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大貫勇輔&沢村玲が考える“幸せ”の定義「大切な存在を尊重することと自分の幸せを確立することはイコール」

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インタビュー

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左から)沢村玲、大貫勇輔 (撮影/梁瀬玉実)

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言葉の暴力に無自覚な夫。「見ていてイライラする」と突き放す同僚。 怒るどころか、言い返すこともできないヒロインの‘子宮’が恋をしたのは――。

衝撃的なタイトルに、思わずドキリとしてしまうが、本当は誰かを心から愛したい、そして愛されたいと願うあまりに少しずつ自身を狂わせていく男女4人の物語だ。
ヒロイン・苫田まき(松井愛莉)の同僚で自由奔放な山手旭を大貫勇輔、まきのモラハラ気味の夫・恭一を沢村玲(ONE N’ ONLY)が演じる。自身のパブリックイメージとは正反対とも思える男性をそれぞれ演じる大貫、沢村にインタビュー。「脚本を読んでいるとひどい人間しか出てこない」と大貫は笑ったが、作品をどのように自身に落とし込み、世界観を作り上げていったのか聞いた。

挑戦になるだろうな、と思った作品だった

――本作への出演が決まったときのお気持ち、またどのように役にアプローチしようと考えられましたか?

大貫勇輔(以下、大貫) あまりこういう普通のサラリーマンの役ってやったことがなかったんですよね。突然歌ったり、踊ったりするような変わった役が多くて(笑)。きっと新しい挑戦になるだろうな、と思っていたのですが、案の定、挑戦になりました。 山手はブラジル生まれでちょっと外国人気質。そして人たらしというか、女たらしのところがあって、それでいて憎めないところがある。塩梅をどうしようかな、というのは考えました。仕草、声のトーンだったり、表情だったり。あとは、わりと普通では言わないような言葉をいかに自然に言うか、とか。そこはものすごく練習しましたね。

――言い慣れない言葉というと?

大貫 例えば「見てるとイライラするんだよね」とか。違う言い方をしたらいいのに、ストレートにズバッと言うところですね。でも、それを「この人ならそう言うかもしれない」と思わせるレベルまで自分に寄せる作業が最初は難しいかな、と思っていたんです。でも、撮影初日に監督とも細かく精査して調整して、いいところを見つけられて撮影に挑めました。

――演じているうちに楽しくなってきたというところもありますか?

大貫 いやもうね……めちゃくちゃ楽しかったです。今回、12話を1ヶ月で撮ったんですけど、僕にとってはかなりのテンポ感だったんです。セリフ量もまあまああったので、セリフを入れて全て自分のものにしていくことが、かなり大変だったんですけど、そのヒリヒリした日々が僕は楽しかったですね。

――沢村さんは今回の作品、役どころについてはいかがですか? ちょっと怖さを感じるような部分もありますが。

沢村玲(以下、沢村) 役については、ただ単に冷たく見える人じゃないというか。学生時代の経験があって、その上で恭一の成り立ちがあります。それをしっかり理解しないと、恭一という役が伝わらないな、と思っていました。

――恭一からはわりとナチュラルにひどいセリフを言うような役ですが、その辺りの役作りはどうでしたか?

沢村 結婚式に参列する妻に向かって「葬式に行くみたいな格好」って言っちゃうような人ですからね、恭一は。そういう言葉を、奥さんにケンカを売るように狙って言うのではなく、恭一の場合は多分狙っていないんですよね。何の悪気もなく、言っているんです。そういうところも含めて、恭一の生い立ちについては少し意識しながら演じました。

大貫さんとのシーンは勉強になることばかりだった

――共演シーンは少ないかと思うんですが、お互いの印象はいかがですか?

大貫 まだそこまでしっかりとコミュニケーションを取れているわけではないんですが、本当に謙虚で真面目で。恭一ってすごく大変な役だと思うんですけど、そこに誠心誠意、丁寧に向き合っている。きっと苦しみながら前に進んでいるんだろうな、って撮影でお会いしたときには思いましたね。本当にしんどいシーンばかりで。

――確かに、恭一は静かに苦しんでいたり、もがき苦しんでいたり、いずれにせよ苦しい場面が多いですね。

大貫 僕はしんどいのは10話と11話ぐらいだったので、わりと毎回楽しくできたんですけど、大変だっただろうな、と。

――沢村さんはいかがですか?

沢村 大貫さんは映像も舞台もやられていて、勉強になるところがたくさんありました。印象、というよりは、どうやってこの芝居を学ぼうか、というところばかりに目が向いていましたね。
恭一と山手がふたりでもみ合うシーンがあるんですけど、例えば手の仕草だったり、話しかけ方だったり、距離の縮め方も意外と難しかったりして。勉強になることがたくさんありました。

俳優が命を吹き込むことで生まれるもの

――松井愛莉さんが演じるまきは、おふたりから見てどういった印象をお持ちですか?

大貫 実は台本を読んだときのまきは全然共感できなかったんです。わりと嫌いなタイプの女性でした。でも、松井さんが演じるまきは、応援したくなるというか……なんなんでしょうね。見ていると、「まきは自分の中にもいるかもしれない」って思わせてくれるんです。誰でも成り得る可能性がある存在がまきであるというか。
そもそも、脚本だけみると、まきも、恭一、寄島、山手も、みんな不器用ゆえにひどい人間に思えるんですよ。なんなら遊び人な山手が一番まともに見える。

沢村 それは確かに(笑)。

大貫 でも、山手も意外とやばいやつなんですよね(笑)。
だから不思議だな、と思って。俳優によって命が吹き込まれることによってこんなに感じ方が変わるケースがあるんだ、というのは新しい驚きでもあり、おもしろさでもありました。きっと、監督だったりカメラマンさん、照明さんだったりの力もあり、そして俳優の力もあり……全てが合わさったときに、脚本を読んでいたときには感じない新たな感覚が全ての役に吹き込まれてて、それがおもしろい発見になるのかもれしません。

沢村 僕から見ると、まきは黙っていることが優しさなんじゃないのかな、と思いました。でも、まきって多分極端に黙ってしまうんですよね、対話が必要なのに。それをさせないぐらい、恭一がひどいやつなんですけど。
そこに松井さんが演じると守りたくなるような部分が生まれるのかな、とは思いました。脚本でもそれは現れているんですけど、映像ではそれがよりきれいに映し出されているんじゃないのかな、と思いますね。

コミュニケーションにおける「大切にしていること」

――今回、コミュニケーションが少なかったことも夫婦の関係が悪化している部分もあるのかな、と。おふたりはプライベートでのコミュニケーションでどういったことを心掛けていらっしゃいますか?

大貫 聞くことを大事にしていますね。「聞く」が9に対して「話す」は1ぐらいを目指しています。うまくいかないことのほうが多いですけど、意識はしていますね。

――「今、少しコミュニケーションが足りなかったな」と感じることもありますか?

大貫 あります、あります。あとは、言いたかったことと、伝わっていることがズレていないかは気にしますね。自分では黄色に近い白を伝えているつもりだったのに、白として伝わっている、みたいな。その繊細さって、人と人との関係には重要だな、と思うんです。丁寧に言葉を使うようにしていますけど、難しいですね。

沢村 つい最近まで、自分が話したいことを話すというか、相手のタイミングとか、言いたいことを汲み取れずに話してしまうことが多かったんです。でも、俳優のお仕事をさせてもらったときに、相手のことを受け取って話すと自分も楽しいし、それが一番いいことなんだな、ということがやっと分かるようになってきました。
ライブのMCでも、自分の話したいことを言って、自分が目立ちたい、という気持ちが強すぎちゃって……過去の映像とか、観るのが恥ずかしいです。

――えっ、そうなんですか。

沢村 すごく恥ずかしいし、「なんでこのタイミングで話してんの?」っていうようなことも多いです(笑)。でも、最近は人のお話を聞いて、「こういう考えがあるんだな」と冷静に受け止められるようになりました。昔はとにかく焦っていましたね。すぐにテンパッてしまっていたので、意外とこのぐらい落ち着いていていいんだな、って。会話ってこういうのが大事なんだな、と思うようになりました。

――沢村さんはお話の中の情報量が多いイメージがありましたが……。

沢村 そういうのもちょっと抑え気味に(笑)。相手にとって楽しい情報を提供するように心がけています。「自分はこういうことを知っている」とか「こういう情報があるんだよ」じゃなくて、「おもしろそうだね」と言ってもらえるような話し方に変えるようには少しずつ意識しています。分かりやすさとか……。難しいですけどね。

それぞれが考える「結婚の難しさ」

――この作品を拝見していると、現代を生きる人にとって結婚が結末でもないですし、幸せでもないんだなと感じました。それを考えさせられる作品でもあるのかな、と思うのですが、おふたりが考える「恋の幸せ」を教えてください。

大貫 結局のところ、結婚も他人じゃないですか。やっぱり、血の繋がりだけが他人ではなく、家族と言われるもので、結婚でさえも他人同士の契約なんですよね。婚姻届けを出すという行為があるだけで、結婚も恋愛もそんな相違がない気がしているんです。
その中で大事なことは、他人であるということを理解しながらも、大切な存在を尊重するということ=自分の幸せを確立すること、だと思うんです。自分の幸せが確立すると、相手の幸せを考えられるようになるけど、自分が幸せじゃないと、相手の幸せが願えなくなってしまう。まず俺を幸せにしろよ! って思ってしまうんですけど、幸せだな、満足だな、と思えることで初めて相手を満足させてあげられるようになるのかな、と。だから、自分が常に幸せであるように自分の思考を持っていく。またはそういう状況にしていくことは心掛けたいですね。

沢村 何気なく家にいて、生活のリズムだったり、仕事への価値観、会話のしやすさ、テンポ、いろいろあると思うんですけど、ある程度は相手に寄り添う気持ちが大事なのかな、と思います。もちろん、もともとある程度は合っているのも大事だとは思うんですけど。
結婚となると、「好き」以外で大事な部分がたくさん出てくると思うのでそういった気持ちを大事にするのは理想ですよね。

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「子宮恋愛」

4月10日(木) 夜0:59~放送開始
https://www.ytv.co.jp/shikyurenai/


撮影/梁瀬玉実、取材・文/ふくだりょうこ

【大貫さん】
ヘアメイク/小浜田吾央(UGATSU)
スタイリスト/立山 功
<衣装>
ジャケット¥188,100-、シャツ ¥81,400-、パンツ ¥88,000-/Yohji Yamamoto POUR HOMME(ヨウジヤマモト プレスルーム tel 03-5463-1500)、その他 スタイリスト私物

【沢村さん】
ヘアメイク/小原梨奈
スタイリスト/竹上奈実
〈衣装クレジット〉
上に着たシャツ ¥36.300- JUN OKAMOTO(ジュン オカモト)/ APLUI
パンツ ¥36.300- 上と同じ
下に着たシャツ ¥30.300- Royall(ロイヤル)/ Unscramble
スカーフ ¥ 6.490- MORLES(モアレス)/ 凛
シューズ ¥ 9.900- TELIC(テリック)/ 凛

※税込み価格

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