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映画『石門』新たな場面写真公開 女性の前に立ちはだかる石のように重い扉を描き出す

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『石門』より (C)YGP-FILM

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映画『石門』(読み:せきもん)の新たな場面写真が公開された。

“中華圏のアカデミー賞”と称される第60回台北金馬獎(2023年11月開催)で日本資本映画初の《最優秀作品賞》を受賞、《最優秀編集賞》との2冠に輝いた本作。今回公開されたのは、主人公のリン(ヤオ・ホングイ)が、妊娠の影響による胸の痛みを、郊外で診療所を営む母に診てもらう場面だ。

フライトアテンダントを目指すリンは、予期せぬ妊娠と恋人との別れ、そして死産の責任を追及され、賠償金を迫られる母への仕送りに頭を悩ませていた。胸の痛みを訴えるリンを診る母は、進学させたにも関わらず妊娠した娘を叱り堕胎薬を飲むことを進めるが、中絶を望まないリンは、賠償金の代わりに子どもを差し出すことを提案する。

ふたりが死産となった母親の従兄である男性に取引を持ち掛けると、赤ん坊の父親の身長や学歴をつぶさに確認され、赤ん坊の心身の健康と、知能指数の高さを確かめるためにリンたちが1年面倒を見ることを条件に提示される。しかし、出産後は大学に戻りたいリンと、診療所の仕事がある母には厳しい条件だった……。

妊娠期間と同じ10カ月をかけて撮影された本作では、リンを通して、女性の前に立ちはだかる石のように重い扉を描き出す。望まぬ妊娠と出産によって学校や仕事を中断せざるを得ず、元の進路に戻るため、出産後はすぐに大学に戻ろうと考えるリンの姿がその一例だ。

また、ドレスを着てデパートの前に立つキャンペーンガールや、リンの妊娠発覚のきっかけとなる、優秀な遺伝子を求める富裕層に向けた卵子提供ドナーが割のいい単発の仕事としてカジュアルに紹介され、若く健康な“女性・性”を営利道具とみなし、売り物とすることにためらいのない空気は、世界各地で起きるジェンダー問題と根を同じくしている。

監督を務めるのは、北京電影学院で脚本を学んだホアン・ジーと、日本でドキュメンタリー制作に従事した後、2005年に中国へ移住した大塚竜治。夫婦でもあるふたりは、表現に対する統制が強い中国において女性の性を描写する先駆者として作品を制作し続けてきた。『卵と石』で少女の性被害を題材に衝撃的かつ社会性を感じさせるデビューを果たし、2作目の『フーリッシュ・バード』では女子高校生の性が搾取される様を描いた。彼らは一貫して女性の視点や経験を重視し、社会的なタブーを映し出すことに挑戦している。なお『石門』に続き2作品とも日本初公開が予定されている。

<作品情報>
『石門』

2月28日(金) 公開

公式サイト:
https://stonewalling.jp/

(C)YGP-FILM

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