「現代の革命」をテーマに社会問題に切り込む劇団プープージュース最新公演、高橋メアリージュン、尚玄、下尾みうインタビュー
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インタビュー


劇団プープージュース第30回記念公演『革命の家』キービジュアル
劇団PU-PU-JUICEが高橋メアリージュンを主演に迎え上演する、劇団プープージュース第30回本公演『革命の家』。「現代の革命」をテーマに、テロリスト集団と、それを取材するドキュメンタリー監督を通し、暴力の連鎖について描く今作。
10年ぶりの主演舞台で、自身も被害者遺族であるテロリスト・琴月アキラを演じる高橋メアリージュン、取材をきっかけにアキラを撮影することを決めるドキュメンタリー監督の佐久間を演じる尚玄、革命家リーダーの妹であるを演じる下尾みう(AKB48)の三人にメールインタビューを敢行。初日を前にした意気込みを聞いた。
高橋メアリージュン
Q:約10年ぶりとなる舞台出演ですが、オファーが来たときの気持ちをお教えください。
A:プープージュースさんの舞台は過去に2回出演させていただいたことがあるのですが、それからも本当に大好きでいつも観劇させて頂いていました。
今回、新作を10年ぶりに主演で出させていただくということで、大変喜んでおります。
最初に企画書を見た時にすごく熱い思いが乗っていて、鳥肌が立ち涙が出ました。
これは絶対面白い舞台になると確信したので、即決でぜひやらせてくださいとお願いしました。
Q:演じられる「琴月アキラ」という役について、どのようなキャラクターかを教えてください。
A:アキラは27年前に両親と弟を殺されました。
その加害者は未成年で当時少年法で守られていて刑は軽かったのですが、事件直後から何も教えてもらえず、彼女は常に悲しみ怒り虚しさで溢れてて死にたいと思っていました。
そこで、被害者支援をしている革命の家のリーダー石田と出会い、暴力や不条理に対して沈黙するのではなく暴力で革命を起こすということで石田に誘われその革命の家に入りました。
「暴力の前で沈黙をしない」
「不条理の前で沈黙しない」
「暴力に対して暴力で反抗する」
これは革命思想です。
いつかその犯人に復讐することを目指し、日々他のメンバーたちの復讐にも協力しているという状況です。
アキラは2つの時計がありまして、ひとつが【事件前の時計】、もうひとつが【事件後の時計】。
本当は奥底は一緒なのかもしれないんですけど、全然違う人になったかもしれない。いろんな葛藤をピュアな自分と、怒りや悲しみで染まった自分と、復讐したい自分の間ですごい葛藤しているんですね。
キャラクターを一言で言うと「血だらけの傷ついたトラ」です。
Q:社会問題をベースに書かれた作品ですが、本作の魅力をどこに感じていますか?
A:普段悲しいニュース事件を見た時に、事件が起きた後の被害者・加害者、ご遺族のその後ってわからなくて。例えば加害者が死刑になった場合、そこでニュースが終わることはよくあるなと思うんですけど、被害者、被害者遺族そして、加害者、加害者家族にとっては一生終わらない。
私たちが普段見えてないけど、彼らの人生はずっと続いていて、ずっとその悲しみ辛さは続く。そこをちゃんと描いているので、そこがすごく大事なとこだと思うのでそこが魅力だなと思います。
悲しみとか辛さとか理不尽不条理な彼らに対して、少しでも寄り添おうという人が増えるのではないかと思います。
Q:公演を楽しみにしているお客様へのメッセージをお願いします。
A:フィクションのようで、このような事は日々起きています。
役者みんな演じる上で傷つきながら演じてますが、その根本には愛があって、その美しさ、命の尊さ、その温かい温度を大切にしています。
見て頂いた方々の心に灯りが灯って、人と人が寄り添って支え合って生きていこうと思える、そんなきっかけになれると嬉しいです!
尚玄
Q:演じられる「佐久間優」という役について、どのようなキャラクターかを教えてください。
A:才能がありながら、なかなか芽が出ないドキュメンタリー監督。情に厚いけど、追い求める理想が高いから周囲からは面倒くさいやつと思われているかもしれませんね(笑)。
Q:高橋メアリージュンさんの印象、また共演者とのエピソードがあれば教えてください。
A:高橋さんとは今作がきっかけでお会いしたのですがとても真伨に演技と向き合う方で、毎回の稽古を全力で取り組んでくださるので、たくさんの刺激をいただきました。
最初は緊張していましたが、他のキャストメンバーもみんなフレンドリーで協力的だったので稽古が楽しかったです。
Q:社会問題をベースに書かれた作品ですが、本作の魅力をどこに感じていますか?
A:インターネットの普及で、世界中の情報が毎日大量に入ってくるようになった分、ニュースひとつひとつに対しての関心は希薄になっているように感じます。
今作は観てくださった方に「当事者」か「傍観者」か、どちらの立場で物事を見るのか疑問を投げかけてくる作品になっていて、僕はそこに魅力を感じました。
Q:公演を楽しみにしているお客様へのメッセージをお願いします。
A:『革命の家』チーム一丸となって取り組み、皆さまに楽しんでいただける舞台になったと思います。一回一回魂を込めて演じますので、ぜひ劇場に足をお運びください。
下尾みう(AKB48)
Q:舞台初出演の2021年「フェイクニュース」以来のPU-PU-JUICE出演となりますが、前回の思い出、今回楽しみにしていることがあれば教えてください。
A:前回は初舞台という緊張と、コロナ禍で舞台の本番を迎えられることが当たり前ではない時でした。そんな中稽古の日に20歳の誕生日があったんですが、ちゃんとお祝いできない代わりに、稽古終わりに私の大好物の手羽先とアップルパイをプレゼントしてくださったことが思い出です!
今回は、コロナ禍が明けてコミュニケーションが取りやすくなったので、切磋琢磨して頑張れることが楽しみです。
Q:『革命の家』でご自身が演じられる役について教えてください。
A:わたしが演じる石田恵ちゃんは、革命の家リーダーの石田和哉の妹です。とっても明るくて、前向きな所が素敵な女の子なんですが……辛さを乗り越えた強さもある子なので、応援したくなる〜!アイドルみたい!っと台本を読んでいて思ってました!
Q:高橋メアリージュンさんの印象、また共演者とのエピソードがあれば教えてください。
A:メアリージュンさんの印象は努力家!
いつもノートを持っていてたくさんのことを書き込んでるようで、内容を見たことはないんですが……。一緒にいると刺激をいただける方です!
共演者とのエピソードは、差し入れが秒で無くなることですね!クリスマスの日も稽古だったんですが、スペシャルな差し入れがあってみんなでプチクリスマスパーティーをしたりしました。
Q:公演を楽しみにしているお客様へのメッセージをお願いします。
A:革命の家はとてもメッセージ性が強い作品になっています。恵らしい明るさで何か伝えることができればと思ってます!そして個人的にフェイクニュースと繋がっていることにもエモさを感じています。劇場でお待ちしてます!
<公演情報>
劇団プープージュース第30回記念公演『革命の家』
公演期間:2025年1月9日(木)〜1月13日(月・祝)
会場:シアターサンモール
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/ppj-kakumei/