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三谷幸喜が「冒険」と語る、東京サンシャインボーイズの復活公演開幕 『蒙古が襲来』初日トークセッションレポート

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『蒙古が襲来 Mongolia is coming』初日トークセッションより、作・演出の三谷幸喜(中央)と出演者の面々 (撮影:細野晋司)

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「東京サンシャインボーイズ」の復活公演『蒙古が襲来』が、2月9日、東京・PARCO劇場で開幕。初日の本番前には、作・演出を務める三谷幸喜、出演者の相島一之、阿南健治、小原雅人、梶原善、甲本雅裕、小林隆、近藤芳正、谷川清美、西田薫、西村まさ彦、野仲イサオ、宮地雅子、吉田羊が登壇し、マスコミ向けのトークセッションが行われた。

三谷が学生時代に旗揚げし、「東京で一番チケットが取れない劇団」と言われるまでの成長を遂げた東京サンシャインボーイズ。だが人気絶頂だった1994年、30年の充電期間に突入し、実質解散状態となっていた。当時について三谷は、「僕自身は脚本家なので、芸能事務所の社長さんみたいなことは当然出来ない。だったら今解散して、事務所の人たちにみんなを雇ってもらったら、役者としてもっとステップアップしていけるんじゃないか。そんな想いで解散に踏み切りました」と振り返る。

劇団最古参の梶原からは、今回の公演が実現するに至った経緯の説明が。当時の制作スタッフ陣の尽力や、コロナ禍に近藤の提案で実現した、『12人の優しい日本人』の朗読配信などが大きく影響したと言う。

続いて三谷が明かしたのは、新作『蒙古が襲来』にかける思い。「まずなにをやるかを考えました。僕らがかつてやっていたような、みんなが一致団結してことに当たり乗り超えていく、みたいなコメディにするのか。昔やったものをリメイクするのか。でもどうせみんなが集まるならば、なにか新しいものをやりたいという気持ちが僕の中にありまして。もちろんみんな30年歳を取っているので、以前のようなパワーはありませんが、今までの経験という蓄積がある。そこで今の僕らだからこそ出来る芝居、僕らにとって冒険でもある、新しい題材の芝居を作ってみようと思いました」。

舞台は鎌倉時代、対馬のとある漁村。なにもない、普通の朝の様子が描かれていくが、唯一違うのは、蒙古襲来という大事件が間もなく起ころうとしているということだ。まず三谷が見どころとして挙げたのは、2002年に急逝した劇団員・伊藤俊人の声での出演。過去の音源を使用しての参加ということで、昔からのファンにはなんとも感慨深いシーンとなるだろう。また作品のテーマ曲『ドンちゃんの歌』は、甲本の実兄である甲本ヒロトが制作。キャスト全員がラストシーンで歌い上げるとのことだ。

そしてもうひとつ大きな見どころが、日本を代表する俳優のひとりに成長した吉田が、劇団の研究生として参加していること。実は吉田、2009年にシアタートップスの閉館イベントとして上演された『returns』、前出した『12人~』の配信にも出演している。改めて本作の稽古場での様子を振り返りつつ、「皆さんもともとたくさん引き出しがおありになるところから、この30年間でまたさらに引き出しが増えていらっしゃるんですね。そこで三谷さんが演出をすることでまたどんどん変わり、みるみる面白くなっていく。これを研究生の私が無料で見ていいんだろうかと、本当に贅沢な気持ちになりました」としみじみ語る。

さらにここで三谷による演出場面の披露があるとのこと。西村演じるオンゾと谷川演じるウツボの婚礼シーンだ。

トークセッションで披露された三谷による演出場面。しかしこのシーンは……
オンゾ(西村まさ彦)とウツボ(谷川清美)の婚礼シーンが披露されたが……

「じゃあ皆さんはいつもの感じで座ってもらって。で、ジンタ(=甲本)はウツボさんのことが好きだったんだけど、フラれて、寂しくこの辺で見ているって感じで」など、三谷がそれぞれの動きをパパパっとつけると、「用意、スタート!」と合図を出す。その途端、キャスト全員から「おめでとうございまーす!」と声があがり、いかにも婚礼といった華やかな場面が繰り広げられる。傀儡師ましら役の阿南には、「踊って、踊って」とさらなる演出も。と、「はい、ありがとうございました」とストップをかけた途端、「ちなみに本編にこのシーンはないですから」と三谷から衝撃のひと言が。一瞬にして劇場は大きな笑いに包まれた。

とはいえそのワンシーンだけでもわかる、30年ぶりとは思えぬほどの息の合いよう。東京サンシャインボーイズの新たなる伝説は、全国10都市、5月の沖縄公演まで続く。

取材・文:野上瑠美子 撮影:細野晋司

『蒙古が襲来 Mongolia is coming』本編舞台写真とキャストコメント到着!

■相島一之

毎日がすごく楽しいです。顔合わせから1ヶ月、稽古場は笑いに溢れていました。確かに僕らは歳をとった。あちこちにガタがきて、みんな何かを抱えながら稽古に臨んでいる。でもなんだろうこの心地よさは。みんなが必死に役と向き合い全力で芝居を作ろうとしている。演劇はみんなで作るものなんだね。そんな当たり前のことを噛み締めています。劇団って良いもんだな。お芝居って楽しい! そう思ってもらえるよう全力を尽くします!

■阿南健治

私の役は、綺麗な派手目の着物を着て色々と楽しんでいて、より深く人間をとも思いつつ、三十年ぶりの新たな大舞台を大きく意気込んで大きなワンステップとして何かを刻みたいとも思っています。
お客さん達へは、蒙古が襲来した事を楽しみながらで、感じる事が出来るかもで、13人の俳優をそれぞれ色々と細かく観て楽しんでくださいませ。

■小原雅人

与えられた自分の役割をしっかりと熟し内に秘めた情熱はしっかり燃やし千秋楽までの日々に努めたいと思います。
大丈夫。スクラムはガッチリ組まれてます。
全国ツアーで30年振りの思いを劇場までわざわざ足を運んで頂いた皆様おひとりおひとりにお届けしたいと思います。どうぞお楽しみ下さい。

■梶原善

30年の時を経て、僕達の舞台の稽古が新年早々から始まった。
稽古場の雰囲気はみんな年を食ったせいかとても穏やかでなんだかお互いいたわりの空気が流れていた。
笑い声もよく聞こえたように思う。
そんな中日々コツコツと稽古は続いた。コツコツとしかしウチの芝居はほぼ出づっぱりと言う事はずーっと稽古。
「じゃ―頭から」と演出の声…
「アタマからか…」と僕。
コツコツときづきあげた30年ぶりぶりの僕達の芝居、楽しんで頂けると幸いです。

■甲本雅裕

30年の時を経て、この劇団の一員として舞台に立てる喜びをかみしめつつ稽古に通う毎日。
稽古場に着くと、そこは戦場。
苦しみ、もがき、ヘトヘトになりながら稽古に励んでいます。
でも不思議と皆んなの顔は笑ってる
三谷さんの脚本、演出、劇団員と今しかできない舞台を作る為、ほぼ60オーバー達が全力でぶっ飛ばして参ります!
ご覧になられる、お久しぶりや初めましての皆さん
30年ぶりに東京サンシャインボーイズはじめました。

■小林隆

復活公演開幕に向けて出演者一同、渾身の力を振り絞って稽古に励んで参りました。
いよいよ幕が上がります 。御声援の程よろしくお願い致します。

■近藤芳正

稽古は、連日発見がある日々でした。
懐かしい瞬間があったり、新しい刺激だったり、ほっとしたりワクワクしたり、成長を感じたり、変わらなさに笑ったり、 歳行って身体が動かなくなった分、お互いを労わる気持ちもあったり。
なんだろう、この感覚は初めてだし、もう二度と味わえないないであろう貴重な貴重な愛おしい日々でした。
さてさて本番では、どんな発見が? 長〜い航海に出る気分です。

■谷川清美

このメンバーで、この空間で、今ここにいる全ての人たちと過ごす、二度とない時間を心に刻みつけ、味わいつくしたいと思います。
東京サンシャインボーイズの復活公演を楽しみに待っていてくださったみなさんと創る『蒙古が襲来』。
どんな作品になるのかわくわくします。
心震える舞台を届けられるようがんばります。
ご来場お待ちしてます。

■西田薫

稽古場にいる時間が幸福で、このままずっと稽古をし続けたいと思いましたが、この先にはもっと面白いことが待っているはずだと本番に向かいます。30年分の充電放出作品。楽しんで頂けたら嬉しいです。
今という時を大切に、勇気うたう人になりたい。新たな一歩を踏み出そう。

■西村まさ彦

30年振りに劇団のメンバーと一緒に演劇ができる事とても興奮しています。
見てくれはあの頃とずいぶん変わってしまいましたが、舞台に立つ時は、あの頃と同じ思いで舞台に挑みます。

■野仲イサオ

えー30年ぶりってことですからね。そりゃあまあ、自然と意気込みますな。
意気込みと言えば、
研究生の頃、シェイクスピアの[恋の骨折り損]のビローンと言う役をやることになっんですが、結構長いセリフがありましてね。
それで、あるイギリスの大スターが貧乏なころ、ひどい空腹で舞台に立ったところ、演技に思いもかけない凄みが出たと書いていましたから、私も真似して腹ペコで臨みました。凄い芝居をみせてやろうと。
結果は腹に力がはいらず、ヘナヘナ。凄みどころかシオシオノパー。
これを教訓に、45年間、意気込み方を模索中であります。

■宮地雅子

稽古場のあちこちから、「どっこいしょっ」が聞こえてきます(笑)
30年経って、パワーやスピード、骨密度は衰えました。
でも、違う何かは増えました。
間違い無く、今のみんなが、最強です。
私自身が、心から楽しみにしています。
劇場にて、お待ちしております!

■吉田羊

15年ぶりの稽古場では、ブランクを感じさせないスピードでみるみると舞台が立ち上がって行き、三谷さんの1に10で応える猛者たちが魅せるサンシャインワールドに、研究生の私はただただ口を開けて魅入る毎日でした。しかし楽しんでばかりもいられない、いよいよ開幕だ。お客様が入れば更に進化していくであろう先輩たちとのお芝居は、間違いなく毎日が一期一会となりそうです。舞台と客席が一体となる瞬間が、今から楽しみでなりません。皆様、劇場でお待ちしています!

舞台写真撮影:細野晋司

<公演情報>
パルコ・プロデュース2025
東京サンシャインボーイズ 復活公演
『蒙古が襲来』

作・演出:三谷幸喜

出演:
相島一之 阿南健治 伊藤俊人 小原雅人 梶原善
甲本雅裕 小林隆 近藤芳正 谷川清美 西田薫
西村まさ彦 野仲イサオ 宮地雅子 吉田羊

【配役】
ニラブ(漁師) 梶原善
カメ(ニラブの妻) 宮地雅子
トラジ(カメの兄) 相島一之
おばば(歩き巫女) 吉田羊
タマオ(トラジの幼馴染)小林隆
オンゾ(トラジの父) 西村まさ彦
ましら(傀儡師) 阿南健治
きんば(傀儡師) 西田薫
ウツボ(オンゾの妻) 谷川清美
ウンジ(隣村の村長) 野仲イサオ
ジンタ(カメの元恋人) 甲本雅裕
ゴングージ(権宮司) 近藤芳正
サカザキ(鎌倉武士) 小原雅人
九条実実(大宰府から来た客人) 伊藤俊人
どんちゃん(たぶん鶏)

【東京公演】
2025年2月9日(日)~3月2日(日)
会場:PARCO劇場

【岡山公演】
2025年3月7日(金)~3月9日(日)
会場:岡山芸術創造劇場ハレノワ中劇場

【京都公演】
2025年3月13日(木)~3月16日(日)
会場:京都劇場

【長野公演】
2025年3月21日(金)~3月23日(日)
会場:まつもと市民芸術館 主ホール

【宮城公演】
2025年3月28日(金)~3月30日(日)
会場:電力ホール

【北海道公演】
2025年4月3日(木)~4月6日(日)
会場:札幌市教育文化会館 大ホール

【大阪公演】
2025年4月11日(金)~4月14日(月)
会場:SkyシアターMBS

【愛知公演】
2025年4月18日(金)~4月20日(日)
会場:穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール

【福岡公演】
2025年4月25日(金)~4月28日(月)
会場:キャナルシティ劇場

【沖縄公演】
2025年5月3日(土・祝)~5月5日(月・祝)
会場:那覇文化芸術劇場なはーと 大劇場

公式サイト:
https://stage.parco.jp/program/mouko/

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