) 福岡・Zepp Fukuoka
開場18:00 / 開演19:00
ゲスト:04 Limited Sazabys
※SOLD OUT/終了
11月20日(水) 北海道・Zepp Sapporo
開場18:00 / 開演19:00
ゲスト:UNISON SQUARE GARDEN
※SOLD OUT/終了
11月26日(火) 愛知・Zepp Nagoya
開場18:00 / 開演19:00
ゲスト:サンボマスター
※SOLD OUT/終了
11月27日(水) 大阪・Zepp Osaka Bayside
開場18:00 / 開演19:00
ゲスト:マカロニえんぴつ
※SOLD OUT/終了
12月5日(木) 東京・Zepp Haneda(TOKYO)
開場18:00 / 開演19:00
ゲスト:凛として時雨
※SOLD OUT/終了
<リリース情報>
デジタル・リリース「アクション!」
配信中
配信リンク:
https://lnk.to/hmbr_action
デジタル・リリース「フィードバックを鳴らして」
配信中
配信リンク:
https://lnk.to/hmbr_feedback
ハンブレッダーズ公式サイト:
https://humbreaders.com/
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