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岩田剛典が考える、いいパフォーマンスの秘訣「大切なのは、自分自身が楽しめる現場づくり」

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岩田剛典 (撮影:梁瀬玉実)

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連続テレビ小説『虎に翼』では、男の生きづらさを抱えた法学部生。日曜劇場『アンチヒーロー』では、殺人の容疑をかけられた工場員。同時期にまったく違う顔を見せ、俳優としての幅を示した岩田剛典。充実した1年の締めくくりを飾るのが、12月20日公開の映画『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~』だ。

演じるのは、下界でバカンスを満喫するイエス(松山ケンイチ)とブッダ(染谷将太)のもとを訪れる裁きの天使・ミカエル。監督・福田雄一作品に出演するのは、『新解釈・三國志』『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』に続き3作目となる。すっかり福田組の一員となった岩田が、今度はどんな顔を見せてくれるのだろうか。

パブリックイメージをうまく笑いに変えられたら

慶應義塾大卒の知性と、柔和で清潔感のあるビジュアル。芸能界の中でもとりわけスマートな印象の強い岩田だが、実はコメディとの相性が抜群にいい。バカリズム脚本の『ウェディング・ハイ』でも喜劇俳優としての才は証明済みだ。そんな岩田のコメディセンスを引き出したのが、福田雄一と言ってもいいだろう。

「コメディは楽しいですね。やっててリミッターを外すようなところがあって。現場では思い切りやったつもりでも、映像で見てみると足りていないと思うことがよくあるんですよ。だから、やりすぎと思うくらい振り切った方がいいんだなって、だんだん経験を積んで勘みたいなものが良くなってきたかもしれない」

持ち前のジェントルなイメージとのギャップが笑いの起爆剤となっている一方、どんなにおバカなギャグをやっても下品にならないところが、コメディにおける岩田の強みだ。

「確かに普段の僕はどちらかというと、あまりお笑いのイメージではないと思うので、みなさんが持ってるパブリックイメージをうまく笑いに変えられたらおいしいなと思います。ただ、よく品があると言っていただくことがあるんですが、自分では全然わからないんですよね。品って何なんだろう……。僕は表に立つ際、自分でキャラをつくるみたいなことを全然していなくて。それでここまでやってきたので、品があると感じていただけるなら、それが僕の個性なんだとありがたく受け止めるようにしています」

ちなみに岩田自身が、品を感じる女性の仕草というと。

「考えたことなかった(笑)。でもやっぱり礼儀は大切ですよね。礼儀とマナー。まずはそこが目に見えやすいところだと思うので、そこがしっかりしているだけで素敵だなと思います」

家でずっとラップの練習をしていました(笑)

3度目の福田組。ただ、今回のミカエルに関しては、どう演じればいいのか最初はかなり戸惑ったそう。

「実は、台本ではそこまでギャグというギャグが書かれていないんですよ。ミカエルも普通にやったら普通になっちゃうなと思って。周りを見れば、主演のお二人はもちろん、かっくん(賀来賢人)に勝地(涼)くんと濃い人たちばかり。この中でどうやったら爪痕を残せるのか。今までの福田組の中でもいちばん考えました」

そこで飛び出したのが、ミカエル渾身の名場面。突然、ラップを刻み出すというトンチキシーンがあるのだが、実はこのラップ、岩田のアドリブだという。

「本気でふざけられるのはあのシーンだけだなと思って。何かかき回したいなと思って、家で延々考えた結果、出てきたのがラップでした。家でずっと台本片手にラップの練習をしていたんですけど、あの姿はちょっと人には見せられないですね(笑)」

ラップという飛び道具を忍ばせ臨んだ本番当日。段取り(カメラを回さず行う、動きの確認のためのリハーサルのこと)でその隠し球をついに披露するときがやってきた。

「もうボツになってもいいやというつもりで思い切りやりました。そしたら、監督も何も言わなくて、そのまま本番になっちゃって。あ、これで行くんだって、僕もそこでようやく腹を決めました(笑)」

岩ちゃんの王子様イメージを打ち破るラップシーンは、ぜひ劇場でのお楽しみに。映画館を沸かせるシーンになることは間違いない。

「たぶんこれが福田さんと初めてのお仕事だったら、ああいうことはできなかったと思う。今まで2本、福田さんの作品に出させてもらって、現場の雰囲気を知って、他の出演者のみなさんがやっていることを見てきたからこそできたものだと思います。最後にハケる前に、もう1回、ミカエルが追いラップをするんですけど、あそこはもう勝手に僕の体が動き出していました(笑)」

もともとふざけるのは大好き。グループのメンバーといるときも、岩田からイラズラを仕掛けることも日常茶飯事だ。

「自分で言うのもアレですけど、結構変というか、変態的なところはありますね(笑)。今こうやって真面目な話をしていますけど、ここでいきなり僕が全然違うおかしなことを言い出したら、目の前の人はどういう反応をするんだろうとか。そんなことをよく想像していたりします。怖いもの見たさといったらいいのか。真面目なときほど、ふざけたい自分が僕の中にいて、その衝動にいつも駆られています(笑)」

岩田にとって、コメディはまさにそんな衝動のリミッターを外せる場なのだ。

「俳優としていろんな作品に出させていただいていますが、普段見せたことのない一面を見せられる機会は、そう多いわけではない。だから、こういう役をいただけるのは自分の引き出しを開けてもらっているようなところがあって、純粋にうれしいですね。これからもどんどんかき回すような役をやっていきたい。今回も、この作品でしか見られない僕がいると思うので、ぜひ楽しみしてほしいです。あ、でもどうだろう、ファンが減らないか、そこは心配ですね(笑)」

ストレス発散の秘訣は、食と酒と睡眠!

本作は、偉大なるイエスとブッダがバカンスと称し、ゆる〜い日常を楽しんでいる姿が見どころの一つ。商店街の福引きで盛り上がったり、ベランダにできたツバメの巣を見守ったり、彼らの何でもないひとときに、気づけば観客も心を癒されている。

「日常の何気ない瞬間に幸せを見出すのは僕も同じですね。僕なんてもっと単純ですよ。朝起きて窓を開けて、気持ちのいい風が流れ込んでくるだけで幸せになれる。天気が良くて空気の澄んでる日とか、それだけで1日ゴキゲンでいられます」

とはいえ、日々生活をしているとストレスはつきもの。岩田はどうやってゴキゲンなハッピーマインドを保っているのだろうか。

「食べることが好きなので、食と酒があれば、わりとそれで嫌なこともスカッと忘れられるタイプではあります。あとは、寝ることですね。食事と睡眠は大事だなってしみじみ思います」

先日も、楽しい食事の場がいいエネルギーチャージになったという。

「(映画『AI崩壊』で共演した)大沢(たかお)さんとご飯に行かせていただいて、あの夜はすごく楽しかったです。お会いするのも本当に久しぶりだったので、まずはお互いの近況報告から始まって。なんでもない世間話もしたし、業界の話もさせていただいて、いい刺激になりました」

僕が人に気を遣うのは、自分のためなんです

連続テレビ小説と日曜劇場という今最も注目されているドラマ枠で存在感を示した2024年。俳優としてまた一つ次のフェーズへ進んだように見えるが、本人はどのように感じているだろうか。

「話題の作品に立て続けに出演させていただけたことはとてもありがたいなと思っています。ただ、それで自分がどう変わったかは自分ではわからないんですよね。たぶんそれを感じるのは、これからなんじゃないかな」

グループ活動と並行し、ソロアーティストとしても積極的に活動。パイオニアとして道なき道を切り開くその背中に、尊敬する先輩として岩田の名前を挙げる事務所の後輩も多い。

「本当ですか。でも恐縮ですよ。僕はただ手堅くやってきただけです(笑)」

いつものようにくしゃっと目元を綻ばせ、そう謙遜する。

「やっぱりグループというのは永遠ではないですから。自分が長くこの仕事を続けていくためにどうすればいいか考えて、自分にできることをやってきただけというのが正直なところです。俳優業の良さは、年代ごとに役柄が変わって、求められることも変わっていくところ。だから、僕自身も変わることを楽しんでいきたいな思っています」

気づけば、俳優業も10年を超えた。この冬は、ドラマ『フォレスト』で主演を務める。

「最近思うのは、現場の経験値が高いと、自分もリラックスした状態で現場にいられるんですよね。リラックスできると、ちゃんと周りを見た立ち居振る舞いができる。そうやって人に気を遣えると、自分自身も楽になれるんです。だから、僕が人に気を遣うのは、ある意味、自分のためと言えるかもしれない。打算的に聞こえるかもしれないけど、いいパフォーマンスをする上ではそれも必要なことなんですよね」

その言葉の裏側にあるのは、これまで積み重ねてきた経験の数々だ。

「昔はもっと自分から閉ざしているところはあったかもしれない。でも現場で緊張して肩肘張っていても、あんまりいいことがないと気づいて。そこからは自分自身が楽しめる現場づくりを心がけるようになりました。どうしてもストレスが溜まりやすい職業だからこそ、なるべく自分が自然でいられるように。そのために、コミュニケーションというものがあるんだと感じるようになりましたね」

岩田剛典のまとう上品で柔らかな空気は、持って生まれた気質によるものだと思っていた。けれど、居心地の良い環境をつくるための彼自身の工夫と努力が、周りの心もまろやかにさせているのかもしれない。

肩肘張らず、伸びやかに。岩田剛典は、自然体のまま2025年も道なき道を切り開いていく。

取材・文:横川良明 撮影:梁瀬玉実

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<作品情報>
『聖☆おにいさんTHE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~』

12月20日(金) より全国ロードショー

配給:東宝
原作:中村光「聖おにいさん」(講談社「モーニング・ツー」連載)
脚本・監督:福田雄一
出演:松山ケンイチ、染谷将太、賀来賢人、岩田剛典、勝地涼、白石麻衣、仲野太賀、神木隆之介、山本美月、桜井日奈子、川口春奈、中田青渚、吉柳咲良、田中美久、森日菜美、安斉星来、山田孝之、ムロツヨシ、佐藤二朗、窪田正孝、藤原竜也
主題歌:「ビターバカンス」Mrs. GREEN APPLE(ユニバーサルミュージック/ EMI Records)

公式サイト:
https://saint023movie.jp/

公式X:
https://twitter.com/saint023movie

公式Instagram:
https://www.instagram.com/saint023movie

(C)中村光/講談社
(C)2024映画「聖☆おにいさん」製作委員会

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