「恵比寿映像祭2025」1月31日から メディアの変容に着目し「ドキュメント/ドキュメンタリー」の再考を試みる
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トニー・コークス《The Queen is Dead ... Fragment 2》インスタレーション風景(ローマ現代美術館[MACRO])2021年 作家蔵 Courtesy the artist, Greene Naftali, New York, Hannah Hoffman, Los Angeles, and Electronic Arts Intermix, New York. Photo: Simon d'Exéa.[参考図版]
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すべて見る総合開館30周年を迎える東京都写真美術館を中心に周辺エリアで「恵比寿映像祭2025」が1月31日(金)〜2月16日(日)に開催される。
新しい映像作品を紹介するだけではなく、映像とは何か、多様化する映像表現やテクノロジー、映像を取り巻く社会状況や受容のあり方など多方面から鑑賞し、考え、対話する恵比寿映像祭。2009年の第1回から、芸術と映像が人にもたらしうるオルタナティブな価値観(ヴィジョンズ)の生成を促し、存続させていくためのプラットフォームとして発信を続けてきた。
今回のテーマは「Docs ―これはイメージですー」。1895年、リュミエール兄弟の短編モノクロ無声ドキュメンタリー映画「工場の出口」を見た人々は、目の前で工場から人々が出てくるかのような再現性に驚愕した。それから130年が経ち、誰もが写真や映像で生活を記録し、共有することが当たり前になっている現在。デジタルデータがほぼ自由にコントロール可能となるなかで、事実とそれを表すイメージの関係はより複雑で曖昧になっている。こうしたメディアの変容に伴い、幅広い作品群をイメージと言葉からひもとくことで、あらためて「ドキュメント(document)/ドキュメンタリーdocumentary」について考えるものだ。

展示室では、イトー・ターリ、角田俊也、プリヤギータ・ディア、トニー・コークス、古川タクらの作品を紹介。2023年から始まった「コミッション・プロジェクト」では、アーティストの永田康祐 、そして映画監督でも知られる小田香、小森はるか、牧原依里が作品を発表する。また、1階ホールでは、劇映画、ドキュメンタリー、実験映画、アニメーション、現代美術など同映像祭のために構成されたプログラムによる上映もあるので、公式ホームページを要チェック。ライブやシンポジウム、また近隣各所で地域連携プログラムもあり、盛り沢山の15日間となる。フェイクニュースや情報の取り扱いに問題を抱える今、見ておきたい映像祭でもある。

<開催概要>
総合開館30周年記念 恵比寿映像祭2025「Docs ―これはイメージです―」
会期:2025年1月31日(金)~2月16日(日)
会場:東京都写真美術館、恵比寿ガーデンプレイス各所、地域連携各所ほか
時間:10:00~20:00(2月16日は18:00まで)
※コミッション・プロジェクト(3F展示室)3月23日まで開催(10:00~18:00、木金は20:00まで)
休館日:2月3日(月)、2月10日(月)
料金:無料(上映などの一部のプログラムは有料)
公式サイト:
https://www.yebizo.com/
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