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『異端の奇才――ビアズリー』展、三菱一号館美術館で 『サロメ』の挿絵や素描、ポスターなど約220点が一堂に

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オーブリー・ビアズリー《サロメの化粧Ⅱ》1907年、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 Photo: Victoria and Albert Museum, London

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25歳の若さで世を去りながらも、オスカー・ワイルドの『サロメ』の挿画など、精緻な線描による耽美的な作品を数多く生み出し、19世紀末の欧米の美術界を席巻した英国の画家オーブリー・ビアズリーの芸術を紹介する大回顧展が、昨年11月に再開館を果たした東京・丸の内の三菱一号館美術館で、2月15日(土)から5月11日(日) まで開催される。

1872年に英国の南部の町ブライトンで生まれたビアズリーは、ロンドンに出て保険会社などで働くかたわら、夜間に独学で絵を描き、新進気鋭の挿絵画家として彗星のごとくデビューした。マロリー著『アーサー王の死』(1893−94年)やワイルド作の『サロメ』(1894年)が出世作となり、流麗な線描、黒と白の大胆な色面、耽美な画面構成などが高い評価を受けて時代の寵児となるが、1895年にワイルドの同性愛裁判が起こると、その余波により、手がけていた美術雑誌『イエロー・ブック』の仕事を失うことになる。その後も、ゴーティエ著『モーパン嬢』(1898年)の挿絵で新境地を見せるが、持病の結核が悪化し、1898年に25歳で他界した。

オーブリー・ビアズリー《アーサー王は、唸る怪獣に出会う》1893年、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 Photo: Victoria and Albert Museum, London

同展は、その作風ゆえに「異端の画家」とも呼ばれるビアズリーの代表作を中心に、短い生涯のなかで精力的に描かれた挿絵や稀少な直筆の素描、彩色されたポスターなど、約220点の多彩な作品を通じ、病に冒されながらも決して制作を諦めなかったビアズリーの歩みをたどるものだ。世界有数のビアズリー・コレクションを有するロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館の全面協力によって、同館から150点が一挙に来日し、充実した回顧展が実現した。約50点に及ぶ直筆作品が並ぶのも、見どころのひとつとなっている。

頽廃的な世紀末の体現者といったイメージが強いが、ビアズリーは成功を収めたのちも、公的な画壇や特定の流派に属すことはなく、自室にこもって厚いカーテンで外光を遮断し、蠟燭の光のもとで制作に打ち込んだという。同展は、そうした人物像に迫る試みも行われる。彼が影響を受けた画家の絵本や絵画作品などの紹介や、制作を支えた仕事部屋の再現展示などもあり、新たなビアズリー像に出会える機会となりそうだ。

オーブリー・ビアズリー《アヴェニュー劇場公演の宣伝ポスター》1894年、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 Photo: Victoria and Albert Museum, London

<開催概要>
『異端の奇才――ビアズリー』展

会期:2025年2月15日(土)~5月11日(日)
会場:三菱一号館美術館
時間:10:00~18:00、祝日を除く金曜日と会期最終週平日、第2水曜日、4月5日は20:00まで(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜(2月24日、3月31日、4月28日、5月5日は開館)
料金:一般 2,300円、大学1,300円、高校1,000円
公式サイト:
https://mimt.jp/ex/beardsley/

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