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ケイト・ウィンスレット主演『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』メイキング画像8点公開

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『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』メイキング (C)BROUHAHA LEE LIMITED 2023

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5月9日(金) より公開される映画『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』のメイキング画像が公開された。

本作で描かれるのは、写真家として戦争の最前線を駆け抜け、20世紀を代表する報道写真家となり、その名を歴史に刻んだリー・ミラーの人生。マン・レイ、パブロ・ピカソ、ココ・シャネル、ジャン・コクトー、ダリ、コンデ・ナストら時の天才たちを魅了してきた輝きは写真家へと転身してからも光を放ち、凄まじい情熱とエネルギーで戦場へ赴く写真家となった。ミラーの写真には、唯一無二の芸術的センスに加え人間が持つ脆さと残酷さの両方が刻みこまれ、今もなお人々を惹きつけている。

公開されたのは、リー・ミラーを演じるケイト・ウィンスレットや、アメリカ『LIFE』誌のフォトジャーナリスト兼編集者のデイヴィッド・E・シャーマン役を演じたアンディ・サムバーグらの撮影現場を収めたメイキング画像8点。容赦なく攻撃される中に積み上げられた土嚢の裏で必死に身を隠し、怯えた表情を見せるミラーの姿や、ロンドンの町中で瓦礫が広がり、黒焦げになったVOGUE編集部がある建物の入口を呆然と見つめる人々のシーンのほか、ドイツのブーヘンヴァルト強制収容所やダッハウ強制収容所のシーンでは涙を堪えるミラーを温かく抱擁するサムバーグとの2ショットや、エレン・クラス監督と向き合うウィンスレットの姿など、撮影現場の張り詰めた空気が感じられるメイキング画像となっている。

本作は、主演であり製作総指揮でもあるウィンスレットが、ミラーの人生を初めて映画化しようと8年以上の歳月をかけて挑んだ渾身の企画。ミラーが当時実際に使用したアンティークのテーブルとの出会いをきっかけに、ミラーの人生を深く探求していった彼女は「どうして今まで誰もミラーのことを映画にしなかったのか?」という大きな疑問に正面から向き合った。

ウィンスレットはミラーの息子であり、今はミラーが遺した写真を管理し広める活動をしているアントニー・ペンローズと連絡を取り、映画化へ向けた第一歩を踏み出した。その際、ペンローズからは意外な事実が告げられる。彼は「これまでたくさんの男性がミラーについての映画を撮ろうとしたんだ。屋根裏に置いてある箱いっぱいに脚本が眠っているよ。でもどれも実現しなかった」と、ウィンスレットに話したのだ。

ウィンスレットは、本作をただの伝記映画ではなく、真にリー・ミラーを描く映画にするべく、その後何年にもわたってペンローズからの大きな協力を得て、ミラーの非凡な人生を覗き込んでいった。その過程は果てしない道のりで、ある時は彼女の幼少期まで人生を遡り、その時の体験がどのように影響したのか、なぜ、彼女が常に全力で人生を歩むことができたのかを少しずつ紐解いていったという。リー・ミラーのアーカイブの全てにアクセスすることが許可されたために、この聡明で、温かく、カリスマ性のあるたくましい女性の中に、隠された複雑さもあることに気づいていったそう。

膨大な資料に目を通し、想像を絶する時間を費やすうちに、モデルやミューズとして見られることの多かったミラーと、決断力があり、パワフルでリスクを冒しながらも戦争の前線に独りで赴く勇気を持ったミラーが、まるで対照的な人物であったことに着目したウィンスレット。「ただの伝記としての脚本構成には興味がなかった。それにリー・ミラーが生まれてから死ぬまでの生涯を描くのは、いくら長編映画といっても難しかったと思う。なぜなら彼女は生涯を通じて何度も自分自身を大きく変え続けたから」と当時を振り返っており、「ミラーは人生の中でたくさんの局面を経験した女性だから、その中で最も決定的な時期を決めることが最大の難関だった」とミラーの人生において、どの瞬間を切り取って映画として組み立てるのか、それが一番の課題になったことを明かしている。

その上でウィンスレットが選んだのは、ミラーの30代の10年間。それは戦前、ミラーが仲間と過ごした南フランスでの輝いた日々から、第2次世界大戦下の暗黒へと続く10年間となっており、ウィンスレットは「私たちが伝えたかったのは、ミラーがどのような人物で、報道写真を撮るという経験が彼女をどう変えたのかの、ありのままの姿だった」と明かしている。息子のペンローズも「ミラーの人生において、ミラーのパーソナリティーを正確に表現できる最も印象的な時代」と明言しており、彼女がどんな困難にも立ち向かい、何があっても突き進む強さを持った女性であり、リー・ミラーを突き動かしたものが何であったのか描くことで、彼女の物語が今日の社会でどれほど重要であるのかを伝える作品になっている。

併せて、著名人からの鑑賞後コメントも到着。ウィンスレットの熱演について、「キャリアの集大成」と最大の賛辞を贈る小説家の山内マリコや、フリーアナウンサー・俳優として活躍する宇垣美里、モデルのトラウデン直美ら女性陣からの熱いコメントに加え、「根性と才能に脱帽!」とミラーを称えるデーブ・スペクター(プロデューサー)、そしてミラーと同じく、戦場でカメラを構える渡部陽一(戦場カメラマン)らからも、メッセージが到着した。

<著名人 コメント>
■山内マリコ(小説家)
リー・ミラーの名を、私はマン・レイとセットで憶えていた。有名アーティストの創造の源である麗しき“ミューズ”であり、その後どうやら写真家に転向したらしいというあやふやな情報だけで、彼女のことを知ったつもりになっていた。男性の成した偉業が華々しく顕彰される陰で、女性たちの偉業は埋もれ、ほこりを被る。リー・ミラーが成し遂げた報道写真家としての骨太の仕事もまた、屋根裏の奥に埋もれていたことを、この映画は見事な仕掛けで明かしていく。ケイト・ウィンスレットが長い時間をかけてこの企画を実現させたことは賞賛に値する。自我のあるタフな、それでいて苦悩に満ちた女を演じ続けてきた彼女の、30年超に及ぶキャリアの集大成だ。

■宇垣美里(フリーアナウンサー・俳優)
「女だから」たかがそんな理由で幾度となく道を阻まれながら、それでも食らいつき、抗い、真実にカメラを向け続けたミラーの力強い眼差しが印象に残る。演じるケイト・ウィンスレットの貫禄ある佇まいの説得力といったら。みるみるうちにファシズムが台頭し、日常が蝕まれていく描写に背筋が凍ると共に、どこか既視感を覚えることがまた恐ろしい。"知っているくせに、あなたはどうして平気でいられるの?"とミラーに問われているようだ。

■トラウデン直美(モデル)
当時、今よりさらに女性として挑戦するにはあまりに過酷な戦場で、写真を撮り、生き抜く。欧州各地で憎しみと不安が渦巻く中、傷ついた人たちを写す。身体中包帯の兵士、裏切り者だと髪を剃られた女性、レイプされた少女、山積みの痩せ細った死体たち。有名なバスタブ写真にはどんな想いが込められているのだろうか。圧倒的なリアリティとほんの少しのスパイスを加えた彼女の写真は多くを語る。そこに至るまでの、彼女自身のアイデンティティーの模索にも共鳴する人が多いのでは。

■デーブ・スペクター(プロデューサー)
欧米でもまだ男尊女卑の時代。写真家としての使命感を持つリーはそういった社会のルールに従うわけがない! 撮られるより撮る側に回ったリーが波乱万丈そのもの。コンプライアンスなどキャッチーな運動もなく、ひとりで女性としての人権(権利)を戦争中にバトル。根性と才能に脱帽!

■渡部陽一(戦場カメラマン)
リー・ミラーは質問されることが嫌いだった。だからこそ戦場に赴き自分の目で確認し写真という形で記録に残してきた。リー・ミラーが口にする『同じ場所にいたらものごとは見えてこない』このメッセージこそが戦場報道の本質だ。無邪気であっても殻を脱ぎ捨て自分にできることは自分でやっていく。リー・ミラーの気概は今を生きる多くの方々のエネルギーとなるはずだ。

■赤ペン瀧川(映画プレゼンター)
戦争が生み出す憎しみと悲しみ。奪われた愛と友情。今作は、その全てをフィルムに焼き付けようとしたカメラマンの戦いを描いた“戦争映画”だ。凄惨な戦場から目を逸らさず、命を懸けてシャッターを切り続ける姿に胸が熱くなる。忘れられない映画に出会った。

■ハービー・山口(写真家・日本写真芸術専門学校校長)
私たちは常に何をすべきかを問い続けて生きている。主人公のリーは、モデルから写真家に転じ、ひたすら戦争の中にある真実を追い求め、写真を撮り続けてきた。写真家は被写体に最も近づける職業だ。喜びも悲しみもレンズのすぐ前にある。時代を正しく見つめ、そこから見える真実を記録することは意義あることだ。写真に残した真実を知ることで、人々は世界で起こっていることを知り、その上でひとりひとりが生きる価値や何をすべきかを見つけられるのだ。私たちの行動は、それを裏付ける何かしらの過去や真実が原点として心の底辺にあり、その後の生き方や表現のテーマにつながっている。自分に正直であり信念を貫き通した彼女の生き方を、私は同じ写真家として誇りに思う。

■飯沢耕太郎(写真評論家)
マン・レイが撮影したリー・ミラーのポートレート、とりわけヌードでポーズをとる写真を見たことがある者は、誰でもその輝くばかりの美しさに魅了されてしまうだろう。だが、本作『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』が描き出すのは、伝説的なモデルとしての彼女ではない。「撮られるよりも、撮る方が好き」だった彼女は、写真家に転身し、イギリスからヨーロッパに渡って、戦争の犠牲者たちの凄惨な状況をカメラにおさめていった。写真家として、もうひとつの伝説を打ち立てていくプロセスが、思いがけない角度から露わになっていく。そのことに強い衝撃を受けた。

<作品情報>
『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』

5月9日(金) 公開

公式サイト:
https://culture-pub.jp/leemiller_movie/index.html

(C)BROUHAHA LEE LIMITED 2023

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