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綾瀬はるかを支える“愛の人”「お母さんに相談すると不思議と心が軽くなるんです」

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綾瀬はるか (撮影:奥田耕平)

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その日は、真冬とは思えないくらいあたたかい日だった。空は、雲ひとつない晴天。窓から射し込む柔らかな陽射しが、春のようなぽかぽかとした陽気を運んでくる。そんな冬日和も全部この人の魔法なんじゃないか、と思ってしまった。

女優・綾瀬はるか。彼女の周りは、いつも愛が溢れている。分刻みのスケジュールに追われても、彼女はもちろん、周りのスタッフもピリつく気配は一切ない。なごやかに談笑をまじえながら、ふんわりとその場の空気をあたためていく。それはまるで冬のひだまりみたいに。

ドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』のブレイクから20年余り。愛され続けてきた綾瀬はるかが、母からの愛について語った。

もっと人に愛をあげられる人になりたい

「野生の島に流れ着いたロズは、最初は『アイツは何だ』って島の動物たちから嫌われ者みたいな扱いを受けるんですけど、徐々にみんながロズのことを慕い、必要としていく。きっとそれはロズの純粋な愛がみんなの心を動かしたからなんですよね。ロズと動物たちの深い絆に感動しました」

ゆっくりと、一つひとつの言葉を選ぶように、綾瀬はるかは話す。2月7日(金) に公開された映画『野生の島のロズ』で、綾瀬はるかが命を吹き込んだのは、最新型アシスト・ロボットのROZZUM 7124――通称“ロズ”だ。アメリカで「アニメーション界のアカデミー賞」と称される第52回アニー賞で最多10ノミネートを受け、長編作品賞を含む9部門を受賞した超話題作である。

無人島に漂着したロズは、自らが仕えるべき主人を探す中、雁(ガン)の卵を拾う。やがて孵化した雛は、初めて見たロズを母だと思い込む。ロボットと雛鳥。大自然の中で育まれる不思議な母子関係が感動を呼ぶ、愛と冒険の物語だ。

「ロズは自分の命なんてまるで惜しむこともなく、人に愛を与える。あんなにボロボロになってまで誰かのために尽くすのはちょっと心配ですけど、でもきっとロズの与える愛の大きさにふれて、争い合っていた動物たちも心を通わせるようになったんじゃないかなと思います」

愛には、二種類ある。与える愛と、与えられる愛だ。

「多くの人は、人から与えられる愛をほしいと思ってしまうと思うんですけど、私自身が今いちばんワクワクするのって、この人のために何かできたらいいなって考えるときなんですね。もっともっと人に愛をあげられる人になりたいなって、最近すごく思うようになりました。そのためにも、小さなことでも何かしてもらったら、ちゃんと『ありがとう』ってお礼を言うとか、そういうことは心がけるようにしています」

上京して数年間はずっとお母さんは泣いていたそうです

一方で、与えられる愛の尊さを感じることも多い。

「この間、食当たりになっちゃって。たまたまお母さんがいてくれたので、ずっと看病してもらいました。この年齢になってもやっぱりお母さんの存在は大きいな、ありがたいなって感じますね」

母は、どんな存在か。その質問に綾瀬はるかは迷いなく答える。

「愛の人、ですね。何があっても絶対的な味方でいてくれる。私は結構気にしいなところがあって、今でもよく相談に乗ってもらうんですけど、いつもお母さんは『気にせんでいいよ。なるようになるけんね』って言ってくれるんです。お母さんにそう言ってもらうと、そかって不思議と心が軽くなるんですよね」

ロズは雛鳥にキラリと名づけ、冬が来る前に島を飛び立てるよう、空の飛び方を教える。『野生の島のロズ』は、母と子の巣立ちの物語でもある。

綾瀬はるかは、第25回ホリプロタレントスカウトキャラバンで審査員特別賞を受賞したことをきっかけに芸能界デビュー。故郷の広島から飛び立つとき、その胸にはどんな思いがあったのだろうか。

「それがあんまり覚えていないんですよね。学校の友達から色紙をもらって、新幹線まで見送りに来てくれたことは覚えています。あ、あとおばあちゃんから長い手紙をもらって、その手紙は今でも大事にとってあるんですけど、自分がそのときに何を考えていたのかは記憶がぽやっとしていて(笑)。確かお母さんは泣いてたんじゃないかな。まだ16(歳)で早かったのもあって、家族はすごく反対だったんですよ。寂しかったみたいで、ずっと何年も泣いて過ごしていたって後になって聞きました」

巣立ちが辛いのは、羽ばたく子よりも見送る親のほうなのかもしれない。だが、子もまた親元から離れたことで、親の愛を感じる機会が増える。

「上京してからは毎日お母さんに電話していました。お母さんはすごく明るい人なんです。だから声を聞くだけで励まされるというか。落ち込んだときも、お母さんの声を聞いて自信を取り戻すことは何度もありました」

演じる役のことを誰よりも好きでいたい

心を持たないロボットだったはずのロズが、キラリと出会い、島の動物たちと関わっていく中で、少しずつ心を宿していく。その繊細なグラデーションを、綾瀬はるかは声のみの演技で鮮やかに表現した。

「最初の頃のロズは感情を持っていないので、合成音声のような、ちょっと高くて明るい声を意識しました。そこから母性に目覚めていく中で、喋り方も、単なる敬語じゃない、本当の人間みたいになっていく。次第に体力も落ちていくので、それに合わせてちょっとずつ声を低くして。私自身も発声にとらわれるのではなく、心で演じていこうという感覚に切り替わっていきました」

心で演じる。それは、彼女の芝居のポリシーの一つと言っていいかもしれない。

「演じるときは、その役のことを誰よりも好きでいたい。この役に生まれ変わってもいいぐらいの気持ちで向き合うようにしています」

役への愛に目覚めたのは、出世作である『世界の中心で、愛をさけぶ』から。白血病の女子高生・廣瀬亜紀との出会いが、綾瀬はるかの役者人生を変えた。

「私にとって初めての大きなドラマで、死に向かっていく役どころ。中途半端な気持ちで向き合うことはできませんでした。役と向き合えば向き合うほど、役と自分が重なり合う瞬間が生まれて、これが演じるということなんだと思ったし。どうせやるなら、100%全力でやったほうが自分も満足できるし、後悔しない。そこからいただく役のことは本気で大好きになろうって決めました」

新人の私を育ててくれたのが、当時のマネージャーさんでした

ロズやワシのサンダーボルトに見守られながら、キラリは飛ぶことを身につけていく。役者として雛鳥だった綾瀬はるかにもまたロズやサンダーボルトのような人がいた。

「当時はよくマネージャーさんに本読みに付き合ってもらっていました。そのときに教えてもらったのが『感情は波みたいに途切れず続いていくもの。だから泣くシーンで仮に泣けなくても、とにかく感情でやりなさい』ということで。私はいわゆるお芝居の稽古をちゃんとしたことがないままこの世界に入ったんですけど、出会ったいろんな人がお芝居とはどういうことかを教えてくれました」

「じゃあそのマネージャーさんは東京の親みたいなものですね」と声をかける。
「今はちょっとえらい人になっていて。でも会うと全然変わらないんですよ。私のお芝居について良かったら『今のすごく良かったよ』って言ってくれるし、良くなかったときは『どういう感情でやってたの』って聞かれます(笑)。そう考えると、私にとってすごく大きな出会いだったのかもしれない。その人がいなかったら、今このお仕事をしていなかったかもしれないですし」

自らの母のことを“愛の人”と呼んだが、綾瀬はるかもまた“愛の人”だろう。たくさんの人の愛を一身に受けて、その体いっぱいに愛が溢れている。だから、綾瀬はるかを見ると、ついニコニコしてしまう。綾瀬はるかが幸せだと、みんながうれしくなる。

最後に「もし綾瀬さんがロズを購入したら何をしてもらいますか」と尋ねると、とびきりチャーミングな表情で彼女は答えた。

「小さなコテージを一緒につくりたいですね。プチ別荘みたいな。そこでみんなで集まってUNOとかトランプがしたい。え? わざわざコテージまで来てすることじゃない? あはは。確かにそうですね(笑)」

いつまで経っても変わらない、屈託のない笑顔。やっぱり綾瀬はるかは“愛の人”だ。

取材・文:横川良明 撮影:奥田耕平
ヘア:ASASHI(ota office)、メイク:Asami Taguchi(home agency)、スタイリング:中澤咲希

<作品情報>
『野生の島のロズ』

2025年2月7日(金) 全国ロードショー

監督・脚本:クリス・サンダース
製作:ジェフ・ハーマン
音楽:クリス・バワーズ 原作:「野生のロボット」福音館書店刊(ピーター・ブラウン 作・絵、前沢明枝 訳)
原題:THE WILD ROBOT/アメリカ/カラー/2024年/102分/スコープサイズ/ドルビーデジタル
字幕翻訳:林完治/吹替翻訳:桜井裕子
配給:東宝東和、ギャガ

日本語吹替えキャスト:綾瀬はるか(ロズ)、柄本 佑(チャッカリ)、鈴木 福(キラリ)、いとうまい子(ピンクシッポ)千葉 繁(クビナガ)、種﨑敦美(ヴォントラ)、山本高広(パドラー)、滝 知史(サンダーボルト)、田中美央(ソーン)、濱﨑 司(赤ちゃんキラリ)

本国声の出演:ルピタ・ニョンゴ(ロズ)、ペドロ・パスカル(チャッカリ)、キット・コナー(キラリ)、キャサリン・オハラ(ピンクシッポ)、 ビル・ナイ(クビナガ)、ステファニー・シュウ(ヴォントラ)、マット・ベリー(パドラー)、ヴィング・レイムス(サンダーボルト)、 マーク・ハミル(ソーン)ほか

(C)2024 DREAMWORKS ANIMATION LLC.

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