Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 高校を卒業したばかりのスリーピースバンド・ココラシカ サックス奏者・小西遼をプロデュースに迎えた新曲「Q」と現在の心境を語る!【オフィシャルインタビュー】

高校を卒業したばかりのスリーピースバンド・ココラシカ サックス奏者・小西遼をプロデュースに迎えた新曲「Q」と現在の心境を語る!【オフィシャルインタビュー】

音楽

インタビュー

ぴあ

ココラシカ

続きを読む

>

Text:栗本斉

高校を卒業したばかりという話題のスリーピース・バンド、ココラシカが本格的に始動したのが、昨年の夏から。7月に「最後の花火」、9月に「溶けないで」、11月に「花瓶」と2カ月おきに新曲をリリースし、その都度バンドの成長ぶりが感じられた。

そして、2025年に入り、最初シングル「Q」を発表。象眠舎やCRCK/LCKSでの活躍で知られ、数々のサポートやプロデュースも手掛けるサックス奏者の小西遼にプロデュースを依頼し、これまでの楽曲とはまた違う、壮大なオーケストラル・ポップに仕上がっている。また、歌詞に関してもさらに内省的な表現に向かっており、この1年の成長ぶりを感じさせてくれるだろう。

ここでは、メンバーのこうき(vo/key)と、らな(b)のふたり(ドラムのこたは事情によりお休み)に、新たなチャレンジとなった新曲「Q」のことを中心に、現在の心境を語ってもらった。

――新曲の話の前に、この1年のココラシカを総括してみましょう。昨年は制作環境を含めいろんな変化があったと思いますが、心境の変化もありましたか。

らな(b) 年末のタイミングで、3人でもこの1年を振り返ったんです。3月に高校を卒業してこの1年は環境に慣れるということと、できることをやっていこうっていう感じだったんですけれど、これからはアーティストとして自分たちから積極的にアピールしていかないといけないなって。例えば、SNSなどでちゃんと3人の関係性を出していったり、ファンの方たちとの触れ合いを大事にしたりとか。そういった話し合いをしたことで、気持ちのスイッチが入って「頑張ろう!」っていう気分になったのはありますね。

こうき(vo/Key) 卒業してから時間ができたこともあって、楽曲制作に対する向き合い方がガラッと変わったんですね。いろんなプロデューサーさんに入っていただいたこともありますし、納得がいく曲を作ることができました。でもそれだけじゃだめだなって思うことが多くて、今年はいい曲をバンバン作っていくことはもちろんですが、リスナーも含めてもっといろんな人とコミュニケーションを取りながら頑張っていきたいなって思っています。

――昨年は、「最後の花火」で横山裕章さん、「溶けないで」と「花瓶」で保本慎吾さんをプロデューサーに迎えましたが、そこで得たものは相当大きかったんじゃないですか。

こうき それは本当に大きいです。今までになかった視点で曲を作ることができている感覚があって、プロデューサーさんと一緒にやっていく中で、そういうことが身に付いていったという実感があります。

――3曲連続リリースでどれも力が入っていましたが、やはりタイアップがあった「花瓶」(ドラマ『未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~』のエンディング主題歌)の反響が大きかったようですね。

こうき 最近、路上ライヴをやっているんですが、「ドラマを見て知りました」という方も結構いるんです。その影響はとても感じますね。

らな ドラマで知って「花瓶」を聴いてくれた人が、SNSで投稿してくださったりすることも多くて、楽曲が人の心に少しでも影響を与えられたっていうのがすごくうれしかったのと、それに加えて私たちの人間性みたいなものも感じてもらえたりして、楽曲だけではないアーティスト性も大事なんだってことを実感しました。

――今回の新曲「Q」は年をまたいだとはいえ、わりと短いタームでのリリースだと思うのですが、これはいつ頃できた曲なんでしょうか。

こうき 曲の大枠は高校3年生の頃なので1年半くらい前です。まだ歌詞はなかったけれど、こんな感じの曲ができたって2人に渡しました。ただ、受験や卒業もあったので少し温めていたという感じですね。

――小西遼さんがプロデュースということですが、これはどういういきさつがあったんですか。

こうき とにかく僕が大ファンだったんです(笑)。TENDREのライヴ映像を見ていたら、サポートのサックスの人がめちゃくちゃかっこいいと思ったら小西さんで、プロデュースされている作品を聴くとそれも凄いんですよ。アレンジのセンスも僕にとってストライクで、この曲はぜひお願いしたかったんです。

――小西さんにはどのようにリクエストしたんですか。

こうき 最初にミーティングしたんですが、その段階でどうしたいのかはしっかりと話しました。原曲からリズムも全部変えてもらっていいとお伝えしたので、テンポやグルーヴ感はかなり違うものになっています。

らな もともと淡々としたリズムの曲だったんですけれど、グルーヴを大きく渦を巻くようにというアイデアを出していただいて、自分たちも納得して変えていきました。

――オーケストラの響きを活かしたスケールの大きな曲ですよね。途中のテンポ・チェンジするところも、すごく面白いと思いました。リズムやフレーズなどはどういった手順で変化していったのでしょうか。

こうき 基本的にはお任せしたので、オーケストレーションが上がってきたときは「すごい!」としか言いようがなくて。もう「これでお願いします!」って(笑)。

らな ただ、自分たちが弾くフレーズなどは、3人で相談しながら決めて、あとは当日レコーディングで小西さんからアドバイスをいただいて進めていきました。「こういう流れだからこういったグルーヴを出したほうがいい」とか、「このフレーズはここで音を切ったほうがスネアの音が抜けるよ」とか、その場でどんどんフレーズも変えていって、現場で作り上げていきました。

――サウンドが進化しているのと同様に、歌詞の面でもまた新しい感覚があります。「最後の花火」と「溶けないで」はどちらかというと情景描写が主で、「花瓶」で少し内省的になったという印象でしたが、「Q」はさらに内を見つめているというか、抽象的になったように感じます。

こうき この曲はすごく歌詞にこだわっているんです。高校を卒業するタイミングで、このままバンドを続けるのかというようなことを、すごく話し合ったんですよ。その時に、自分たちにとっての音楽の在り方もそうなんですが、それ以前に自分たちがどういう人間でありたいかっていうことも考えて、でもそういう考えこそが僕らの音楽のスタイルだなって実感したんです。この気持ちを素直に曲にしようというのが始まりで、自分を見つめ直す曲でもあるんです。

――「泣いてる」や「意味もなく」という一見するとネガティブなフレーズが使われていますが、全体的にみるとポジティブな印象の方が強いです。このあたりはどのように意識したのでしょうか。

こうき 意味が直接的に伝わらないようにして、僕らのメッセージを紐解いていってもらいたいなというのはありますね。最後のサビの2行はこの曲の本質だと思いますが、僕らが意識したのはBメロでグッとくるようにしたかったんです。Bメロで気づきがあるというか。

――今までのラブソングとは違うというのはすごく感じますね。

こうき これまで恋愛ソングが続いていたので、ちょっと違う方向性にしてみたかったのもありますね。こういった感じの曲も僕らは表現していきたいと思っています。

――タイトルが「Q」というのも抽象的なイメージになっている理由だと思います。

こうき もともとはクエスチョンの「Q」で、こういうことを伝えたいというよりも、聴いている人に問いかけたかったんですね。僕自身がいろいろと考えていた時期だったということもあるし、みんなは「どう生きたいの?」っていう。人間関係でいろいろあっても、そもそも僕らは地球上に生まれたひとつの生物でしかないし、そう考えると目の前にいざこざがあっても気が楽になるんじゃないかなって。だから、「どう生きていく?」って考えることがとても大事な気がして、その意味も込めて「Q」にしました。

らな 大きく「人生」というテーマを考えてみても、結局人それぞれバラバラだし、その答えを押し付けるのも違うと思うんですよ。だからこの曲には答えがあるのではなく、「答えが何か」を考えるきっかけになればいい。それは自分たちもずっと問いかけ続けていることなので、「Q」というタイトルがすごく合っていると思います。

こうき ちょっと哲学的になってしまうんですが、さっきも言ったように僕らがどういう人間でありたいかっていうことを問い続けることが、芸術につながっていくと思うんです。自分たちにとってその表現手段が音楽であって、でも音楽に関係なくどういう人間であるかっていうことが大事なんです。

――なんだか壮大な話になってきましたが、こうきくんはいつもそういうことを意識しながら曲作りをしているんですか。

こうき けっこう考えますね。そんな風に考えることが好きなんです。

――たしかに音楽を作ることが目的になるのではなく、何のために音楽を作るのかを考えることは重要だと思います。

こうき こういうことをたくさん考えていて、その考えを音楽で表現できるということがすごく楽しいし幸せなんです。そういった意味においても「Q」は自分たちの考え方を反映できた一曲だと思います。

――これまでの話を聞いていると、ココラシカにとって「Q」は非常に重要な一曲だと言えるし、今年最初のシングルがこの曲だということにバンドの強い意志を感じます。

こうき 去年は本格的にプロとして活動し始めた第一歩だったと思うんですが、今年は何か結果に結び付けたいと思っています。だからと言って一発「ドカン!」と売れたいわけではなく、少しずつ着実に前に進んでいきたいですね。

らな そこは最初に言ったように、聴いてくださる方とのコミュニケーションも大事にして、少しずつ輪を広げていきたいと思っています。

こうき だから「Q」は、今後もっと実力がついて過去の曲を振り返ったときに、この曲があったらすごくいいなと思える一曲です。そういうスタンスでこれからも曲作りをしていきたいです。

<リリース情報>
4thデジタル・シングル
「Q」
配信中
配信リンク:https://lit.link/cocolashika

「Q」ジャケット

ココラシカ「Q」Official Music Video

<公演情報>
初ワンマンライブ『三原色』

3月20日(木・祝) 東京・渋谷Spotify O-Crest
開場17:30 / 開演18:00

【チケット情報】
3,000円(ドリンク代別)

【ココラシカ 関連リンク】
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@cocola_deer

Instagram::https://www.instagram.com/cocola_deer/

X:https://x.com/cocola_deer

TIkTok:https://www.tiktok.com/@cocola__deer