Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > ウィーン少年合唱団が来日ツアー。今年も各地で天使の歌声

ウィーン少年合唱団が来日ツアー。今年も各地で天使の歌声

クラシック

ニュース

ぴあ

©︎JUNICHIRO MATSUO

続きを読む

フォトギャラリー(6件)

すべて見る

「天使の歌声」ウィーン少年合唱団が今年もやってきた。4月27日(日)から6月15日(日)まで全国を巡る25公演のツアーに先駆けて、東京オペラシティ・リサイタルホールで来日記者会見が行われた。

ウィーン少年合唱団は1498年創設の「王宮礼拝堂付属少年聖歌隊」を前身とし、525年以上の歴史を持つ合唱団。現在は9歳から14歳まで約100人のメンバーが「シューベルト」「ブルックナー」「ハイドン」「モーツァルト」の4つのグループに分かれて活動している。今回来日したのはモーツァルト組の24人。2人の日本人メンバーも在籍している。

今年は1955年12月の初来日から70周年、ウィーンの誇る「ワルツ王」ヨハン・シュトラウスII世生誕200年、さらには開催中の大阪・関西万博への出演など、話題も多い。会見には、駐日オーストリア大使のミヒャエル・レンディ、ウィーン少年合唱団団長のエーリッヒ・アルトホルト、モーツァルト組カペルマイスター(指揮者)のマヌエル・フーバー、そして24人の合唱団員らが出席した。

アルトホルト団長は、自身も50年前に団員として来日した経験があるという。

©︎JUNICHIRO MATSUO

「あの時のことを忘れたことはありません。当時、10歳でした。ウィーン少年合唱団は1955年の初来日以来70年の間に36回の日本ツアーで、1,534回のコンサートを行っています。海外公演で訪れる各地の中で、日本にはとくに深い絆を感じています。今年、ウィーンでも、訪日70周年を記念した展示会を始めました。その開会式でひじょうにうれしいことがありました。1955年初来日時のメンバーが2人、出席してくれたのです。80歳でもかくしゃくとしていて、当時のことを鮮明に覚えていらっしゃいました。ウィーン少年合唱団自体は527年の歴史がありますが、いま在籍している子供たちは9歳から14歳。伝統を受け継いでいくことに、私たちが存在する意義があると考えています」

2019年にカペルマイスターに就任したマヌエル・フーバーは、南チロルのブリクセン出身。彼自身がそうであるように、イタリア人だがドイツ語を母語とする人が多い地域だ。なんと、彼は終始、かなり流暢な日本語で話した。

©︎JUNICHIRO MATSUO

「実は5年前に来たかったのですが、ご存知のように、その時には(コロナで)日本ツアーが行えませんでした。でも日本語や、日本語の歌を練習する時間が十分ありました。モーツァルト組には日本人の少年が2人います。ケイト君(12歳)とハズム君(14歳)です。とにかくみんな、ツアーを楽しみにしています。今年は日本ツアー70周年だけでなく、ヨハン・シュトラウスII世の生誕200年でもありますので、特別なツアーです。プログラムBには、“シュトラウス・フォー・エバー!”というタイトルを選びました。第1部にはシュトラウスの曲だけでなく、オーストリアの伝統的な音楽もお届けする一方で、第2部では、ジャズやボサノヴァ、タンゴなど、シュトラウスの曲を新しいスタイルにアレンジしてお届けします。私たちは、伝統を大切にしながら、未来に繋げていくことが重要と考えています。

プログラムAは“ぼくたちの地球そして未来へ”。地球とその生き物を守ることを大切にしたいという思いから、このテーマを選びました。第1部では美しい自然を讃える歌を、第2部では地球に生きる動物たちを歌います。ハムスターとか猫とか、アヒル、ハエなど、いろいろな動物がいます。もちろん日本語の歌も歌います。《ふるさと》や『千と千尋の神隠し』の《いのちの名前》や、クロサワの『生きる』の《ゴンドラの唄》などをお聴きいただきます」

©︎JUNICHIRO MATSUO

会見の最後にはメンバーたちが、来日プログラムの中から《ふるさと》と《フォー・エバー・ボサノヴァ!》(原曲:ヨーゼフ・シュトラウスのポルカ《永遠に!》)で透明なハーモニーを披露した。強いけれど触れたら壊れてしまいそうな繊細さ、ぴんと張った糸のような緊張感のある歌声は、少年合唱特有のものだ。

上述のとおり、大阪・関西万博にも出演する。参加国ごとに1日ずつ設けられている「ナショナルデー」の5月23日(金)に、EXPOナショナルデーホール「レイガーデン」で行う特別コンサート。オーストリア大統領も来日、この日のために生前のモーツァルトが使用したヴァイオリンも運ばれて披露される。

なお、曲目やメンバー紹介はもちろん、初来日以来の貴重写真や漫画家・竹宮惠子の寄稿なども掲載されている充実した公演プログラム(税込1,500円/電子版もあり)が、公演会場はもちろんオンラインでも販売されている。事前に入手しておくと、コンサートをいっそう楽しめそうだ。

文:宮本明

ウィーン少年合唱団

■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2456071

プログラムA 「ぼくたちの地球 そして未来へ」
5/3(土・祝)、5/29(木)、6/13(金)、6/14(土) 13:30開演
東京オペラシティ コンサートホール

プログラムB 「生誕200年記念 シュトラウス・フォー・エバー!」
5/6(火・休)、6/10(火)、6/15(日) 13:30開演
東京オペラシティ コンサートホール

5/24(土) 14:00開演
横浜みなとみらいホール 大ホール

他全国ツアー

フォトギャラリー(6件)

すべて見る