『北斎×プロデューサーズ 蔦屋重三郎から現代まで』3月18日より 大河ドラマで話題の蔦屋重三郎を中心に江戸の板元たちに注目
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葛飾北斎《冨嶽三十六景 凱風快晴》すみだ北斎美術館蔵(通期) ※半期で同タイトルの作品に展示替え
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すべて見る浮世絵師・葛飾北斎が生まれ、生涯のほとんどを過ごした墨田区に建つすみだ北斎美術館。同館では、2025年3月18日(火)より、北斎をプロデュースした江戸の板元たちに焦点を当てた展覧会『北斎×プロデューサーズ 蔦屋重三郎から現代まで』を開催する。
浮世絵というと現代では、まず絵師に注目が集まるが、浮世絵制作には絵師の描いた下絵を板木に彫る彫師と、それらを摺って作品を完成させる摺師も、絵師と同様に重要だった。彼等に仕事を依頼するのは浮世絵版画を出版・販売する板元である。売れる企画を考え、絵師の起用から彫師や摺師の指導まで行なった板元は、いわば総合プロデューサーである。彼等がいてこそ、北斎も世界的名作を生み出すことができたのだ。

たとえば今、大河ドラマの主人公として話題の板元・蔦屋重三郎。彼は当時「春朗」と名乗っていた、30代に入ったばかりの北斎に、主に錦絵や黄表紙などの挿絵を描かせ、蔦屋の2代目も、彼を狂歌絵本や黄表紙、絵手本などに起用した。有名な絵手本『北斎漫画』を手掛けたのは、名古屋の代表的な板元・永楽屋東四郎。《神奈川沖浪裏》など世界的な傑作を含む富士山を描いたシリーズ『冨嶽三十六景』は、庶民の富士山詣ブームに合わせて江戸の老舗板元・西村屋与八が出版し、爆発的なヒットとなった。
同展では、板元たちが、北斎をどのようにプロデュースし、どんな作品を世に送り出したかを辿り、同時に、現代の出版元たちが制作した、北斎からインスパイアされた現代アーティストの作品も紹介する。江戸時代から現代まで、浮世絵業界を支えるプロデューサーズの世界を楽しめるだけでなく、いつの世も人々にインスピレーションを与え続ける北斎作品の素晴らしさを、改めて実感できることだろう。

<開催概要>
『北斎×プロデューサーズ 蔦屋重三郎から現代まで』
会期:2025年3月18日(火)~5月25日(日) ※会期中展示替えあり
会場:すみだ北斎美術館
時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)
休館日:月曜(5月5日は開館)、5月7日(水)
料金:一般 1,000 円、大高・65歳以上700 円、中学300 円
公式サイト:
https://hokusai-museum.jp/HokusaiProducers/
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