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ぴあ 総合TOP > ル・コルビュジエらの傑作14邸から住宅建築の革新的な試みを紹介『リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s』3月19日から 

ル・コルビュジエらの傑作14邸から住宅建築の革新的な試みを紹介『リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s』3月19日から 

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藤井厚二 聴竹居 1928年 撮影: 古川泰造

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1920年代以降、多くの建築家によって探求された機能的で快適な戸建て住宅に焦点をあて、その革新的で実験的なモダン・ハウスを多角的に紹介する展覧会が、3月19日(水)から6月30日(月)まで、東京・六本木の国立新美術館で開催される。

居間やキッチンを間取りの中心に据え、快適な衛生設備と家族の個室を備えた個人住宅は、今日からすれば、普遍的な住まいに見える。だが、歴史的に見ると、戦後に核家族が主流となるにつれて定着した比較的新しい住まいの形式だという。同展で紹介されるのは、当時の暮らしを根本から問い直し、快適性や機能性、そして芸術性の向上を目指した建築家たちが生み出した新しい住まいのための実験である。登場するのは、1920年代から70年代にかけて建てられたモダン・ハウスの傑作14邸を中心とした住まいだが、実はその多くは、ル・コルビュジエをはじめとする時代をリードした建築家たちが自邸として建てたものだ。国際的に隆盛したモダニズム建築の造形に呼応しつつも、建築家や住まい手の理想の生活を色濃く反映した個性あふれる住宅からは、機能や快適さの探求はもちろん、住まうことの楽しさへの真摯なまなざしも感じられる。

リナ・ボ・バルディ ガラスの家 1951年

同展では、こうした住宅をめぐる革新的な試みを、「衛生」「素材」「窓」「キッチン」「調度」「ランドスケープ」「メディア」という、モダン・ハウスを特徴づける7つの観点から再考していく。写真や図面、建築家自らのドローイングやスケッチ、模型、今もなお新しい家具や照明器具、テキスタイル、食器、雑誌、グラフィック、映像など、多彩な出品作品と洗練された会場構成を通じて、モダンな住まいを多角的に見られるのが同展の見どころのひとつである。

フランク・ゲーリー フランク&ベルタ・ゲーリー邸 1978年 Ⓒ Frank O. Gehry. Getty Research Institute, Los Angeles(2017.M.66)

もうひとつ注目したいのは、ミース・ファン・デル・ローエの未完のプロジェクトである「ロー・ハウス」の原寸大で実現したこと。今回は、1階の展覧会会場とは別に、天井高が8メートルある2階の企画展示室で、この大スケールの展示や名作家具の体験コーナーを楽しめる。入場無料のこちらの展示室では、VR体験ができるイベントなども行われる予定だ。

今から100年ほど前に実験的な試みとして始まった住まいのモダニティは、人々の日常へと浸透し、現代の私たちの暮らしの礎として、今もなお息づいている。今日の暮らしそのものを見つめ直す機会になるという点でも、意義深い展覧会である。

<開催概要>
『リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s』

会期:2025年3月19日(水)~6月30日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室1E / 2E
休館日:火曜(4月29日、5月6日は開館)、5月7日(水)
時間:10:00~18:00、金土は20:00まで(入場は閉館30分前まで)
料金:一般1,800円、大学1,000円、高校500円
※2階企画展示室2Eの展示は無料
公式サイト:
https://living-modernity.jp/

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