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リーディングドラマ『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』大原櫻子インタビュー

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チケットぴあ

(C)山崎信康

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全世界での累計発行部数1,100万部を突破し、アニメシリーズ、さらには実写映画も話題を呼んでいる大人気の児童書「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」。本作が白石加代子、大原櫻子の二人によるリーディングドラマとして上演される。白石がふしぎな駄菓子を売る「銭天堂」のおかみ・紅子を演じ、大原は大人から子どもまで、様々な悩みを抱えて「銭天堂」に招き入れられるお客たち、さらには紅子を敵視する「たたりめ堂」の店主・よどみなど複数の役柄を演じる。2024年もミュージカル『この世界の片隅に』、『桜の園』など話題作への出演が続いた大原だが、初共演となる白石とどのように対峙して「銭天堂」の世界を見せてくれるのか? じっくりと話を聞いた。

憧れの白石加代子さんとの二人芝居
てんてこ舞いする私のチャレンジをお楽しみに!(大原櫻子)

――原作の小説、もしくはアニメーションの存在は以前からご存じでしたか?

はい。作品のことはもともと知っていて、家族みんな大好きです。最初は子どもから愛されるアニメーションという印象を受けていましたが、私が見ても本当に面白くて、ちょっと怖い感じとかもあって、大人も楽しめる作品だと思っていました。

誰もが親しみのある駄菓子屋さんが舞台であることにまずワクワクしますし、毎回どんなお菓子が登場するんだろうというのも楽しみなところ。加えて、紅子が(お客さんを)幸せにするのか? 不幸せにするのか? よくわからないところにもすごくハラハラさせられます。

――白石加代子さんと二人のリーディングドラマになるという話を聞かれて最初の印象はいかがでしたか?

まだ稽古に入っていないのでどういう形になるのか私もわからないんですけど、いまのところ、白石さんが本を持って演じられる形で、私はたぶん、本を持たずにお芝居をすることになるのではと演出の笹部(博司)さんから伺っています。

最初はリーディングドラマと伺って、いわゆる朗読劇かと思いましたが、朗読劇ともまた違う形になるのではないかと。本当にまだ何もわからないんですが……(笑)。

――紅子を白石さんが演じ、大原さんは銭天堂を訪れるお客さんや「たたりめ堂」店主・よどみなど複数の役を演じることは決まっていますが、楽しみにされていることは?

最初に白石さんと二人でのお芝居と聞いた時に「えーっ!」という嬉しい驚きがあり、そして良い意味での怖さがありました。白石さんが軸として存在されて、私はその周りで、てんてこ舞いになるのではと思いますが、それはそれですごく楽しそうですし、チャレンジングだと思います。覚悟を持って臨まなくてはいけないなと思っています。

――白石さんについては、どのような印象を持たれていますか?

雲の上のさらに雲の上の方です。共演させていただけることは、本当に宝物のような経験になると思います。“相手役”と言わせていただくのも夢みたいな、「まさか」という思いです。
私が出演しなくても、白石さんがどなたかと二人芝居をやられる作品は必ず拝見したい。それが今回、自分がご一緒させていただけるということに、とてもドキドキしています。

――しかも、よどみは紅子を敵対視し、対峙するという役柄です。

そうなんです(笑)。そういう関係性で相手役をやらせていただけるというのも、なかなかない機会になりそうですから、すごく楽しみです。

――大原さんが、原作ファンの間でも高い人気を誇り、紅子を敵視する「たたりめ堂」の店主・よどみをどんな風に表現するのか、楽しみにされているファンの方も多いと思います。

すごくキュートさもある見た目なのに、内面はメチャクチャ大人で、もしかしたら紅子よりも年齢が上なのでは? と思わせるちょっと不思議なところがあって。妖怪じゃないですけど、怪しい女の子ですよね。でも、人気のあるキャラクターだというのもわかるんです。人から愛される彼女の魅力をこれから探りつつ、うまく演じられたらいいなと思っています。

――原作やアニメーションでも、よどみを指して「見た目は幼いけど、おばあちゃんみたいな声の女の子」という表現がありました。

確かにそうですね、あの声を最初に聞いたとき、「え?」という感じで、見た目と声やしゃべり方が正反対というか。「怖いな」と思ったし、「この人の中にどんなものが潜んでいるんだろう?」という感じはすごくありました。

――現時点で、リーディングドラマとして楽しみにされていることはありますか?

具体的にどのような演出になるのかまだわかりませんが、うわさによると、歌うシーンがあるかも……。公式サイトには「歌舞伎とミュージカルが合体?」と書かれていますけど……どうなることやらという感じですが、それも楽しみです。

――原作やアニメでは猫たちも重要な役割を果たしますが、今回のリーディングドラマでどうなるのかは……?

どうなるんでしょう、本当に。ビジュアル撮影の時、白石さんが黒猫のポーチを持っていらして、「かわいい」となでられていたんですけど、本番ではどうするんでしょうね(笑)? 猫たち(※客を「銭天堂」へと誘う黒猫の墨丸や、銭天堂のバックヤードで働く金色の招き猫たち)は絶対に出てくると思うので……どうなるんだろう? 私もまだ未知すぎて(笑)。

稽古前ですから、わからないことだらけですけど、それでも、白石さんが演じる紅子のオーラやひと言ひと言にグッと引き込まれるでしょうし、私はそれに翻弄される役どころだと思うんです。いろんな役を演じてワチャワチャとなる姿だけでも絶対に面白くなるだろうって確信しています。

(C)山崎信康

以前、『ミネオラ・ツインズ』という舞台に出演させていただいた時、舞台上も含めてウィッグの着け替えが5~6回ありました。その時は一人二役で、17歳から50歳までを演じましたが、今回、銭天堂のお客さんの中には男の子がいたり、性別も年齢の幅もバラバラの役をいくつも演じることになりそうです。観劇されたお客さまに、「え? さっきも出てたサクちゃんだよね!?」と驚いてもらえるようにしたいですね。

――実写版の映画『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』も公開され話題になりましたが、映像とは違い、お客さまの目の前で何役も演じるという今回のリーディングドラマは、非常にチャレンジングな企画だと思います。

舞台は映像と違って“なまもの”ですから、お客さまが「同じ人だな…」と感じないようにどう表現していくのか。スタッフのみなさんを含めて、みんなで役を演じるくらいの気持ちで挑戦したいと思っています。

ただ、衣裳合わせで演出の笹部(博司)さんとお話しした際、子どもの役を演じる時はもう少し子供らしい見た目にすることを提案させていただいたら、笹部さんは「それぞれの役でガラッと変えるけど、でも櫻子さんという一人の女優が演じていることが見えてもいい」とおっしゃって。その部分も大事にしたいと考えられていると感じました。どこまでやるのか? という部分も含めて見たことのないものができそうで、ワクワクでいっぱいです。

――舞台『桜の園』で共演されている天海祐希さんが、実写映画版では紅子を演じていらっしゃいます。今作について天海さんと話されたりしましたか?

天海さんともお話をしましたし、『桜の園』では、アニメ版で紅子の声を担当されている池谷のぶえさんもご一緒させていただいているので、現場に紅子が2人いらっしゃって(笑)。

「今度、リーディングドラマに出るんです」とお話ししたら、天海さんが「写真撮ろう!」って3人で写真を撮らせていただきました。天海さんは「絶対観に行くね」とおっしゃってくださったんですけど、「でもサクちゃん、一人で紅子以外をみんなやるなんて大変そうね」って(笑)。

――1月10日に29回目の誕生日を迎えられました。20代最後の1年になりますがどんな年にしたいですか?

2025年はまずこの『銭天堂』の舞台が“強敵”だと思っています。この作品をどうするか? 自分の人生でこの作品に出会えてよかったと思えるし、白石さんと共演させていただけて、本当に大きな出来事になると思うので、しっかり力を込めてやりたいです。20代最後ですが、子どもの役もフレッシュに演じられたらと思います!

――これまで、俳優として、アーティストとして様々な挑戦をされてきましたが、改めて20代は大原さんにとってどのような時期でしたか?

舞台のお仕事をいただくことが増えましたし、10代の頃とは大きく変わって、お芝居への向き合い方がグッと深まった時期だったと思います。音楽活動もやらせていただいていますが、お芝居の機会もいただいたことで、歌い方や表現力も変わってきたと思います。2024年は(音楽活動10周年の)アニバーサリーということで(全シングルを網羅した)「Anniversary」というアルバムをリリースさせていただきましたが、初期の声を聴くとやっぱり「10代、幼いな!」って(笑)。でも、その頃の色の着いていない表現力というか、ストレートな歌い方もそのときの一番、その時だからできたことで、それがダメっていうことではまったくなく、「あぁ、こんなに変わるんだな」という実感がありました。

お芝居に関しては、20代に入って、小川絵梨子さん演出のミュージカル『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』という作品に出会い、私の中でお芝居への向き合い方が変わる大きなきっかけになりました。そこからいろんな作品に出させていただいて、演じることの楽しさも変わってきたと思います。

(C)山崎信康

――『ファン・ホーム』もミュージカルでしたし、今回も歌が入ってきそうということですが、やはり音楽、お芝居の両面で表現できるミュージカルとの出会いも大きかったのでしょうか?

はい。2024年に『この世界の片隅に』というミュージカルに出演させていただきましたが、楽曲は10年間海外で勉強されたアンジェラ・アキさんによる全26曲のオリジナル作品。それを歌ったときに、「あぁ、こういうミュージカルやりたかった」と思いましたし、「こういうミュージカルが日本に生まれてほしい」とずっと思っていたんだという実感もありました。『ファン・ホーム』、そして『この世界の片隅に』での経験はとても大切なものになりましたし、改めてミュージカルが好きになりました。

――最後に本作を楽しみにされている方にメッセージをお願いします。

ぜひ小さいお子さんたちにも見てほしいです……もしかしたら、ちょっとおどろおどろしいシーンもあるかもしれないですけど(笑)。最近、駄菓子屋さんって少ないですよね。でも、私はいまでも大好きで、あると入りたくなるんです。そんな本当にワクワクする場所で展開する物語で、駄菓子屋という世界観ももちろんですが、一人の女優がてんてこ舞いしている面白さも届いてほしいなと思います。

『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』のドラマには、学びたくさんがあると思いますので、ぜひ何か持って帰っていただいて、そして「楽しかった」って言っていただけたら嬉しいですし、大人の方も絶対に楽しめると思います。

そして、私自身は白石さんの紅子の独特のしゃべり方を早く聞きたいです(笑)。絶対に魔法がかかって、アニメーションファンの方もワッとなるような芝居になると思います。

取材・文/黒豆直樹

<公演情報>
リーディングドラマ『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』

【神奈川公演】
2025年4月19日(土)・20日(日)
神奈川県立青少年センター 紅葉坂ホール

2025年4月29日(火・祝)
相模女子大学グリーンホール 大ホール

2025年5月24日(土)
ひらしん平塚文化芸術ホール 大ホール

2025年5月25日(日)
横浜市鶴見区民文化センター サルビアホール

【大阪公演】
2025年4月27日(日)
南海浪切ホール 大ホール

【北海道公演】
2025年5月2日(金)
音更町文化センター ふれあいホール

2025年5月6日(火)
共済ホール

【愛知公演】
2025年5月10日(土)・11日(日)
ウインクあいち 大ホール

【福岡公演】
2025年5月17日(土)・18日(日)
福岡市民ホール 中ホール

【東京公演】
2025年5月31日(土)・6月1日(日)
THEATRE1010

チケット情報
https://w.pia.jp/t/1010zenitendo/

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