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『マインクラフト/ザ・ムービー』が世界で大好評の理由は? 監督が語る

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大人気ゲームを実写映画化した『マインクラフト/ザ・ムービー』がひと足先に公開になった国々で驚異的なヒットを飛ばしている。アメリカでは今年最大のオープニング記録を樹立し、レビューも好調。ゲームを愛する観客も、本作が初の“マイクラ体験”という観客も好評価を寄せている。

3Dブロックを組み合わせて“ものづくり”を楽しむゲーム「マインクラフト」はいかにして、みんなが大スクリーンで楽しむ“愛され映画”になったのか? 監督を務めたジャレッド・ヘスに話を聞いた。

ゲーム「マインクラフト」が発売されたのは2011年。プレイヤーが自由にブロックを組み合わせて世界をつくり、冒険する内容で、全世界で大ヒットを記録。“世界で最も売れたインディーゲーム”としてギネス世界記録に認定され、現在も新たなファンを獲得し続けている。よってゲームの世界をベースに映画化を試みる者が出てくるのは自然なこと。本作の映画化企画もゲーム発売直後から動き出していたようだ。

しかし、映画化は遅々として進まなかった。プロデューサーが交代し、監督や脚本家、出演者の候補が記事にあがっては消えていく。ハリウッドではよくある話だが、このまま永遠に映画化されないかも、と思った矢先、ゲーム「マインクラフト」を愛するひとりの男が参入した。名作『ナポレオン・ダイナマイト』や『ナチョ・リブレ 覆面の神様』で知られるジャレッド・ヘスだ。

ジャレッド・ヘス監督

「確かに、この映画の企画開発の期間がずっと長いことは僕も知っていたよ(笑)。というのは、僕はずっとマインクラフトの大ファンだったから! そんなある日、知り合いのプロデューサーから『マインクラフトって知ってる? いま映画化をやっているんだけど興味ある?』って聞かれたんだ。

もちろん、こんなにも大規模で壮大なアドベンチャー映画をつくれるわけだからとても楽しいだろうなと思った。と同時に僕はゲームが大好きだったから、ゲームのマインクラフトに明確なストーリーがなくて、ゲームプレイをそのまま映画化できないこともわかっていた。映画のために新たにキャラクターやストーリーをつくる。このことにも魅力を感じたんだ」

仮想空間でブロックを組み合わせて道具や建物をつくり、知らない場所に冒険に出かけたり、モンスターと戦う。本作ではゲームの世界をベースにどんな物語もつくることができそうだ。そこでヘス監督は“クリエイティビティ=創造力”にこわだって創作を開始した。

ビデオゲーム店を営むギャレット(ジェイソン・モモア)、発明家を夢見る少年ヘンリー(セバスチャン・ハンセン)と姉のナタリー(エマ・マイヤーズ)、移動動物園の園長ドーン(ダニエル・ブルックス)は、ある偶然から不思議な世界に転送されてしまう。

そこは考えたものを何でもつくることができる世界で、彼らは一足先に異世界に足を踏み入れていたスティーブ(ジャック・ブラック)と出会い、大冒険を開始する。

本作はとにかく笑える展開の連続だ。登場するマイクラワールドのキャラクターはみな強烈で個性的。登場人物もヒーローとはほど遠い“はぐれもの”たちだ。

「そうだね。僕は自分自身を“アウトサイダー”だと感じていて、そういうキャラクターにすごく共感するんだよ。みんなから少しはぐれた者たちが冒険をして成長していく姿を観るのが本当に楽しいんだよね。たとえばヘンリー少年は、現実の世界では自分の居場所をうまく見つけられないんだけど、マイクラワールドでは自身の“創造力”を発揮して活躍するんだ。

ものをつくったり、工夫したり、アイデアを思いついたりする“創造力”がスーパーパワーになる。これこそがゲーム「マインクラフト」に込められたテーマだと思うので、映画化する上では物語にどうしても織り込みたかったんだ」

子どもたちが「マインクラフト」を遊んでいる光景がヒントに!

そのため、本作では仮にCGや巨大なセットがなくても、自身の演技だけでシーンを魅力的にできる俳優、“創造力”のある俳優が選ばれた。

「ジェイソン・モモアが参加してくれたのはとても大きかった。彼はプロデューサーとしても関わってくれることになったので、脚本を書いている段階から彼がどんな役を演じるのか、たくさん話し合ったよ。ジェイソンは他の映画だと屈強な最強ヒーローを演じることが多いわけだけど、本作ではとにかくその真逆のキャラクターにすることを楽しんだよ(笑)。ジェイソン演じるギャレットは弱くて、ボコボコにされるし、人間として“もろい”ところもたくさん見せるんだ。

さらにこの映画ではスティーブを誰が演じるのかがとても重要だった。その時にふと、ジャック・ブラックのことを思い出したんだ。ジャックとは『ナチョ・リブレ…』で一緒に仕事をしたんだけど、俳優であり、シンガーであり、コメディアンであり、エンターテイナーでもあり、そのパフォーマンスのすべてにすごい情熱を注ぎ込んでいる。彼が撮影現場にいることで、彼のエネルギーが共演者やスタッフに伝わって、映画づくりも観客の映画体験もレベルアップさせてくれるんだ。

撮影が始まって面白かったのは、ジェイソンとジャックの“ブロマンス”だね。映画の冒頭ではライバルのようなふたりに友情が芽生えていく物語が描かれるわけだけど、実はふたりとも、お互いに“憧れの気持ち”を抱いていたそうなんだ! だからふたりの共演シーンは、お互いに相手に対して憧れと好き好き光線が出ている状態で(笑)、とてつもない化学反応が起こっていたよ」

劇中ではジェイソン・モモアとジャック・ブラックが演じるキャラクターだけでなく、仲間たちが力を合わせて一緒にものづくりをしたり、助け合ったりする場面が繰り返し描かれる。本作のキーワードは“創造力”だが、ひとりでコツコツとブロックを積むだけでなく、みんなで一緒に力と知恵を出し合ってものづくりをする“共創力”がメインテーマになっている。

「ありがとう! それはうれしい考察だね。僕がゲームのマインクラフトを知ったのは、子どもたちが遊んでいるのを見た時だったんだ。家にいると、僕の子どもたちと彼らの友達が一緒に遊んでいて、大きな笑い声が聞こえてきたんだ。何だろうと思って見てみると、彼らは一緒にマインクラフトを遊んでいて、協力してブロックを組んだり、誰かが組んでいる横でアイデアを出し合ったり、お互いにつくった建物を壊し合ったりして爆笑していたんだ(笑)。そこで父親である僕も仲間に入れてもらって、家族みんなでマインクラフトを遊ぶようになった。

つまり、このゲームはクリエイティビティを発揮すること、もっと言うと、一緒にクリエイティビティを発揮することが大事で、そこが面白いしユニークなところだと思う。だから、この点は映画にする際にも必ず表現したいと思っていた。

それにゲームのマインクラフトは“ものづくり”の楽しさもあるけど、プレイをすることで友達だったり、コミュニティを見つけられる楽しさもあるんだ。だから映画でも実生活では少しはぐれていたり、足りなかったりするキャラクターが、異世界で一緒になってがんばる話にしたかったんだよ」

撮影の模様

本作はゲーム「マインクラフト」を愛する監督が、マイクラの魅力、ゲーム体験を引き継いで脚本を開発し、俳優を集めて撮影に挑んだ作品だ。その結果、映画はゲームのファンからも、映画から参加した観客からも大好評。もしかしたら続編だって実現するかもしれない。

「続編はぜひやりたいよ! マインクラフトの魅力のひとつは“世界は無限大”ってことだからね。今回の映画には登場させられなかったキャラクターもいるし、ぜひ続編を実現させて、今度は日本にも行きたいよ。というのも、娘から『いつになったら私を日本に連れて行ってくれるの?』って何度も何度も質問され続けてるんだよね(笑)。だから日本にはぜひ行きたいと思ってるよ!」

『マインクラフト/ザ・ムービー』
4月25日(金) 全国公開
(C)2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

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