好ゲーム多発! ジャイアントキリングもちらほら!! 4シーズン目のリーグワンに異変あり!?
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大戸裕矢(静岡ブルーレヴズ) (C)JRLO
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すべて見る4年目のリーグワンはより面白く、よりハイレベルに、よりスリリングとなっている。『NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25』は第5節まで終えて、全30試合中16試合がひと桁点差の好ゲームが繰り広げられた。接戦だけではない。競技の特性上ジャイアントキリングは起きにくいと言われているが、下馬評を覆す結果もちらほら。
第2節にブラックラムズ東京が東京サンゴリアスに20年ぶりとなる勝利を挙げれば、昨季ディビジョン1わずか1勝に終わった三重ホンダヒートが開幕連勝発進。第4節に三菱重工相模原ダイナボアーズが初めてコベルコ神戸スティーラーズ超えを果たせば、第5節には3年連続8位に甘んじてきて静岡ブルーレヴズが王者東芝ブレイブルーパス東京を撃破。毎年のように大型補強を施し、今年こその思いが強いトヨタヴェルブリッツは第4節にやっと初勝利を掴み、トップリーグ最多優勝を誇る東京SGは第5節で初白星を飾ったのだった。
選手、コーチ陣も各クラブの力が拮抗していることを肌で感じていた。開幕戦で横浜キヤノンイーグルスから逆転勝利を手繰り寄せたBL東京のNO8リーチ マイケル主将は「本当にタフなゲームだった。今日のゲームは本当に難しかった。昨日のほかのカードの結果を見ても、リーグワンは勝つのが難しくなっている。今季はタイトなリーグになると思う」と今季の接戦を予言すれば、第4節・クボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦で100キャップをマークした東京SGのCTB中村亮土も「ほかのチームも自分たちのスタイルを持ち、やりたいラグビーを明確にしながら、自分たちの武器を使ってくるので今まで以上に難しくなっている。全体的に底上げされている。間違いなく上と下の差がなくなっている」と実感を口にした。
第2節でS東京ベイとのシーソーゲームを制した埼玉ワイルドナイツのロビー・ディーンズ監督が「昨季から接戦が多くなっているが、今季はよりハイレベルなリーグになると思う。このリーグには下位チームはいないものだと思っている」と見解を述べれば、BL東京戦、続くS神戸戦と連敗スタートとなった横浜E・沢木敬介監督は「今季だけでなくて昨季くらいから、簡単に勝てる試合はほぼなくなっている。毎試合危機感を持ちながら、本当に自分たちがいいラグビーをしないと勝てないというリーグになってきている」と危機感を露わにした。
安全パイがほぼ皆無と言っていい中、開幕5連勝を死守する埼玉WKはさすがである。そもそも初代王者のレギュラーシーズンでの敗戦はたったひとつしかない。『NTTリーグワン2022-23』第15節・静岡BR戦のみだ。『NTTリーグワン2023-24』プレーオフトーナメント決勝で敗れた昨季も16戦全勝でレギュラーシーズンを走破した。戦力が拮抗した今季であっても、埼玉WKが接戦を余儀なくされたのは第2節・S東京ベイ戦のみである。
なぜ埼玉WKは勝ち続けることができるのか。開幕戦で11か月ぶりに復帰したPR稲垣啓太はワイルドナイツの強さの秘密をこう明かした。
「ワイルドナイツの文化は、ディフェンス。アタック力も高くなっているが、根底にあるのはディフェンス。僕はラグビーではディフェンスの方が大事だと思っている。アタックができる選手よりもディフェンスができる選手がいる方が絶対に強い。特にFWはまずディフェンスのコンタクトエリアで負けないこと。サンゴリアスさんにブレイクダウンで前に出られると、どんどんテンポを上げられてしまう。最初に抑えることが肝心」
HO坂手淳史主将も第4節・BR東京戦後、勝負のポイントにブレイクダウンを挙げた。
「ゲームによって異なるが、ブレイクダウンの寄りかなと思う。前半は遅かったし、自分たちらしくないところがあり、ペナルティを重ねてしまった。ブレイクダウンはブラックラムズさんの強みであると感じたし、しつこさがあった。前半は自分たちにフォーカスし切れずにフラストレーションが溜まった。もっと自分たちのプレー、やりたいことにフォーカスすることが必要で、後半はそこが改善できた」
今季も埼玉WKが頭ひとつ抜けた存在であるが、戦いはまだ始まったばかり。ライバルたちもただ手をこまねいているわけではない。開幕前にウエールズ代表95キャップのFBリアム・ウィリアムズが退団したS東京ベイではFB/WTBショーン・スティーブンソンの獲得を1月14日に発表し、第5節・BR東京戦で早速デビューした。戦線離脱中の南アフリカ86キャップのFLピーターステフ・デュトイとともに、第4節でNO8姫野和樹が負傷したトヨタVも1月20日、オーストラリア代表125キャップのFL/NO8マイケル・フーパーを補強した。ケガが付き物のラグビーでは、迅速かつ的確な次の一手も重要である。また5戦全敗とD1の洗礼を浴びた浦安D-Rocksも、このバイウィークに課題を炙り出し、巻き返しを図っていることだろう。各チームともアーリーエントリーをどう組み込んでいくのかも、バイウィーク明けの楽しみである。
同一カンファレンスの5連戦を終えた『NTTリーグワン2024-25』は2週間のバイウィークを経て、交流戦に突入する。2月1日(土)に神戸S×BR東京・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場、静岡BR×東京SG・ヤマハスタジアム(磐田)、埼玉WK×浦安DR・熊谷スポーツ文化公園 ラグビー場、相模原DB×S東京ベイ・相模原ギオンスタジアム、トヨタV×横浜E・豊田スタジアム、2日(日)に三重H×BL東京・三重交通G スポーツの杜 鈴鹿 サッカー・ラグビー場にてキックオフ。チケット発売中。
NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25の特設ページ
https://t.pia.jp/pia/events/rugby-leagueone/
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