『出張!江戸東京博物館』東京都美術館で 「人力車」などの体験模型ほか江戸博の常設展示をコンパクトに紹介
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歌川広重《名所江戸百景 下谷広小路》安政3年(1856)9月 東京都江戸東京博物館蔵
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すべて見る上野の東京都美術館では、2025年2月22日(土)より、『出張!江戸東京博物館』を開催する。大規模改修工事のため2026年春(予定)まで休館している東京都江戸東京博物館(以下、江戸博)の常設展示室の一部を、昨年度に引き続き、東京都美術館で紹介する展覧会だ。
同館の第4公募展示室の1階フロアとロビー階で展示されるのは、江戸博の常設展のエッセンス。まず「江戸ゾーン」では〈江戸城と町割り〉〈町の暮らし〉〈江戸の商業〉、「東京ゾーン」では〈文明開化東京〉〈産業革命と東京〉のコーナーをコンパクトにまとめて紹介する。天保12~13年(1841~42)頃に歌川広重が描いた「二十六夜」の月待ちで賑わう高輪の様子や、明治4年(1871)に横山松三郎が撮影した江戸城大手門の写真などを、バナーやパネルで紹介しながら、江戸・東京の歩みを紐解いていく。

また江戸博といえば、実際に触ったり乗ったりできる体験模型が有名だが、同展では人力車や千両箱、三輪車などを展示する。

さらに2階の第4公募展示室では、特集展示として、同展の開催地・上野の歴史や移り変わる風景を錦絵や絵葉書から紹介する。江戸時代、上野の山には寛永寺の寺域が広がり、その麓には上野山下や下谷広小路(上野広小路)などの門前町が栄え、商店や見世物小屋が軒を連ねていた。しかし慶応4年(1868)の上野戦争で寛永寺の大部分が焼失すると、明治政府は、上野を近代化政策の象徴的な場所へと転換させる。新たに整備された上野公園では内国勧業博覧会など様々な博覧会や展覧会が開催され、上野駅の開業により上野は交通の要所になっていった。こうした土地の歴史を現地で学べば、臨場感もあいまって感動もひとしお。知的好奇心がますますくすぐられることだろう。
なお歌舞伎の鳴り物体験ができるワークショップや、担当学芸員によるギャラリートークなど関連事業の開催も予定されている。
<開催概要>
館外展示『出張!江戸東京博物館』
会期:2025年2月22日(土)~2月26日(水) ※無休
会場:東京都美術館(ロビー階、1階、2階 第4公募展示室)
時間:9:30~17:30(入室は17:00まで)
料金:無料
公式サイト:
https://www.edo-tokyo-museum.or.jp/
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