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いざ、5/6(火・休)・国立・J2首位攻防戦へ! ジェフ千葉快進撃の要因をOB佐藤勇人に訊く

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椿直起(ジェフユナイテッド千葉) (C)J.LEAGUE

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ジェフユナイテッド千葉の快進撃が止まらない。『2025明治安田J2リーグ』12試合を終えて10勝1分1敗。リーグ最多の26得点を量産するとともに、10失点と強固なディフェンスで2位に勝点8差を付ける見事な開幕ダッシュを成功させた。これ以上ないスタートを切った千葉が上位との対戦が続く勝負の5月を迎える。 5月6日(火・休)・国立競技場では2位RB大宮アルディージャとの首位攻防戦がキックオフ。そこで千葉のレジェンドであり、クラブユナイテッドオフィサーを務める佐藤勇人に躍進の要因や首位攻防戦の見どころ、そして17年ぶりとなる悲願のJ1昇格の可能性について訊いてきた。
取材日:4月22日

――ジェフ千葉の快進撃を佐藤勇人さんはどのように見ていますか?

「ここまでの試合を見ていてターニングポイントは開幕戦。いわきFCに勝利しましたが、どちらと言えば負けゲームでした。内容も圧倒され、そんな中ひとつのチャンスでPKで得点して、後半も追加点を取って、この試合に勝てたことが大きかった。以前ならああいう内容では勝点を取れませんでした。プレシーズンも結果が出なくて、『どういう開幕戦になるのだろう』と見ていたのですが、苦しいゲームをどうにか耐え抜いて、ギアを上げて得点を奪いにいき、そして勝ったことがその後につながったと思います」

――開幕戦のいわき戦でもし30分までの猛攻で先制点を許していたらと思うと、ゾッとしますね。

「地獄のような展開だったので、0-2、0-3となってもおかしくない状況でした。あそこを耐えて、前半30分で椿(直起)がワンチャンスでPKを獲得したのは大きかったと思います」

――ここまで9勝していますが、決して完勝続きではありません。

「ここ2~3試合は苦しい試合を何とか勝ったり、すごいゴラッソが入ったり、ポストに救われたりと続いていたので、これは上位にいるチームの勝ち方です。あと日替わりでヒーローが出ている。昨年までは小森(飛絢/現シントトロイデンVV)がいて得点を取ってくれましたが、今はいろんな選手が得点しているので、この順位にいるという感じです」

――あのゴラッソでチームは乗っていきますよね。しかも2発も。

「怖いぐらいです。(第10節の)大分(トリニータ)戦のエドゥアルドもそうですし、その前の(第8節・水戸ホーリーホック戦の高橋)壱晟もそうだし。1年間であるかないかのゴラッソがもう2回見ることができている。だからこそ、僕は気を引き締めるべきだと思っています。『今年のジェフ強いね』『今年はいけるね』なんて声が聞こえますが、まだまだ半分もいっていないですから。ちゃんと目の前の試合、目の前のトレーニングをやっていかないといつ何が起こるかわからないですから」

高橋壱晟(ジェフユナイテッド千葉) (C)J.LEAGUE

――絶対的なエースの小森選手がチームを去り、新エース候補のデリキ選手が開幕早々に戦線離脱したにもかかわらず、これだけどこからでも誰からでも得点できるのは驚きです。

「理想ですね。ひとり、ふたりの選手に依存しないチーム作りはできているのが大きい。強度を維持できているひとつの理由がチームの特徴であるサイド。サイドの走力と縦に速い攻撃が維持できている間は結果を出せると思います。でも、この後、ケガ人や出場停止の選手が出てくると思うので、その時のためにチームのストロングを生かしつつ、新しい選手が出てくれば間違いなく、シーズン終盤に笑えると思います」

――左・椿選手&日高大選手、右・田中和樹選手&高橋選手の両サイドは強力ですね。

「そこで相手を押し込めるので一番のストロングだと思います。とくに左サイドは強力ですね。昨年、一昨年に比べて、チームを引っ張っています。去年までだと右サイドが武器でしたが、今季は左サイド。もともと右サイドは強みだったので、両サイドから攻められています」

――椿選手も何か掴んだ感じがします。

「昨季までだと、『すごいスピードがあっても最後の質が……』というところがありましたが、今季は最後までやり切れるし、相手にとって怖い選手になっています。左サイドと右サイドでチームを引っ張って、中央はでんと構えられているので大きい」

――ジェフの開幕10試合のデータを見て驚いたのですが、シュート数はリーグ12位タイの114本と少ないにもかかわらずシュート決定率20.2%という驚異的な数字を残し、被シュート数はワースト5位の134本なのに9失点と少なく、サイド攻撃が特徴ですがクロス総数はリーグ15位の133本と少ないという不思議なデータが出ているのですが……。

「まず得点のところでは相手を押し込んで崩し切って得点するシーンはあまり多くありません。スペースがある状態で走力を生かして後は横パスで決め切るシーンが多かったので、『データに表れているのかな』と思います。失点も最後のところで体を張って守り切り、チームとして前向きな守備ができていることを表しています」

――最後のフィニッシュもこれだけ得点を取れる人がいると、相手も的を絞れないですよね。

「『チーム全体で取るんだ』と共有できていると思うし、絶対的なストライカーがいないことをみんなが理解していると思います。去年みたいに大きな点差で勝つゲームは減っているじゃないですか。(第5節・愛媛FC戦の)5-1が1試合だけありましたけど、去年はFWの小森が取ったりして大勝が何試合かありましたが、今年は接戦を繰り返しながら、厳しいゲームを何とか勝ち切っている。全員で攻撃して全員で守備することを見事にできています」

――今のチームには確かな勝負強さがありますよね。

「その源は日頃のトレーニングにあると思います。僕はサッカーのみならず、すべてのスポーツで運は必要だと思うのですが、今のチームにはすごく運があります。先ほどのデータを見ても運が影響していると思う。ただそれは日頃のトレーニングや立ち振る舞いで決まることだと思うんです。運を味方にしているのが今のジェフの強み、サポーターの声援、空気感の作り方も含めて、いい方向に向かっていると思う」

――現役時代、オシムさんの元、一気にチームが伸びていった時の空気感はどのようなものでしたか。

「あの時はひとりのリーダーに引っ張られていって、ああいう景色を見られたので、今のチームとはちょっと違います。今は全員でまとまって目の前の試合を一つひとつ勝ちにいっている感じがするし、すごい熱量のサポーターがいるのが今のジェフの一番の強み。ホームのフクアリ(フクダ電子アリーナ)の熱はもちろん、アウェイでもホームのような雰囲気を作ってくれるし、サポーターの力は今季すごいなと改めて思いますね」

――小林慶行監督3季目の継続性も強みですよね。

「1・2年目と一緒にやってきた選手が軸になっているのが大きいですよね。選手の出入りはありますが、新しい選手もジェフのサッカーをしっかり理解して『ジェフでやりたい』と思って加入してきたのも大きいですし、あと自分たちの強みをブレずにやり続けているのが大きい」

小林慶行監督(ジェフユナイテッド千葉) (C)J.LEAGUE

――そして、上位との対戦が続く勝負の5月を迎えます。

「ここからです。上位との対戦が続くので、そこでどれだけ結果を残せるかが大事になってきます」

――ライバルたちもこのままジェフを独走させてはくれないですよね。

「ほかのチームもギアを上げるチャンスを狙っていますし、何が起こるかわからないので、ジェフにできることは何かアクシデントがあった時に下がるのではなく、改善して前へ進んでいくことが大事。開幕ダッシュも大事ですが、一番大事なのは『シーズン最後にどの順位にいるか』ですから。ここから難しい相手との試合が続くので、ベストのコンディション、ベストの準備をしていかないといけません」

――自分たちの強みさえ出せばどこが相手でも。

「いけます、いけると思います。それは間違いないですよね。ただサッカーって、試合をめちゃくちゃ支配しても、ゴールに嫌われる時があるじゃないですか。ポストに嫌われたり、GKが当たりまくったり。ああいうのが怖いですよね。でも、そんな試合があったとしても、やり続けることが大事です」

――今季のチームはブレずにやり続けることができますよね。

「今は安心感があります。前半の早い時間帯に失点した試合が続きましたが、選手たちは落ち着いて、『最終的に逆転すればいいんでしょ』という空気感は感じますよね。僕らもオシムさんの時は『最終的に勝つのは俺らだから』という感じでした。先に失点しても取り返せる雰囲気がスタジアム全体にあります。失点したことによって、サポーターが『あ~あ』となるのか、『問題ないでしょ』となるのか。サポーターが失点しても動じずに、逆転できると信じられている空気を作ってくれているのは大きい」

――今までのジェフですと、結構下位のチームとの対戦で取りこぼしたりしていましたよね。

「僕もそれは驚いていますね。『今までなら絶対に落としていたな』というゲームが現時点で2~3試合あるので。いわき戦、(第3節・モンテディオ)山形戦、水戸戦も苦しかったし、逆の結果でもおかしくない。ことごとく最終的に勝ち切ったのは大きいですよね」

佐藤勇人クラブユナイテッドオフィサー

――20年ぶりの国立でのホームゲームとなるRB大宮アルディージャ戦はどんなゲームを見たいですか。

「もちろん勝ちにいくゲームを見せてほしいですけど、サッカーの楽しさというのを表してほしいですね。普段フクアリに来られない人が国立なら来てくれるかもしれないし、もしかしたらサッカーを初めて見る方がいるかもしれないので、『サッカーってこんなに面白いんだ』『90分間にこんなに内容が詰まっているんだ』というのを見せてほしい。お互いにいい順位で調子もいいし、ものすごく熱い試合になるのは間違いないので、得点を奪いにいく試合をしてほしいですね」

――同日は『SOMPO WEリーグ』ジェフ千葉レディース×大宮アルディージャVENTUSの試合も楽しめますし、ZOZOコラボシャツのプレゼントやよしもと芸人によるイベントなども企画されています。

「クラブでもお客さんに喜んでもらおうといろいろ考えています。『WEリーグ』、女子サッカーを見たことのない人が多いかもしれないですが、男子よりスピードでは劣ってしまっても、その分サッカーをじっくり見られます。『こういう技術があるんだ』とわかるので、ぜひ『WEリーグ』の試合も見てもらって、スタジアムのイベントも楽しんでもらって、そして『Jリーグ』の熱い試合を楽しんでほしいですね」

――国立の試合ではラウンジも利用でき、特典も付いたプレミアムシートも用意されているようですね。

「普段とは違う日常を感じてほしいですね。せっかくナショナルスタジアムで試合があるのですから、普段と違う場所から普段と違うサービスを受けながら、試合というか一日を楽しんでほしいですね」

――国立で試合をする特別感は選手たちにもありますか。

「みんなが憧れるナショナルスタジアムなので、実際に選手たちもプロになる前は『あそこでプレーしたい』とみんな思っていたと思いますし、僕からしたら新しい国立でホームゲームができるのは純粋にうらやましい。改修してからの国立のピッチに立ったことがないですから」

――国立では『ナビスコカップ(現ルヴァンカップ)』で2005・2006年に連覇をしたり、勇人さんもいい思い出がありますよね。リーグ戦でも普段と違う感じがしましたか。

「はい。リーグ戦でも何度か国立でやりましたが、国立って優勝を決める大一番とかプレーオフとかあるので、リーグ戦の試合でも特別な感じで試合に向かっていましたね。今回もリーグ戦の1試合ですが、特別な試合という意識で選手たちはピッチに立つのでは」

――大宮戦のキーマンは誰になりますか。

「今のチームだと全員と言いたいところですが、鳥海(晃司)だったり、横山(暁之)だったり、チームの強みのサイドの選手だったり、ひとりを挙げるのは難しいですね。何人か挙げると、両サイドの4人ですかね。そこでどれだけ走力で相手を押し込めるか。先手を取れれば、あのスピードがあれば、一歩二歩先にいけますし、チャンスも多く作れると思います。大宮もサイドに特徴のある選手、ドリブルが得意な選手がいますから、サイドでどっちが優位に立てるかが試合の見どころになりますね。僕自身、楽しみです」

『2025明治安田J2リーグ』第14節・千葉×大宮は5月6日(火・休)・国立競技場にてキックオフ。同日は『2024-25 SOMPO WEリーグ』第20節・ジェフ千葉レディース×大宮アルディージャVENTUSも開催。「ジェフユナイテッド国立マッチ2025」を記念し、先着3万名に「ZOZOLINE-CHIBA NANOHANA SHIRTS-」をプレゼント。よしもと芸人・見取り図とオズワルドが来場し、PK対決も行う。さらに吹奏楽の名門・習志野高校吹奏楽部が“美爆音”を奏で、人気サッカーYouTubeチャンネル「MILKサッカーアカデミー(通称ミルアカ)」とのコラボ企画も実施する。チケットはジェフチケ(Jリーグチケット)にて発売中。

取材・構成:碧山緒里摩(ぴあ)

ジェフチケ(Jリーグチケット)
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