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丸山隆平、初の本格時代劇『浪人街』で酒浸りのダメ男&華麗な殺陣を熱演!

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舞台『浪人街』初日前会見より

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丸山隆平主演の舞台『浪人街』の開幕を前に2月19日、東京・新橋演舞場にてゲネプロの模様が報道陣に公開され、その後、丸山らが取材に応じた。

1928年(昭和3年)に公開され、幾度もリメイクされてきた映画『浪人街 第一話 美しき獲物』を倉持裕の脚本で舞台化。安政時代の江戸を舞台に、酒と博打に明け暮れる浪人・源内(丸山)をはじめ、主人を持たぬ浪人、盗賊などのはみ出し者たちが、悪徳な旗本に立ち向かうさまを描き出す。

丸山にとって、初の本格時代劇挑戦となるが、演じる主人公の浪人・荒牧源内は何とも特異なキャラクター。着流し姿でボサボサの長い髪をなびかせ、舞台上でのほとんどの時間を泥酔して足元もおぼつかぬ、呂律が回らない状態で過ごしており、金もなく周りにタダ酒をせびり、悪態をついて人々の神経を逆なでにし、いらぬケンカを売られてしまうという、正統派の剣客ヒーローとは正反対のダメ男と言える。

冒頭のシーンでも、騒がしい居酒屋で既に泥酔した状態で登場し、勝手に他人の酒を飲み、しかも、支払いの段階になって財布を取り出すも、中身は空っぽというひどい有様。“ろくでなし”を絵に描いたような男を丸山が飄々と魅力的に演じている。

舞台『浪人街』より

源内以外の登場人物たちも、いずれも個性的でキャラクターが立っている。源内の妻で、ろくでなしのこの男に貢がされ続けながらも、縁を切れずにいるお新(玄理)、酒場でのケンカをきっかけに源内と知り合う同じく浪人の赤牛(入野自由)に、母衣(入江甚儀)。寂れた長屋に暮らす孫左衛門(板尾創路)とその妹のおぶん(藤野涼子)は、主家に帰参する望みを捨てきれず、物乞いをしながら食いつないでいる。

彼らが対峙する“悪役”もまた魅力的。旗本の小幡伝太夫(神保悟志)とその弟の七郎右衛門(矢柴俊博)は、屋敷の裏売買を企み、そのためにお新の父親代わりともいえる存在であり、浪人たちを常日頃から何くれとなく支えていた居酒屋の亭主・藤兵衛(佐藤誓)に盗みの罪をなすりつけ、殺してしまう。恩人を惨殺されたお新らは復讐に燃えるが……。

原作の『浪人街 第一話 美しき獲物』は、数十名による“集団殺陣”というジャンルを切り拓いた作品として知られるが、本作もやはり、集団での殺陣が大きな見どころとなっており、特にクライマックスの決戦は圧巻! それまで、周囲にケンカを吹っ掛けられてものらりくらりとかわしていた源内だが、お新が捕まったと聞いて、伝太夫らが待ち構える森へと赴く。伝太夫の家臣たちに囲まれながらも、舞うような華麗な剣技で敵を斬り倒していく。それまでの酒浸りのダメ男っぷりはどこへやら、諸肌を脱いで、剣をふるう姿は雄々しく、美しい。演舞場の広い舞台を最大限に活かしながら、観る者を楽しませてくれる。

舞台『浪人街』より
舞台『浪人街』より

ゲネプロ後の取材には、丸山、玄理、板尾、そして演出の一色隆司が登壇。ここまで約1カ月間、みっちりと稽古を積んできたとあって、初日を前に丸山は「江戸に生きる浪人たちの生き様にどっぷりと浸っていただけるものができていると思います。稽古で一色さんに育てていただいて、スタッフ一丸となって作ったものを欲張らず、届けるだけです」と落ち着いた口調の中に自信をうかがわせる。一色も「とても素敵な源内をつくってくれましたし、芝居も殺陣もすごいです。丸山さんの代表作になるんじゃないかと思います」と称賛の言葉を口にし、丸山も「僕もそのつもりでやっています」と言葉に力を込めた。

舞台『浪人街』初日前会見より

板尾は、劇中では笑いを封印し、融通の利かない真面目一徹な浪人を演じているが、取材会では開口一番「中村主水役の東山紀之です(笑)」とボケて、すかさず丸山から「うちの大先輩ですよ!」とツッコミが飛ぶ。板尾も殺陣を披露しているが「61歳なので、みんなと次元の違う体力のなさで……(苦笑)。今日、初めて呼吸が苦しくて“口がふたつあったらいいな”と思いました」と息も絶え絶えの様子。丸山も「殺陣の稽古で酸素不足になります……。(稽古を)本当に地味にやっています」とうなずき、苦労をうかがわせた。

最後に丸山は「いまの時代、この世の中に、由緒正しき新橋演舞場に観に来てくださったみなさんに、この作品がどんなふうに刺さり、どう持ち帰っていただけるのか? 僕らも客席で観てみたい作品に仕上がったと思います。新しい『浪人街』が誕生したと思うので、ぜひ劇場に足を運んで、当時といまの時代を照らし合わせながら、思いを巡らせていただければ」と呼びかけた。

舞台『浪人街』初日前会見より

『浪人街』は3月16日(日) まで新橋演舞場にて、3月21日(金) より28日(金) まで愛知・御園座にて、4月2日(水) より10日(木) まで京都・南座にて上演。

取材・文・撮影:黒豆直樹

<公演情報>
舞台『浪人街』

原作:山上伊太郎

【配役】
荒牧源内:丸山隆平
お新:玄理
赤牛弥五右衛門:入野自由
おぶん:藤野涼子
母衣権兵衛:入江甚儀
藤兵衛:佐藤誓
小幡七郎右衛門:矢柴俊博
小幡伝太夫:神保悟志
土居孫左衛門:板尾創路

2025年2月20日(木) ~3月16日(日) 東京・新橋演舞場
2025年3月21日(金) ~28日(金) 愛知・御園座
2025年4月2日(水) ~10日(木) 京都・南座

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/roningai/

公式サイト:
https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/2025roningai_enbujo/

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