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祝!完走!即時完売の友近コントLIVEツアー『ネタコス』 各地の豪華ゲストとのネタも白熱した公演の模様をレポート

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友近コントLIVEツアー『ネタコス』より

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2024年11月11日・12日の東京公演を皮切りに、全国5都市7公演を行った友近コントLIVE『ネタコス』。全公演ともチケットは即時完売と、超プレミアチケットとなった。

東京公演はシソンヌ・じろう、北海道公演はロバート秋山、愛知公演はガンバレルーヤ、大阪公演は、森三中・大島とハリセンボン春菜と、各地でツワモノのコント師が登場。そして福岡公演では和牛を解散して以来初のライブでのネタ披露となる川西賢志郎が登場。初コラボとなった二人はコント、漫才を披露し、話題騒然となった。ネタはゲストとのユニットコントや漫才も含め、今公演のために書き下ろしたオール新作。友近は小学生から老婆まで、過去最大の振り幅であらゆるキャラクターを演じた。

棒状のものを見るとなんでも吸いたくなるという友近、それがペンなら「ペンコス」、箸なら「箸コス」。今ツアーではアイコスならぬ『ネタコス』で友近が胸いっぱいに吸い込んだおかしなコトを、総動員数7700人の前で思う存分に吐き出した。

2月4日に大阪・SkyシアターMBSで千穐楽を迎えた『ネタコス』。この公演に提供してもらったという体で、往年のスポンサー名を読み上げるVTRからスタートした。

コント「手荷物検査場」では、空港の手荷物検査場でペットボトルが引っかかった中年の婦人を演じる友近。中身を飲むようにと言われたことに腹を立て、「一日に飲む水の量が決まっている」など、とにかく早口でまくしたてる。検査員に1言われたら100返す勢いで反論するもらちが明かない。そこで一か八か、婦人はとうとう本当の姿を告げるのだった。

友近の地元・愛媛を舞台に「昔っぽいサスペンスドラマ」風に制作され、再生回数400万回超という大ヒットドラマ「友近サスペンス劇場」。友近扮するフリーライターの黛京子と、芝大輔(モグライダー)扮するフリーカメラマン奥野茂が道後で起きた殺人事件を解決するという約1時間半の動画だ。VTRでは、「友近サスペンス劇場」の肝である“あの頃っぽい”画質、演出、演技、セリフを解説、ドラマの解像度を上げた。

そんな黛京子がスクリーンを飛び出してコント「黛京子の休日」を。愛媛で事件を解決し、東京に戻ってきた京子は、休日に一息つこうと喫茶店を訪れる。舞台に出るなり止まらない病的なまでの独り言、とにかく丁寧な話の振り、ドラマでもやっていた珍妙なノリなど、“あの頃っぽさ”は健在。疑問に思うと不穏な音楽が流れ、鋭い視線を投げかけて考察し、すぐさま一旦整理と、京子の頭の中も“あの頃っぽい”。次に訪れた画廊で京子は、幸せをつかみ損ねて「あんっ!」。

友近が『ネタコス』で吐き出すのは、頭の中のみならず。スマホに納められたプライベート映像も放出した。その映像とは本当にプライベートでやり取りしていた、TOKIO・松岡昌宏やロバート・秋山竜次との音声のやり取りを携帯の中で収めておくにはもったいないと作品に仕上げて会場で披露した。(本人了承済み)

コント「水戸屋デパート、開店です!」で、ピンチヒッターで館内放送をすることになった婦人服売り場の店員・伴ふみこが奮闘する。丁寧な口調で館内放送を始めるふみこだが、どこか慇懃無礼。各階の売り場案内では、「よかれと思って」個人的な話題をぶっこむふみこ。盛り上がるほどに忘我の境地でついつい大声になる。行き過ぎる館内放送にいくら注意されようとも優雅な笑みを絶やさないふみこのプロ意識が暴走する。

島人(シマンチュ)と大和人(ヤマトンチュ)の海を越えた愛の物語、芸人ありんくりんひがりゅうたと友近主演映画「キジムンの棲む島」の告知VTRでは、ロードショーの準備は万端!と配給会社にアピール。

続いて、小学4年生・9歳の小野寺みぃちゃんが国道を歩きながらレポートする「小野寺みぃ、はじめてのおしごと」を。一人でオーディションに挑み、見事主役を勝ち取ったこの番組。コンビニやガソリンスタンドに立ち寄り、ママから聞いた話やパパから教えてもらったことを交えて立て板に水のごとくレポートする。そのエピソードの端々に垣間見えるみぃちゃんの家族像。それがなかなかややこしそう。ジェンダーを意識した発言もあり、一過言持っていそうなみぃちゃん。今後の活躍が楽しみだ。

各地方の企業のコマーシャルを勝手に制作したVTRでは、友近と秋山が王道過ぎる演出でやりたい放題。

森三中・大島、ハリセンボン春菜から花束贈呈も “ホーム”大阪で大千穐楽

続いてゲストの森三中・大島とハリセンボン春菜が登場、3人でコント「なかよし公園」を。春菜扮する徳男と友近扮する徳子が、公園で言い合っている。ありとあらゆる事の発祥は自分だと主張する二人の間に、ひょろっと現れたのは大島扮するおどやん。しばらく徳男と徳子の論争を聞いていたおどやんだが、どうやら徳子のことを気に入った様子。やがて徳子を巡り不毛な争いを始める徳男とおどやん。徳男と徳子の間に初めておどやんという第三者が登場したことで、二人の間にわずかな変化が現れる。徳男と徳子、この先はいかに。

4月20日(日) に世界遺産の春日大社でスペシャル奉納ライブが決定した演歌の大御所・水谷千重子のシングルで、盟友・浜ローズとの幻のデュエット曲「まそおの月」のMVも流れ、二人の美声が劇場中に響き渡った。

コント「声優トークショー」では、「声優界のBIG3」と言われる轟ワコ(友近)と八乙女一平(大島)、そして大ベテランの安月くるみ(春菜)が集結。一平56歳、ワコ67歳、くるみ83歳と年齢層はかなり高め。くるみにいたってはその言動は今や放送ギリギリ。いつまでたっても弟分の一平に、元気はつらつなワコ、そして乙女なファッションを貫徹するくるみ。3人は昔話に花を咲かせつつ、声優界の現状を憂うのだった。最後は、日本の声優が世界進出する先駆けになったというタイアニメのアテレコ実演で、今なお現役をアピールした。

ピンネタコント「タンゴ、故郷へ帰れ」。名作との呼び声が高い代表作「タンゴ、故郷へ帰れ」の再演をめぐり、50年ぶりに伝説のダンサーミス・フローレンスが舞台に帰って来た。次期主役のオーディションで最終選考に残った若い女優についゲキを飛ばすフローレンス。某アーティストらの有名なステップを発明したのは私と眉唾なことを言っては「バカ言ってる!」。日本のエンターテイメントにも影響を及ぼしたと、誰もが知るポーズの由来を明かす。やがてミス・フローレンスはスポットライトに照らされる中、ステッキ片手に渾身のダンス! だが、椅子からひっくり返って仰向けに。寂寥感漂う幕切れである。

各地で「西尾一男とピザを囲む会」を開いた「PIZZA CAP」のプロアルバイターの西尾一男。その一日に密着したVTRの後には、今度は西尾一男がスクリーンから飛び出した。「DJ KAZUO」で観客は総立ち、西尾一男は特製のピザカッターの舞も披露し、大団円となった。

エンディングでは大島、春菜も登壇し、「千穐楽、お疲れさまでした!」と友近に花束贈呈。スクリーンにも「祝!完走!」の文字が躍る。「大阪公演は最初のVTRからわっと笑ってくれて、温かいホームのような場所だなと思いました」と友近。3人はユニットコントを振り返り、1本目は「伝説のおどやん乱入」、2本目は「お客さんを信頼してやった」と笑い合う。そして、細部まで友近の好きなものが詰まった『ネタコス』の「大千穐楽を無事に迎えれられてよかったです!」と締めくくった。

東京・札幌・名古屋・福岡、各地のゲストと大暴れ!

≪東京 ✕シソンヌじろう≫
定番の「小野寺みぃ」とじろう扮すると東北訛り全開の「義彦おじさん」とのやり取りの「義彦おじさん✕小野寺みぃ」。あらゆる映画作品を全て熊の話にもっていく義彦おじさんの剛腕ぶりに小学4年生のみぃちゃんは成す術もなく生放送ロケは無事ではない終了を迎えた。

続いて、「シンポジウム〜評価されるべきグルメ〜」では、“なにかの文化人”風の友近とじろう。ひたすら上から目線で語り合い、共感し合うシンポジウムが開催された。余裕の笑みと出所不明の自信のまま語られるテーマは「もっと評価されるべきグルメ」。ハヤシライスの地位を上げよう、にゅうめんの専門店を作ろう、ロールキャベツの爪楊枝が野蛮、チキンステーキを押し上げる区画を作ろうといった一見どうでもいいと思えるけど生産性の全く無い話を30分間にわたり繰り広げた。

≪札幌 ✕ロバート秋山竜次≫
ジャンボジェット機の操縦室。秋山扮する機長と友近の副機長とが機内アナウンス用のマイクを奪い合い、互いに“自分の情報が正しい”と一歩も譲らぬアナウンス攻防を繰り広げた「機長と副機長」。このやり取り、どこかで見たことあると思ったら、町内会で拡声器を奪い合うあの二人…! 機内サービスやフライト情報での言い争いはいつしかネイティブ風の英語発音の勝負となり、果ては飛行にちなんだ映画『TOP GUN』の主題歌勝負へと移り変わり、快適ではない空の旅は終わることがなかった。

続いての「おはモニ☆サテライト945」では、朝の情報バラエティ番組のMCを務める秋山、パネラーである弁護士コメンテーターの友近が情報番組特有の“慣れていない人のはしゃぎ方”を完全再現した。

≪名古屋 ✕ガンバレルーヤ≫
小学4年生の小野寺みぃが友達のまひる少年と公園で遊んでいると、よしこ扮する関西弁が怪しい最底辺キャバ嬢が現れるという救いようのない場面から始まった「みぃちゃんとマー君」。ボキャブラリーに乏しいよしこキャバ嬢が「なんでなん!」と泣きながら彼氏にフラレた話をするも、二人の大人びた小学生に冷静に分析されなだめられ、「うっさいねん!」としか言い返せない悲しみの地獄絵図。手玉に取られたよしこキャバ嬢は二人にYouTube生配信でその姿を全世界に晒されるという憂き目に遭い何の救いもない時間がただただ流れたのであった。

CAに扮した3人が定例の会議を繰り広げる「CAサービス提供会議」。会議は「腸内のガスを排気した際の音と臭いを全て吸収するクッション」製作という無理難題を抱えたまま終了する。

≪福岡 ✕川西賢志郎≫
ネタでは初共演の川西賢志郎が登場。まずは人気若手俳優の初めての映画作品の撮影現場での一幕を描いた「助監督とエキストラ」を。台詞が出てこない人気若手俳優の友近をリードしだす後期高齢者エキストラ川西。台本に書かれている全ての台詞とト書きを暗記していたという驚愕の事実が発覚し、撮影現場に激震が走る。

そして和牛解散後、初めてセンターマイクの前に立ったことも話題になった漫才「女流漫才師」を。二人は、浪花感あふれるコテコテ女流漫才師「かしよ・まとみ」となり、劇場の新春寄席に挑む。漫才は互いの出身地である大阪と愛媛とを対比させる王道モノ。大阪は沈めたろ文化を常識とする恐ろしい都市だと訴える友近を華麗にいなす川西。大阪のタコ・イカは下品で愛媛のタイは上品だと宣う友近を優雅に諭す川西。クライマックスではお得意ネタの上沼恵美子モノマネも飛び出し客席から大きな拍手があがる中、ネタを終えた二人は意気揚々と舞台袖へとハケていくのであった。

取材・文:花京院明典(東京・札幌・名古屋・福岡公演) 岩本和子(大阪公演) 撮影:福家信哉/並木慶/鈴木里咲

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