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宝塚ファンだけでなくミュージカルファンも楽しめる『未来へのOne Step!』、東京公演開幕!

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EXPO2025 『未来へのOne Step!~世界を結ぶ愛の歌声~』より (撮影:荒川潤)

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EXPO 2025大阪・関西万博にて、宝塚歌劇団のOG・総勢30名で上演された『未来へのOne Step!~世界を結ぶ愛の歌声~』。万博にちなんで海外ミュージカルや世界のスタンダードナンバー、そして宝塚の楽曲を盛り込み、歌とダンスで綴るスペシャルショーだ。5月17日~20日の東京国際フォーラムと5月25日~27日の梅田芸術劇場公演では、さらに宝塚の名曲を追加。1幕物から2幕物へと編み直して贈る(構成・演出は宝塚歌劇団の中村一徳)。

出演は、剣幸、安寿ミラ、一路真輝、麻路さき、真琴つばさ、姿月あさと、和央ようか、湖月わたるという元トップスターをはじめ、風花舞、月影瞳、大鳥れい、舞風りら、舞羽美海、妃海風といった元娘役トップも多数出演。5月16日に東京国際フォーラム ホールCで行われたゲネプロの様子をお届けする。

幕開けは、全員で新曲「未来へのOne Step!」を華やかに歌い踊るラインナップから。続いて舞台セットのLEDに画像を映しながら、剣が万博の歴史を、安寿が宝塚の歴史を解説。「万博公演ではたくさんの外国の方にも観ていただけました」という剣の嬉しそうな言葉からも、来場した海外からの旅行者が“宝塚”という日本の文化を楽しんだ様子が伝わってくる。

その後は世界各国にちなんだ楽曲がスタート! 最初の「ロンドン」パートでは早速、剣が「街灯によりかかって」(『ミー・アンド・マイガール』より)を披露。同作は剣の初演で大ヒット、今では宝塚の定番となっているので“初代ビル”の歌声が聴ける貴重な機会だ。続いて安寿が座長を務めたロンドン公演(1994年)の『ミリオン・ドリームズ』から、共に参加した真琴、和央、風花、月影らで「ミリオン・ドリームズ」「DANGEROUS」などをスタイリッシュに。メンバーの当時と変わらぬダンスと歌が楽しめる。コーナーの最後は再び剣と全員で『ミー・アンド・マイガール』の「ランベス・ウォーク」で盛り上がった。

次の「パリ」コーナーでは、「サ・セ・パリ」(麻路)、「夜霧のモンマルトル」(姿月)、「幸福を売る男」(月影)など宝塚のショーでよく聴かれるスタンダードナンバーに続き、和央が「僕の悲劇を聞いてくれ」(『ファントム』より)をドラマティックに。こちらも日本初演は和央によるもので、その高い評価を受けて定番作品となったのはご存じのとおり。さらに背景の映像はパリ・オペラ座からセーヌ河畔に代わり、「愛の幕切れ」(安寿)、「I love Paris」(剣)と、現在では女優として活躍する彼女たちの深みのある歌声が続く。真琴が歌い上げる「愛の讃歌」は、宝塚の先輩でもある越路吹雪が大切にしていた名曲。ここでも宝塚の連綿と続いている歴史を感じさせた。

続いては、「ウィーン」コーナー。一路の「君はわが心のすべて」は、当時、歌劇団随一の歌唱力を誇った一路ならではのオペレッタ『微笑みの国』を宝塚化した作品から。その後はウィーン発ミュージカルとして日本のミュージカル界でも数々の記録を打ち立てている『エリザベート』より、「愛と死の輪舞」「私が踊る時」「最後のダンス」を立て続けに。初演でトート役を務めた一路をはじめ、再演・再々演でそれぞれトートを演じて作品の評価を確固たるものにした麻路、姿月、さらにシシィを演じた大鳥で歌い継いでゆく。全編をロックテイストの歌で繋いでゆく同作を初演した当時の一路率いる雪組の苦労は、今も知られるところ。初代トートである一路の硬質で美しいダイヤモンドのような歌声があったからこそ、その後の宝塚と東宝ミュージカルでの個性豊かなトートが生まれたといってもいいだろう。本作『未来へのOne Step!』は、数々の名作ミュージカルを生んだ立役者であるそれぞれの“初代”の素晴らしさを再確認する機会ともいえそうだ。

宝塚の歴史とその文化的な“資産”を堪能

コーナーはその後も「バルセロナ」「アメリカ(ニューヨーク)」「ブラジル」と各国を巡る。安寿と真琴の「FEVER」、風花の「42nd Street」、月影の「Puttin' On The Ritz」など、スタンダートナンバーをたっぷりと聴かせる。現在はニューヨークに在住する和央が「ニューヨーク・ニューヨーク」を、またブラジルに住む麻路が「ブラジル」を、現地の雰囲気を伝えてから歌うひと幕も。舞風りら、舞羽美海、妃海風も歌にダンスにとさすがの巧さで魅せる。

最後の「日本(宝塚)」コーナーでも、真琴つばさや和央ようか、湖月わたるが初演で演じ、今では名曲として歌い継がれる楽曲を披露。宝塚の長い歴史と共に、その文化的な“財産”の豊富さに改めて驚かされる。冒頭からフィナーレに至るまで、宝塚ファンだけでなくミュージカルファンにとっても必見の快作だ。

取材・文/藤野さくら  撮影/荒川 潤


<公演情報>
EXPO2025 『未来へのOne Step!~世界を結ぶ愛の歌声~』

〈東京公演〉
日程:2025年5月17日(土)〜20日(火)
会場:東京国際フォーラム ホールC
★5/19(土) ぴあ半館貸切公演実施!

〈大阪公演〉
日程:2025年5月25日(日)〜27日(火)
会場:梅田芸術劇場メインホール

[構成・演出] 中村一徳(宝塚歌劇団)

[出演]
麻実れい (大阪・関西万博公演のみ出演)
剣幸 安寿ミラ 一路真輝 麻路さき 真琴つばさ 姿月あさと 和央ようか 湖月わたる
風花 舞 月影 瞳 大鳥れい 舞風りら 舞羽美海 妃海 風

舞城のどか 真波そら 羽咲まな 光月るう 沙月愛奈 愛白もあ 七生眞希 颯希ゆうと
朝霧 真 湊 璃飛 希峰かなた 大原万由子 花宮沙羅 有栖妃華 涼花美雨 花束ゆめ

〈チケットURL〉
https://w.pia.jp/t/expo2025/

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