まもなく開幕「瀬戸内国際芸術祭2025」 新エリアも加わり218組による256作品を公開、美術館連携プログラムも
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ヘザー・B・スワン+ノンダ・カサリディス《海を夢見る人々の場所》Photo: Keizo Kioku
「瀬戸内国際芸術祭2025」が、春(4月18日〜5月25日)・夏(8月1日〜31日)・秋(10月3日〜11月9日)の3会期に分けて107日間にわたり開催される。「海の復権」をテーマに、瀬戸内の島々が活力を取り戻すことを目指して3年に1度開催されるアートの国際展。今年は218組(うち初参加88)の作家・団体による、新作117作品、新展開19作品を含む全256作品が展示される予定だ。
「海の道」を念頭に、これまでもアジアとのつながりが強かったが、今回はさらにアジアの文化芸術の中核となることを目指す。小豆島の「瀬戸内アジアギャラリー」では、タイのジャッガイ・シリブートが、タイとミャンマーの国境付近の難民キャンプと世界中の有志の協力で制作した、旗を模したテキスタイル作品を展示するなど、見応えある展示が並ぶ。宇野港では、韓国のプ・ジヒョンが金属片を統合した大型インスタレーションを発表する。

また、ニュージーランドのサラ・ハドソンは、作家のルーツとなる(祖先が住んでいた)モウトホラ島と女木島に共通する「石垣」をつくる。北部のンガティ・アワ族、ンガイ・トゥホエ族、ンガティ・プケコ族にルーツを持つハドソンは、「第60回ヴァネチア・ビエンナーレ2024」で金獅子賞を受賞した女性アーティスト集団「マタホ・コレクティブ」のひとりでもある。

春会期のみの開催となる坂出市は「瀬戸大橋エリア」と名称を変更し、これまでの沙弥島と王越町に、新たに瀬居島が加わる。瀬居島では、アーティストの中﨑透のディレクションで、廃校などを活かして「瀬居島プロジェクト SAY YES」を実施。小瀬村直美、袴田京太朗、槙原泰介、早川祐太ら16人のアーティストが結集した。プロジェクト名は、中﨑が同地を訪れた際に、90年代ヒット曲のごとく「余計なものなどない」と感じたからだとか。さて、そこにアートが入ってどうなるか楽しみだ。

また、8つの美術館による「瀬戸芸美術館連携プロジェクト」として、香川県、岡山県、兵庫県の美術館が参加し、主に日本人作家の展覧会を開く。なお、春会期終了後の5月31日、会田誠、村上隆、N・S ハルシャら12組の作品が設置される「直島新美術館」が開館。さらに今回から新たに志度・津田エリア、引田エリア(いずれも夏)、宇多津エリア(秋)が加わる。瀬戸芸の動きから1年中、目が離せない。
<開催概要>
「瀬戸内国際芸術祭2025」
会期:
[春会期] 2025年4月18日(金)〜5月25日(日)
[夏会期] 2025年8月1日(金)〜8月31日(日)
[秋会期] 2025年10月3日(金)〜11月9日(日)
会場:瀬戸内の島々と沿岸部(全17エリア)
[全会期] 直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島、高松港周辺、宇野港周辺
[春会期] 瀬戸大橋エリア
[夏会期] 志度・津田エリア、引田エリア
[秋会期] 本島、高見島、粟島、伊吹島、宇多津エリア
公式サイト:
https://setouchi-artfest.jp/