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東京国立博物館 開創1150年記念 特別展「旧嵯峨御所 大覚寺 -百花繚乱 御所ゆかりの絵画-」内覧会レポート

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第4章展示風景

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東京国立博物館にて1月21日(火) より、開創1150年記念 特別展「旧嵯峨御所 大覚寺 -百花繚乱 御所ゆかりの絵画-」が開幕。前日に行われた報道陣向けの取材会にはPR大使および音声ガイドのナビゲーターを務める吉岡里帆が出席した。

真言宗大覚寺派大本山・大覚寺に受け継がれる貴重な寺宝たちを一挙展示

京都の西北に位置する嵯峨に約1200年前、平安京への遷都が行われて間もない頃、嵯峨天皇が離宮・嵯峨院として造営。その後、空海の勧めで五大明王像(現存せず)を安置し、貞観18年(876年)には皇女・正子内親王の願いにより寺として大覚寺が開創された。安土桃山時代から江戸時代に制作された約240面におよぶ障壁画が伝来し重要文化財に指定されているが今回、123面が展示される。

特別展では4つの章に分けて寺宝を紹介。第1章「嵯峨天皇と空海 -離宮嵯峨院から大覚寺へ」では初期の大覚寺の様子を示す展示となっており、東京では初めて明円作の五大明王像が5体そろって公開されている。

重要文化財 五大明王像 展示風景

第2章「中興の祖・後宇多法皇-「嵯峨御所」のはじまり」では大覚寺が“嵯峨御所”と称されるようになったきっかけとなる仙洞御所を新造した後宇多法皇にスポットを当て、国宝にも指定されている直筆の書(宸翰<しんかん>)の数々が展示される。

第3章は「歴代天皇と宮廷文化」と銘打ち、大覚寺が南朝(大覚寺統)の本拠となった歴史に触れつつ、南北朝以降の大覚寺を支えた歴代天皇や門跡の事績、そこでもたらされた宮廷文化を紹介する。目玉となるのが、「膝丸」、「髭切」の名で知られる源氏ゆかりの刀剣が揃って展示されること。正式には“太刀 銘 □忠(名物 薄緑〈膝丸〉)、「太刀 銘 安綱(名物 鬼切丸〈髭切〉)という名の兄弟刀で、東京で二振りがそろって展示されるのはこれが初めてのこととなり、この日の内覧でも人だかりができていた。なお、この「膝丸」と「髭切」の展示に関しては、音声ガイドを『刀剣乱舞』にて声優を務めている岡本信彦と花江夏樹がゲストナレーターを務めている。

(左)重要文化財 太刀 銘 □忠(名物 薄緑〈膝丸〉)鎌倉時代・13世紀 京都・大覚寺蔵 (右)重要文化財 太刀 銘 安綱(名物 鬼切丸〈髭切〉) 平安~鎌倉時代・12~14世紀 京都・北野天満宮蔵

第4章「女御御所の襖絵 -正寝殿と宸殿」では、大覚寺伽藍の中心をなす「宸殿」、その北西に位置する「正寝殿」(いずれも重要文化財)にある圧巻の襖絵や障子絵の数々を展示。狩野山楽筆による「牡丹図」(18面)、「紅白梅図」(8面)、渡辺始興筆による「野兎図」(12面)、「芭蕉図」(2面)など、前後期あわせて123面の壮大かつ華麗な障壁画群が並ぶ。

重要文化財 牡丹図 展示風景

吉岡里帆、「膝丸」「髭切」の兄弟刀揃っての展示にも感激

PR大使、および音声ナビゲーターと務めている吉岡里帆は、梅の花の柄の着物姿で報道陣の前に登場。京都出身の吉岡だが、幼少期を大覚寺からほど近い場所で過ごしたそうで「父と大覚寺の大沢池(おおさわのいけ)に絵を描きに行った思い出があります」と明かす。女優として仕事を始めてからも「時代劇の撮影場所としても使わせていただいているご縁もあって、時代劇の撮影をした経験もあります」と大覚寺との浅からぬ縁を明かす。

取材会は牡丹図の前で行われたが「この空間に圧倒的な障壁画が集まっているということで、お寺の方々も『ここまで一斉に集まるものを見ることはそうそうない』ということをおっしゃっていまして、とても貴重な展覧会になっています」と特別展をアピールする。

PR大使・音声ガイドナビゲーター 吉岡里帆

「膝丸」、「髭切」という二振りの名刀の存在にも触れ「『刀剣』ファンのみなさまもお待ちかねかと思うんですけど、『膝丸』と『髭切』を並べてひとつの展示ケースで見せる展示にすごく愛情を感じました。“兄弟”がこうやって一緒に同じ空間にいるというところに、エモーショナルな世界を感じていただけるかなと思います」と語った。

気になる展示、お気に入りの寺宝を尋ねると、吉岡自身、長く書に親しんできたということもあり、後宇多法皇の宸翰をあげ「本当に貴重なもので、すごく厳かな雰囲気なんですが、ここでしか見られないもので、身震いするような書物を見ることができました」と語り、さらに「個人的に、『野兎図』のウサギたちがすごく愛らしくて、遊んでいる子もいれば、寝ている子もいたり、かわいらしさと繊細さにグッときてしまいました」と明かしてくれた。

開創1150年記念 特別展「旧嵯峨御所 大覚寺 -百花繚乱 御所ゆかりの絵画-」は東京国立博物館にて開催中。

取材・文/黒豆直樹
写真/オフィシャル

<イベント情報>
開創1150年記念 特別展「旧嵯峨御所 大覚寺 -百花繚乱 御所ゆかりの絵画-」

会場:東京国立博物館 平成館
期間:2025年1月21日(火)〜3月16日(日)

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/daikakuji2025/

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