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超特急がアリーナツアーを完走「タカシくんの声を想像しながら歌っていました」『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2024-2025 “Joker”』最終公演レポート

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『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2024-2025 “Joker”』

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1月29日(水)超特急がアリーナツアー『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2024-2025 “Joker”』を完走した。昨年12月から大阪、東京、愛知、そして神奈川と4カ所8公演にわたって行われたアリーナツアー。本記事では、横浜アリーナにて行なわれた最終公演の模様をレポートする。

“Joker”の物語が始まる

1万人以上の8号車に埋め尽くされた会場には、ヨーロッパの街並みのような大掛かりなセットが君臨。まるで、今回のツアータイトルである“Joker”が現れそうな雰囲気を醸し出していた。

開演5分前にはリーダー・リョウガによる“影ナレ”がスタート。さらに続けて登場したのは、超特急を始めとするEBiDANグループや幅広いアーティストのボイストレーナーを担当しているりょんりょん先生こと、佐藤涼子氏。これから始まるステージで、たくさんの声を出し、たくさんの歌唱を求められる8号車にナレーションを通じて、ボイストレーニングをするという貴重な“影ナレ”を披露した。

会場が暗くなると意味深なVTRが流れ、アロハ、シューヤ、リョウガ、ユーキ、カイ、マサヒロ、ハル、タクヤの順番で登場。ある人は電話ボックスの中から、ある人はアリーナ席の合間から……目まぐるしく登場するメンバーを目線で追いかけていると、スクリーンには大きな文字で“Who is the Joker?”との表記が。どうやらこのステージ、我々は超特急メンバーに紛れた“Joker”探しをする必要がありそうだ。

そんなことを思っていると未発表曲「POKER FACE」でメンバーが改めて登場。それぞれが登場した場所から、メインステージの中央に集まるメンバーは黒を基調としたシックな衣装を身に纏っていた。ちなみに、この日、ボーカルとしてグループを引っ張るのは、11号車シューヤ。もう1人のボーカル・7号車のタカシは、今回の神奈川公演、帯状疱疹により出演を断念したためだ。しかし、そこに不安は感じさせないのは圧倒的ポジティブなオーラを放つシューヤ。相方不在の中、この公演を象徴するような楽曲で世界観を一気に作り上げた。

続く「Re-Booster」では、カイ、リョウガ、タクヤ、ユーキの1桁号車の4人がメインステージに登場。タカシの歌声が流れる中で、ラップとダンスで会場を盛り上げていた。一方、曲の2番が始まると、センターステージには2桁号車の4人、シューヤ、マサヒロ、アロハ、ハルが登場。2番が終わると8人がセンターステージに揃い、フルパワーで会場を沸かせた。

「No.1」では、会場に集まった8号車が大きな声でコールを送る。その姿は、まるで≪Just wanna No.1≫と繰り返す歌詞を体現しているかのよう。8号車にとってNo.1である推しの超特急にコールを送る姿、そしてその声援に応えるかのように全力で踊る8号車にとってNo.1でありたい超特急の姿がエモーショナルに映った。曲の終盤には、アロハが「OK、横浜。声を聞かせてくれ!」と言い、コールアンドレスポンス。最後には「タカシ!」と声を挙げ、そこから1人ずつのソロパフォーマンスへと繋げた。

この日、初めてのMCでは、まずメンバーがいつものごとく自己紹介。その中でシューヤは「横浜、盛り上がってますか!」と元気に呼びかけ、「ここには8人しか立ってないけど、9人の気持ちで届けます」とポジティブに挨拶。「そして、ちょっと待ってね」と言い、タカシからの「8号車のみんな、タカシやで!今日はツアーファイナル、思いっきり楽しもうな!U-NEXTから見てるで」といった内容のメッセージを代読し、会場を沸かせた。

「今日、最高の思い出が作れるのか、誰かに確認してほしいのですが……」とリョウガ。すると、今回の神奈川公演から復活したアロハが「僕やっていいですか?やりたかったんで」と立候補。センター、アリーナ、スタンドと会場を満遍なく盛り上げた。

そこから、再び意味深なBGMが流れると手紙の封を開ける仕草を見せたアロハ。その手紙はJokerから送られたものだった。そこには「4つの世界の扉を開けさえすればいい、簡単だろ?」といった内容の挑戦状とも捉えられる内容が書かれてあった。

そして、最初に開いたのはトランプのマークの1つ、ダイヤをモチーフとした扉「閉ざされた世界」。ここでメンバーは赤い衣装を纏って登場。ハルが下手、上手、センターと3箇所に深々とお辞儀をしたのを合図に「On & On」を8人でパフォーマンス。大サビ前には、秒針に合わせたアクセントダンスも披露され、一糸乱れぬフォーメーションで超特急のたしかなダンス技術を魅せた。続く「UNKNOWN…」では、ピンク色の電飾が光る中、メンバーがセットの中に入り込み、各場所でダンス。切ないラブソングを体現するような苦しく、一筋縄ではいかない表情は見ているこちら側に歌詞の世界観を追体験させてくれた。

ゆっくりと花道を歩いた先にあるセンターステージでパフォーマンスしたのは「Fantasista」。センターステージの真ん中にギュッと寄ってみせたり、ステージ全体に広がって大きく踊って迫力を出せるのはメインダンサー7人という大所帯グループかつ確かなスキルを兼ね備える超特急だからこその技量だった。

超特急なら“かわいい”もお手のもの

3曲披露したところで、再びスクリーンにはJokerからの手紙が届く。その内容は「美しい世界こそが僕の理想だ」「僕にとっては、美しいものが全て。その美しさを奪う者が僕の前に立ちはだかるのなら。心臓を激しく行動させていく。」というもの。そして、ハートの扉が開き、そこには「見定めるべき事は他にある」と書かれていた。

そこから雰囲気を一変させ、メンバーカラーの衣装に身を包んだ8人が登場。甘い王道ラブソング「Fantasy Love Train」では、メンバーが笑顔でパフォーマンスする姿が光る。続けて披露された「Love Song」の冒頭には、シューヤが「みんなでー!」と呼びかけ。これには8号車は歌声で呼応。曲中にはタクヤが空中にハートを描き投げキッスを送ったり、ハルがほっぺの横でハートを作ったり、カイが投げキッスをしたりとカメラにアピールする一幕も。その度に、会場からは割れんばかりの歓声が送られていた。そして、曲の終盤にはシューヤが「ここにいる8号車全員でこの歌を歌いましょう」と呼びかけ、会場全体でシンガロング。その姿を見たシューヤは「最高だよ!」「タカシくんにも届いてるよ」と喜びを露わにした。

雪が降り注ぐような演出の中、披露されたのは山下達郎の「クリスマス・イブ」のカバー。電車から出てきたタクヤが、まるで待ち合わせしていた恋人に手を振って見せたような演技をすると会場からはたくさんの「かわいい!」という声が送られた。その後ユーキはソファで、カイは電話ボックスでとセットを存分に生かしダンス。ハルがカメラに向かって「好き」と口パクしたり、手を引いて走っているような気分を味わえる画角でアピールしたりすると会場からは黄色い歓声が。メンバーそれぞれと過ごすクリスマスを体感させるようなシチュエーションは、このツアーが行われた年末年始にふさわしい演出のように感じられた。

そこから一気に雰囲気を変えて披露されたのは「Steal a Kiss」と「Kiss Me Baby」のリミックスメドレー。ピンクの光に照らされる中、リョウガ、タクヤ、マサヒロ、シューヤはメインステージの下手側で「Steal a Kiss」を披露。続いてカイ、ユーキ、アロハ、ハルは、ステージ上手側で、この日は不在のタカシの歌声に乗せて「Kiss Me Baby」で魅せる。最後には、2つの曲がリミックスされた中で、8人が息を合わせてパフォーマンス。歌詞の中に何度も出てくる“Kiss”というフレーズで繋がった2曲の新たな魅力が引き出されていた。そして、そんな中で、会場からこの日1番の歓声が上がったのは、ユーキの決め台詞パートでのアドリブ「いいから俺と、結婚しろよ」だ。ただでさえ濃度が高い、決め台詞が究極の告白に変わり、会場の心をぐっと掴んでみせた。

シューヤ「タカシに届けるぞ!」

ここまで披露したタイミングで、この日3度目のJokerからの手紙。そこには「クローバーには、4つの意味がある」幸福、約束、私を思って、復讐といった内容が記されていた。そして開いたクローバーの扉には「見ている物、全てが真実とは限らない」という、意味深な言葉が浮かび上がっていた。

このタイミングでメンバーはオールホワイトの衣装にチェンジ。シューヤ、ユーキ、アロハがセンターステージで盛り上げる中、カイ、リョウガ、タクヤ、マサヒロ、ハルの5人はトロッコでスタンド席を1周。言葉通り、会場全体を盛り上げる姿が見受けられた。

「Burn !」では、カイが「名前を呼んでください!」と叫び、8号車は大きな声でメンバー1人1人の名前をコール。そして、胸の前で繰り返しバツを描いたような、おなじみの“ばってんダンス”で盛り上げ。さらに、ユーキが曲の中盤で「みなさんの歌声聴かせてください!タカシに届けるぞ!」と呼びかけると、この日1番の大きな声で会場全体が曲の1フレーズを歌ってみせていた。

盛り上がりをそのままに続けた「Shake bady」では8号車のコールの勢いも最高潮。これに応えるように、メンバーも全力で決めポーズをし、戦力で飛び跳ね、全身全霊でダンスしてみせた。この曲について、曲中で筋肉自慢をしたカイとアロハはお互いを褒め合い。しかし、シューヤは、この2人のパフォーマンスについて「俺が霞むだろ」と反論。さらに、曲中で別の意味でキレたタクヤはメンバーからのツッコミに「(アロハが復活したのに、タカシが出演できなくなったことに対して)神様にキレてる」と一言。会場とメンバーの笑いを誘っていた。

また、MCの後半ではカイが10年前に1月に、この日の会場、横浜アリーナで成人式を行なったエピソードを明かしたり、マサヒロが地元・山口の“あるある”アンベス(安全ベスト)について話したりと近況トークを披露。特に盛り上がったのは昨日の公演後、タクヤのお弁当がなくなったという話。これにはメンバー「俺、市民なんですけど」「占い師は……」とまるで人狼ゲームのような設定でアリバイを説明。唯一、アリバイがなかったアロハが怪しいという結論でメンバー内のトラブルは終幕した。

中盤のMCが終了すると「AwA AwA」で盛り上げ。泡が大量に飛ぶ中、サビでは8号車も一体となりダンス。曲の途中には、センターステージが上にせりあがり、センターステージ付近の8号車だけでなく、会場の上部にいる観客にも目線を送っていた。

続けて披露されたのは「ジュブナイラー」。シューヤのハイトーンボイスでの≪te-teyandei≫からの、リョウガの「声出せー!」との煽りから始まり、メンバーはメインステージを広く使い、会場を巻き込み。盛り上がりを最高潮へと持っていった。

ついに明かされたJokerの正体

そんな盛り上がり曲2曲が終わると、再びJokerからの手紙。スペードの扉を開けると「Jokerからの挑戦状」と書かれていた。そして、登場したメンバーはスーツ風のコスチュームにチェンジ。先ほどまでの超特急らしい、盛り上がり曲からはまた雰囲気を一変させた「Spice」で会場を一気に“Joker”探しの世界観へと連れ込んだ。マサヒロのアップでの決めカットから披露された「Typhoon」では、サーチライトのように勢いよく回るライティングで世界観に深みを増す。マサヒロの「横浜、まだまだ盛り上がれんの?」との煽りからスタートした「Countdown」ではステージ上でファイヤーボールが勢いよく燃える場面も。時折、会場からは超特急を盛り上げるような声援が送られていた。

そんな曲終わりにはJokerから「最後の手がかり」が送られる。この間、会場のライトはオレンジから赤に。メンバーカラーオレンジのハル、そして赤のユーキと何か関係しているのだろうか。そう思ったまま始まったのは「Beasty Spider」。フードを被り、妖艶な笑みを浮かべるメンバーはもはや全員が怪しくJokerに見えてしまう。そして、本編最後の楽曲を前にステージには再び大きく“Who is the Joker ? ”との表示が。そしてJokerが苦手とする雨の中で、勢いよくパフォーマンスした後で、この日のJoker役がユーキと明かされる。そして、ユーキは1人ステージ上で傘を差し、踊るように歩いたり、センターステージで何かに怯えるような表情を見せたりと怪演。この姿に会場からは大きな拍手が送られた。

これにて無事、ツアー最終公演は幕を閉じたかのように思われたのだが、最後には真のジョーカーが明らかに。ツアーの8公演を通して、日替わりでジョーカー役を演じてきたメンバーたちを操る真のJokerはハルであるということにファンは驚愕。作り込まれた世界観の物語にファンはどよめき、感嘆していた。

不在のタカシへの愛が爆発した8人

本編が終わりアンコールが沸き起こると、リョウガは「あのディープな雰囲気からよくアンコールって言えたもんだな」と煽りつつ、ステージに登場。「Rail to Dream」の曲に載せ、カイ、リョウガ、マサヒロ、ハルはセンターステージやメインステージを、タクヤ、ユーキ、シューヤ、アロハの4人はトロッコでスタンド席を盛り上げた。

そして、本編最後には1人ずつこのツアーを振り返る挨拶で締めくくり。すると、会場からは1人で歌唱し切ったシューヤに対して大きな拍手が。これに対してシューヤは涙目になりながらも笑顔。そして拍手を制止し、「“Joker”全員は最後まで揃わなかったですけど、やっと完走することができました。まさか、自分の相方がラストの公演いないということになってしまって、本当に正直言うと“俺ならいけるっしょ”って思っていた」と明らかに。ただ、普段はポジティブなシューヤも昨日は直前に不安に襲われたそう。「相方がいないって、やっぱ大変なんだなって思い知らされた」と語った。しかし、最終公演の今日は「タカシくんの声が聞こえてきた」「タカシくんの声、想像しながら歌ってたら、めっちゃ気持ちよかったっす」「でも、想像じゃなくて、俺の隣にはタカシくんがいてほしい」と思いの丈を明らかにした。

続いてカイは「9人でファイナルを迎えられなかったことは心残りですけど、この寂しさを忘れるんじゃなくてしっかりと持ち帰って、次また9人でのライブを楽しみにしてほしい」と呼びかけ。そしてスタッフに感謝をした後で「会場が大きくなくても別にいいんです。1人でも応援してくれる人がいれば。でも、こうしてたくさんの方に見てもらうとどうしても欲が出てくるというか……。みんなをもっと大きなステージに連れて行きます。これからも超特急と一緒に歩んでほしいです」とコメントした。

マサヒロは「(雨の)水が吸水活動を始めまして、ゴボゴボなっているのを聞いたら、話すこと全て忘れました」と言い会場からは笑いが。しかし、その後で「これからも皆さんに感謝の気持ちを持って活動して行きたいと思います。本日はご乗車いただき、ありがとうございます」と感謝を述べた。

タクヤは明るい声で「楽しかったですか?」と呼びかけ。「絶対にまた会いましょう!」と約束をした。続くユーキは8号車と9号車(スタッフ)への感謝を述べた後で「率直に一言、俺はタカシがいないと踊れねぇ!」と叫んだ。「やっぱりタカシとシューヤ、2人の歌声があって僕らダンサーが生きるので、お前がいなきゃなんか足りねーわ」と胸の内を明かした。

アロハは自身のネイルを見せて「今日はタカシくんのカラーですよ」とアピール。そして、自身が怪我をしたことを振り返りながら「今回のツアーは、すごい僕を大人にしてくれたツアーだと思っています。9人で早くパフォーマンスしたいと思うので、タカシくん早く帰ってきてください!」と叫んだ。

深々とお辞儀をして感謝を述べた後で「タカシくんを待っていますし、タカシくんのせいとは誰も思っていないですし、誰も悪くないので。みんなであたたかくタカシくんを待ってくれたら嬉しいと思います」とコメントした。そして、ツアー全体については「僕も考察とか見るのすごい楽しかったです」と一言。「また会いましょう」と手を振り、締め括った。

リョウガはタカシを思わせる関西弁で挨拶をし、会場の笑いを誘う。「大変やろうに、グループ宛てに“タカシやで”からメッセージが来て。“無理せんと”って。こんなときも言ってくれるんだと思いました」と話した。

そして、最後は「バッタマン」で全力で弾けて締めくくり。「真のジョーカーぶちかませ!」とユーキが煽ると、ハルは何度も花道を往復しながら叫び、会場を笑わせた。そして曲が終わると下手、上手、センターステージの潤に会場全体に挨拶をし、ステージは全て終了。

6月からのアリーナツアーや冠番組の放送決定など、2025年もさらなる飛躍を予感させる超特急。もっと広く、大きな場所へ羽ばたく姿をきっと見せてくれることだろう。

取材・文/於ありさ

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