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現・帝国劇場最終公演が開幕 CONCERT『THE BEST New HISTORY COMING』華やかに上演中

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現・帝国劇場最終公演となるCONCERT『THE BEST New HISTORY COMING』ゲネプロより (撮影:荒川潤)

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帝国劇場(帝劇)のクローズを飾る、最後の演目『THE BEST New HISTORY COMING』が上演中だ。現・帝劇は1966年に開場。それから60年近くの間、演劇文化を華やかに彩ってきた。本作では帝劇で活躍してきたミュージカルスターが多数登場。歌と踊りを披露しつつ、その軌跡を辿る。2月14日のゲネプロの模様をお伝えしよう。

オープニングナンバーから圧巻だ。始まりは地下の楽屋口。俳優やスタッフ、関係者にとって、そして帝劇ファンの方々にとってもお馴染みの場所だ。進行役でもある井上芳雄がこのドアをくぐり、オープニング曲「THE 帝劇」を歌いながら登場。裏を通り、舞台に向かう様子が描かれる。「♪僕らの憧れの場所 それが帝国劇場」の歌詞に胸がギュッと掴まれた。俳優やクリエイター、そして観客にとっても、帝劇は特別な場所なのではないだろうか。「帝劇で今まで上演されたのは372作品、そのうちミュージカルは53作品……」と、キャストが次から次へと現れ、全てのミュージカルのタイトルを高らかに歌い上げる。最初はコート姿だった井上、最後にはキラキラのタキシードをまとって舞台の中央0番に立った。もうこれだけで高揚感はMaxだ!

冒頭、舞台上に再現された帝劇の楽屋口に登場した井上芳雄

演出を手掛けるのは山田和也(オープニング曲の歌詞原案も)。山田は20代の頃に舞台監督や演出助手を務め、2000年頃から帝劇作品で演出を始めた、いわば帝劇を知り尽くした男。本作でもセリや盆などの機構、間口の広い舞台が存分に使われ、上演されたミュージカル53作品のナンバー全てを網羅。最後に余すところなくお見せしようという心意気が伝わってきた。キャストが随所でそれぞれの自己紹介と共に、帝劇の思い出と歴史を語るのも良い趣向だ。

佐藤隆紀(LE VELVETS)。楽曲披露の間には出演者それぞれが帝劇との思い出を披露
帝劇との思い出を語る平野綾

『天使にラブソングを〜シスター・アクト〜』『1789 -バスティーユの恋人たち-』『ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル』ではダンスも含め、華やかにショーアップ。『天使~』は森公美子+女性キャスト全員で、森が帝劇で初主演を務めたデロリスから始まることに感無量。このシスターのパートはこの人が!という意外性も楽しめる。

森公美子は帝劇で初主演を務めた『天使にラブソングを〜シスター・アクト〜』のナンバーを披露
2年連続で出演した『ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル』のナンバーを披露する甲斐翔真

そう、『THE BEST』の魅力のひとつは、本役の俳優による練り込まれた歌唱と、その作品には出演していない俳優がこの曲を歌う!?という驚き、その両方が入り混じるところ。観ていると、観劇時の思い出が鮮やかに蘇ったり、逆にこのキャストで観たかった!みたいな発見もある。歌の間に舞台写真が投影されるのもツボで、個人的な思い出とも相まって、心の中は感情のごった煮状態。それでも続く名曲の嵐、まさに至福の時である!

『ミス・サイゴン』のナンバーを披露する昆夏美と小野田龍之介
井上芳雄と生田絵梨花は『ルドルフ ザ・ラスト・キス』のデュエット曲を

恋人たちのデュエット曲では『ミス・サイゴン』『ガイズ&ドールズ』『ルドルフ ザ・ラスト・キス』。『ミス・サイゴン』の小野田龍之介&昆夏美で推しクリスと推しキムに感涙し、『ルドルフ』井上芳雄&生田絵梨花で大好きな作品とワクワク(上演熱望!)。また『マイ・フェア・レディ』イライザを島田歌穂がチャーミングに歌い、キャストたちによる客席降りも。『王様と私』ではアンナを涼風真世、王様を三浦宏規という、ここでしか観られないだろう新鮮な組み合わせで客席を沸かせた。『ジャージー・ボーイズ』も浦井健治&小野田龍之介&甲斐翔真&宮野真守というスペシャルな4人。斬新なキャストから一転、『モーツァルト!』で井上芳雄、『レ・ミゼラブル』で島田歌穂とオリジナルキャストによる伝説再び!だ。

『王様と私』のナンバーを披露する涼風真世と三浦宏規
浦井健治。キャストたちによる客席降りも!
ミュージカル指揮者で本公演の音楽監督も務める塩田明弘氏が客席降り(!)し、井上芳雄が指揮棒を振る場面も
『ジャージー・ボーイズ』のナンバーを披露した甲斐翔真、浦井健治、宮野真守、小野田龍之介(左から)
『マイ・フェア・レディ』のナンバーをチャーミングに披露する島田歌穂(中央)

鹿賀丈史・松たか子・大地真央。豪華ゲストが思い出の楽曲を披露 最後はビッグナンバー目白押しメドレーで大団円!

第2幕冒頭を飾った帝劇メドレーより、『エニシング・ゴーズ』の楽曲を披露する森公美子(中央)

2幕は帝劇メドレーから始まり、一人目のゲストである鹿賀丈史が登場。『レ・ミゼラブル』のオリジナルキャストで、バルジャンとジャベールを演じた鹿賀は『ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち』から「砂に刻む歌」、『レ・ミゼラブル』から「スターズ」を熱唱。これを今、帝劇で生で聴ける、そのありがたさ! 鹿賀はトークで、『レミゼ』のバルジャンは銀座の鮨屋のおやじをモデルにして稽古していたと、意外なエピソードを明かした。

ゲストの鹿賀丈史は自身が出演した『ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち』と『レ・ミゼラブル』の楽曲を

そして二人目のゲストは松たか子。父である松本白鸚が1969年から2023年まで長きにわたり演じた『ラ・マンチャの男』、その代表曲「見果てぬ夢」を歌った。この選曲に感動すると共に、力強く迷いのない歌声に松の神髄を感じた。歌の前、父の映像に一礼した姿も忘れられない。

二人目のゲスト、松たか子は『ラ・マンチャの男』の代表曲「見果てぬ夢」を熱唱

そして帝劇オリジナル ミュージカル・メドレーの間には、スクリーンに森繁久彌や浜木綿子、倍賞千恵子、本田美奈子.など、帝劇を彩ったレジェンドたちが映し出された。帝劇はかつて和物芝居やストレートプレイも豊富で、時代の変遷を感じることができた。

スクリーン映し出されたレジェンド俳優たちの姿と共に、帝劇の歴史を感じられる演出も
三人目のゲストとして登場した大地真央は、『風と共に去りぬ』出演時の貴重なエピソードも披露

三人目のゲストの大地真央が黄色いドレス姿で現れた。帝劇ミュージカルを牽引した華そのもので、『サウンド・オブ・ミュージック』のタイトル曲と『マイ・フェア・レディ』メドレーを艶やかに歌い切った。大地は『風と共に去りぬ』に出ていた本物の馬との交流話を披露。「帝国劇場アニバーサリーブック」に『風と共に去りぬ』初演時の馬の仕掛けについて書かれているが、新帝劇に本物の馬が出るチャンスはあるだろうか?

『エリザベート』のナンバーを披露する井上芳雄と涼風真世

ラストには『エリザベート』『ミス・サイゴン』『モーツァルト!』『レ・ミゼラブル』と帝劇の大作からビッグナンバーがずらり。演じ歌い、時に舞う、ミュージカル俳優たちの本気と凄み。それを支えてきた帝劇という器には感謝しかない。帝劇がしばしなくなる寂しさ、同時に新帝劇への期待も高まる。

約3時間30分(休憩含む)、帝劇で上演されたミュージカル全53作品のナンバー全64曲を披露

キャストとゲストが入れ替わるので、何度観ても楽しめるはず! 濃く熱い『THE BEST』、チケットは売り切れているが、配信があるのでぜひご覧ください。

取材・文:三浦真紀 撮影:荒川潤

<公演情報>
帝国劇場CONCERT『THE BEST New HISTORY COMING』

構成・演出:山田和也
音楽監督・指揮:塩田明弘

出演:
■レギュラーキャスト
・全日程
井上芳雄/浦井健治/小野田龍之介/甲斐翔真/佐藤隆紀(LE VELVETS)/島田歌穂/三浦宏規/宮野真守

・A・B・Cプログラム
生田絵梨花(A/Bのみ)/木下晴香(Cから)/昆夏美/涼風真世/平野綾/森公美子

・D・E・F・Gプログラム
一路真輝/木下晴香/瀬奈じゅん/花總まり/屋比久知奈

家塚敦子/河合篤子/やまぐちあきこ/川口大地/中西勝之/中山昇/彩花まり/岩﨑亜希子/大月さゆ/可知寛子/樺島麻美/神谷玲花/輝生かなで/豊田由佳乃/原広実/玲実くれあ/岡崎大樹/感音/後藤晋彦/佐々木崇/砂塚健斗/田中秀哉/福永悠二/堀江慎也/丸山泰右/横沢健司/渡辺崇人

■ゲスト
・Aプログラム
鹿賀丈史/大地真央/松たか子

・Bプログラム
石丸幹二/加藤和樹/平原綾香/吉原光夫

・Cプログラム
伊礼彼方/駒田一/保坂知寿/松下優也/山口祐一郎

・Dプログラム
朝夏まなと/和音美桜/中川晃教/山崎育三郎

・Eプログラム
石川禅/城田優/堂本光一/前田美波里

・Fプログラム
石井一孝/上白石萌音/別所哲也
新妻聖子/望海風斗(25日のみ出演)
有澤樟太郎/海宝直人/濱田めぐみ/愛希れいか(26日のみ出演)

・Gプログラム
市村正親/今井清隆/鳳蘭/笹本玲奈/田代万里生

日程:2025年2月14日(金)~2月28日(金)
会場:東京・帝国劇場
※LIVE配信、ライブビューイングあり

ライブビューイングチケット情報:
https://w.pia.jp/t/thebest-lv/

公式サイト:
https://www.tohostage.com/THEBEST/

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