なでしこジャパン初の外国人監督就任! ニールセン監督「再び世界王者になれる」
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(写真左より)宮本恒靖会長、ニルス・ニールセン監督、佐々木則夫女子委員長
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すべて見る再び世界一へ上り詰めるために、なでしこジャパンが初めて外国人監督を招聘した。12月18日に実施された記者会見で日本サッカー協会(JFA)・宮本恒靖会長、佐々木則夫女子委員長、ニルス・ニールセン監督が出席し、次のようにコメントした。
宮本会長「会長になったマニフェストのひとつに女子サッカーの拡大がある。その文脈ではなでしこが再び世界一になることが重要。その可能性を探るために、外国人の指導者も候補に入れて選定した。重要だと感じていたのは国際大会の経験、また日本の女子サッカー、日本人選手を知っていることで話し合って来た。なでしこは『W杯』でも高い評価を受け、『五輪』でもいい戦いをしてくれた。だが、改善が必要だと感じたのも事実。ニールセンさんにさらに高みに行くための力を貸してほしいと思う」
佐々木女子委員長「現在、日本の女子サッカーの評価は高い。戦術、協調性、これまで『日本人の監督がいいのでは』と思われてきたが、海外にも目を向けてミーティングもした。その候補の中から人間性が豊かで、今のなでしこを知っている。僕自身もサポートする中で『ぜひこの方に成功してほしい』と思う人間性があった。彼に率いてもらって、ファイナルへ進み、チャンピオンになってほしい。なでしこの選手を率いる中で人間性も大事」
ニールセン監督「監督に就任させてもらい、お礼を申し上げたい。JFAから『このチームに合流してほしい』と言われてとてもうれしかった。2010年以降、日本の女子サッカーがどんどん成長するのを目の当たりにして、刺激を受けていた。日本の選手の性格、特性を見ながら、それに合ったプレースタイル、チームカルチャーを作り上げるのは簡単ではないが、それを作り上げていた。だが、どんなに日本のチームに刺激を受けても、コピーはできない。今回JFAからの知らせを聞いて光栄だと思い、まさに自分がやりたいことだと感じた。これまでの監督たちが築いてきたものの上に、私がさらに積み上げることができるのはまさに監督冥利に尽きるもの。日本女子代表チームは常に優勝を狙えるチームだし、選手に才能もある。トロフィーを掲げるために私は監督に就任するが、ひとりの力ではできない。チーム全体の力が必要。JFAから十分なサポートをいただけるのは明らか。選手たちはクラブに所属し、所属クラブとのいい関係を築かなければ成功はないと思っている。マスコミ、ファン・サポーターも一丸となって戦うことができれば、再び世界チャンピオンになれると思っている」
今のチームをどう評価しているか問われたニールセン監督はこのように返答した。
「今の選手、チームは高いスキルを持っているし、スピードも速い。今後も強みをさらに伸ばすように持っていきたい。日本のチームは大会でも優勝できるポテンシャルを持っているが、さらにハードワークしていかないとけない。いい戦いをして惜しかったではなく、最後勝つためにどうすべきか、テクニカルスタッフと話していきたい」
ニールセン監督は現在のチームの課題も指摘した。
「『W杯』『五輪』のふたつの大会を見ていて、たくさんいいところはあったが、もっと良くならないといけない点もあった。もっと勇気を持って、大事な瞬間に大事なものを掴みにいかないといけない。ボールを持っている時も持っていない時も改善点はある。常にイニシアチブを取ることが必要だと思っている。『W杯』でのスペイン戦はイニシアチブを握って素晴らしいパフォーマンスを見せていた。常にああいう試合をしていけるようにしていきたい」
再び世界の頂点に立つために必要なものは何か聞かれと新監督は。
「何かを達成するためにはそれを達成したい気持ちが必要。絶対取りにいくという強い気持ちが必要。それには勇気が必要。チームとしても、選手としても自信を持つことが必要。ベストな自分であることが、何かを達成にするのは必要。もちろんテクニカルな話もあるが、それは対戦相手があること。ハートがあること、強い気持ちがあること、勇気を持つことがまずは必要」
指導者としてのポリシーはこうだ。
「チームという集団の中では、いい人間関係を構築することが大事だと思っている。ターゲットを実現するためには信頼関係が必要。安心して話せる関係性の構築が必要。選手だけではなく、スタッフ、チーム全体で必要だと思っている。ただ達成していくためにはハードワークが必要。それぞれの持ち場で最大限の努力をする必要がある」
ニールセン監督は自らの強みをこう分析した。
「私がどんなコーチかと言うと、ポジティブな人間である。セレクションも『これができないから選ばない』ではなく、『これができるので選ぶ』という考え。まず人としてどうかを重要視する。その人はどういう人かを知ろうとするし、そのために多く話す。率直に自分の意見を伝えることがスタイルとして大事だと決めている」
ニールセン監督の初陣は、来年2月・アメリカで開催される『2025シーブリーズカップ』となる。アメリカ女子代表、オーストラリア女子代表、コロンビア女子代表とタイトルを争うことになる。
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