『生誕190年記念 豊原国周』太田記念美術館で 代表作《具足屋版役者大首絵》シリーズを一挙公開
アート
ニュース

豊原国周《きられ与三郎 薪水》(太田記念美術館蔵)前期展示
続きを読むフォトギャラリー(11件)
すべて見る幕末から明治にかけて、とりわけ迫力ある役者絵で人気を博した豊原国周(とよはら くにちか/1835−1900)。同時代の月岡芳年や小林清親らと並ぶ人気絵師でありながら、従来の展覧会では紹介される機会の少なかった巨匠・国周の生誕190年を記念して、その画業を初期から晩年まで俯瞰する過去最大規模の回顧展が、2月1日(土)から3月26日(水)まで、東京・原宿の太田記念美術館で開催される。
天保期に生まれ、明治33年に亡くなった国周は、明治期の役者絵の第一人者。役者の特徴をとらえた大首絵を得意とし、また三枚続の大画面に役者の半身像を描く構図を開拓するなど、その個性あふれる作品群によって、のちに「明治の写楽」とも称された。だが、その一方で、国周は、美人画など他のジャンルでも大いに好評を博していたという。今回の展示の特徴は、最新の研究成果もふまえ、役者絵のみに焦点をあてるのではなく、国周のもうひとつの画業の柱だった繊細な雰囲気をたたえた美人画や、初期に手がけた武者絵、風景画や最晩年の子供絵、そして肉筆画なども合わせて紹介されること。ジャンルと時代に偏ることなく選ばれた貴重な作品を通して、激動の時代を生き抜いた国周の魅力を紹介する試みとなる。

見どころのひとつは、代表作《具足屋版役者大首絵》シリーズが一挙に12点公開され、「初摺」と呼ばれる摺りの早い時期の作品を多く含む、保存状態の良い名品を目にできること。また肉筆画では、1893年に開催されたシカゴ・コロンブス万国大博覧会のために制作された晩年の華やかな逸品《墨堤観花図》(前期)や、初公開の肉筆美人画《遊女とほととぎす》(前期)なども登場する。

ところで、 国周はエキセントリックな人物だったようだ。大酒飲みで知られ、酒席で河鍋暁斎(かわなべ きょうさい)と大喧嘩をしたり、九代目市川団十郎との喧嘩の末に、わざと出目に描いたり。また詐欺にひっかかるなどして借金がかさみ、東京では二番目となる破産宣告も受けている。一説には、 117 回も引っ越しを行った引っ越し魔だったそうで、「絵では北斎にかなわないが、 引っ越しでは負けない」と豪語していたとか。会場では、こうしたエピソードもパネルで紹介される。総数約210点の作品と人物像をうかがわせるエピソードとともに、知られざる明治浮世絵の巨匠の魅力をたっぷりと味わいたい。
なお、会期は前期・後期に分かれており、全点展示替えとなる。展示替え期間は休館となるので、ご注意を。
<開催概要>
『生誕190年記念 豊原国周』
会期:2025年2月1日(土)~3月26日(水) ※前期は2月24日(月・祝)まで、後期は3月1日(土)から/全点展示替え
会場:太田記念美術館
時間:10:30~17:30(入館は17:00まで)
休館日:月曜(2月24日は開館)、2月25日(火)~28日(金)
料金:一般1,200円、大高800円
公式サイト:
https://www.ukiyoe-ota-muse.jp/toyoharakunichika/
フォトギャラリー(11件)
すべて見る