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ケムリ研究室no.4『ベイジルタウンの女神』- ケラリーノ・サンドロヴィッチ&緒川たまきの「ケムリ研究室」で、古田新太が乞食の"王様"役に!

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左からケラリーノ・サンドロヴィッチ、緒川たまき、古田新太 (撮影/石阪大輔)

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ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)と緒川たまきによるユニット「ケムリ研究室」が、2020年に第1弾として上演した『ベイジルタウンの女神』を再演。お嬢様育ちの女社長が貧民街「ベイジルタウン」の再開発を巡って賭けをすることから巻き起こるファンタジックコメディだ。そこでKERAと緒川、そして今回、王様役を新たに務める古田新太に、今作への想いを聞いた。

――2020年に「ケムリ研究室」の第1弾として上演された『ベイジルタウンの女神』ですが、5年を経て再演を決められた理由は?

KERA 再演とか人のホンをやる時に必ず聞かれる質問ですけど、明確な意図なんてないんですよ(笑)。ただ初演の2020年はコロナ元年とも言える年で、半分しかお客さんを入れられなかった。稽古に関してもどうしてもバタバタだったので、もう一回ちゃんと、じっくり作りたいと思って。あとはまぁ、とても楽しい芝居ですからね。

緒川 そうですよね。だから「またやりたい」って気持ちが一番強いのかもしれません。あと俳優として再演というのはとても光栄ですし、嬉しい作業なのですが、ケムリ研究室における私の立場は出演者だけではなくて……。

KERA 緒川さんはケムリ研では半分プロデューサー的なポジションですからね。とは言え初演の時は旗揚げだったこともあって、若干手探りというか、恐々なところがあった。

緒川 初めてのコロナ禍における稽古で、いかにコミュニケーションを控え目にしつつ、詰めるところは詰めるのか。というのも、キャストの皆さんのオリジナルの人間味みたいなものがいかに自由に外に出てくるか。いかに伸び伸びと、その方の魅力を発揮していただけるか。それがケムリ研究室の作品を立ち上げる上で、最も大事なことで。そのためになにが私にできるのか、今回はより考えていきたいと思います。

――古田さんは、前回仲村トオルさんが演じられた“王様”役を新たに務められます。お話があった時の心境は?

古田 KERAっちとたまきちゃんがいきなり来て、「『ベイジル~』やるんだけど出ない?」って言われたんです。で、「(スケジュールが)空いてたら全然いいよ」って返したら、「ごめん、古ちん(=古田)の嫌いな、いい話なんだけどいい?」って(笑)。

KERA (笑)。

古田 だから「別にいいよ~」って。そんな感じです。

緒川 本当に嬉しかったです。なんとか古田さんに「うん」と言っていただけるよう、願うような気持ちでお話しましたから。

KERA まぁその時の気分によるんだろうね(笑)。

古田 (笑)。

左からケラリーノ・サンドロヴィッチ、緒川たまき、古田新太

古田演じる“王様”は、まさかの初演版を完コピ!?

――“いい話”にも関わらずOKされた理由は?

古田 DVDで初演を見直したんですけど、結構ひどい奴がいっぱい出て来るんですよ(笑)。

緒川 生きるためにはひどいこともするっていうのが、あの世界観のひとつの要素になっていますからね。

古田 山内(圭哉)とか犬山(イヌコ)とか結構ひどくて。その山内にはえらい驚かれましたけどね。「古田さん、『ベイジル~』出るんですか!? いい話ですけどいいんですか!?」って(笑)。

KERA どう思われてるんだよ(笑)。まぁ俺とやった3本(=『犯さん哉』『奥様お尻をどうぞ』『ヒトラー、最後の20000年~ほとんど、何もない~』)がナンセンスでめちゃくちゃだっただけで、本来古田新太はオールラウンドな俳優だからね。

古田 山内に「トオルくん完コピするわ」って言ったら、「できるわけないでしょう!」って笑われたけど(笑)。

KERA そりゃ柄が全然違うから(笑)。

ケラリーノ・サンドロヴィッチ

――古田さん以外にも数名キャストが変更されていますが、脚本に手を加える予定はあるのでしょうか?

KERA 緒川さんとふたりで初演映像を見直してみると、やっぱり反省点もいろいろ出てきたんです。ファンタジーならファンタジーと、もっとくっきりさせられるんじゃないか、とか。あと古ちんに王様をやってもらうとなると、やっぱりちょっとイメージが違う。水野美紀演じる王様の妹・ハムとのやり取りのバランスも変わってきますし。そうしたこともあって、それなりに改訂したいと思っています。

――緒川さんが演じられるのは今回も、ベイジルタウンにたったひとりで乗り込むお嬢様・マーガレットですね。

緒川 マーガレットさんというのは、わりと人の善意にすがって生きているような人なんですね。その役の持ち味を大事にしながらも、片やケムリ研究室の一員としては、皆さんを支える、引っ張っていくような立場でもありたいと思っていて……。

KERA それ役とごっちゃになっているよ(笑)。

緒川 そうなんですけど、ケムリ研究室の現場ではそこはなかなか切っても切れないところで……。その両方を楽しめたらと思っています。

緒川たまき

――王様役として古田さんが今イメージされていること、役作りとして考えていることは?

古田 オイラは去年(劇団☆新感線の)劇団員生活40年になったんですけど、今まで“役作り”というものを一度もしたことがなくて。だからいまだ“役作り”がどういう意味なのかわかりません(笑)。

KERA じゃあしょうがないね(笑)。

緒川 仕方ないですね(笑)。

古田 はい(笑)。

古田新太

取材・文/野上瑠美子
撮影/石阪大輔

<公演情報>
ケムリ研究室no.4 『ベイジルタウンの女神』

【東京公演】
2025年5月6日(火・祝)〜18日(日)
世田谷パブリックシアター

【兵庫公演】
2025年5月22日(木)〜25日(日)
兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

【久留米公演】
2025年5月29日(木)・30日(金)
久留米シティプラザ ザ・グランドホール

【豊橋公演】
2025年6月6日(金)〜8日(日)
穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール

【新潟公演】
2025年6月14日(土)・15日(日)
りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館・劇場

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/kemuri-no4/

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