押井守監督『天使のたまご 4Kリマスター』カンヌ国際映画祭に正式出品
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『天使のたまご 4Kリマスター』40周年ロゴ
開催中の第78回カンヌ国際映画祭のクラシック部門(カンヌ・クラシックス)に、原案・脚本・監督:押井守(『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』)、原案・アートディレクション:天野喜孝(『ファイナルファンタジー』シリーズ)によるアニメ『天使のたまご 4Kリマスター』が選出された。カンヌ国際映画祭での上映が、ワールドプレミア上映となる。
クラシック部門は、復元された傑作映画や、過去の名作映画の再発見を目的として、押井守監督作『イノセンス』がカンヌのコンペティション部門に選出された年でもある、2004年に設立された。これまで日本映画としては黒沢明監督『七人の侍』の4K修復版や、日本初のカラー長編アニメ映画『白蛇伝』等、映画史にとって重要な作品が上映されてきた部門だ。
本作は、1985年12月にOVAとして発売、限定公開。『うる星やつら2/ビューティフル・ドリーマー』『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』『イノセンス』など、作品を発表するたびにそれまでのアニメ、映画の常識を覆してきた鬼才・押井守が、世界的なイラストレーターとして活躍する天野喜孝と共に幻想的な異世界を描き出した作品だ。限りなくモノトーンに近い色彩、ごくわずかの台詞、異例の長回し、通常のアニメーションの約3分の1という少ないカット数(約400カット)など、禁欲的なスタイルで全篇を貫き、全ての押井作品の底に流れる「自己存在への懐疑」というテーマが映し出される。押井守初のオリジナル作品であり、彼の作家としての出発点とも言える重要な1作だ。
『天使のたまご』は、公開から40周年を迎える今年2025年、4Kリマスター版が全世界で上映予定。 押井監督本人による監修の下、35mmのフィルム原版からスキャニングし4Kリマスター化し、音響面ではDolby Atmosにリミックス。5月7日には、サウンドトラック盤『天使のたまご 音楽編「水に棲む」』の音源を最新リマスタリングしたアナログLP、UHQCDが徳間ジャパンコミュニケーションズからリリースされている。
■原案・脚本・監督:押井守 コメント
巧く世の中に出してあげられなかった不憫な娘のような作品です。
これを機会にひとりでも多くの方に見ていただければ監督としてこれに優る幸せはありません。
気の遠くなるような細かな作業に耐えてくれたスタッフにあらためて感謝します。
■原案・アートディレクション 天野喜孝 コメント
この度は、『天使のたまご 4Kリマスター』のカンヌ国際映画祭クラシック部門への選出ありがとうございます。
原版制作当時30歳そこそこの僕には思いもよらない快挙です。
このような素晴らしい知らせを受けて、あの頃の苦労が40年の時を経て報われたような気持ちです。
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