若冲と応挙の合作屏風を初公開!『日本美術の鉱脈展 未来の国宝を探せ!』大阪中之島美術館で
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伊藤若冲《釈迦十六羅漢図屏風》デジタル推定復元 2024年 八曲一隻 TOPPAN株式会社制作
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すべて見る日本美術のなかでも、これまでほとんど注目されていない作品、あるいは一部の研究者は熱心に研究しているものの、一般にはほとんど知られていない作品などに注目し、これを日本美術の「知られざる鉱脈」として紹介する展覧会が、6月21日(土)から 8月31日(日)まで、大阪中之島美術館で開催される。
2000年に京都国立博物館で開催された『没後200年 特別展 若冲(じゃくちゅう) 』をきっかけとして、空前の「若冲ブーム」が巻き起こって以来、今も「日本美術ブーム」とも呼ぶべき状況が続いている。だが、その若冲も、以前は一般の人々にとっては日本美術の「知られざる鉱脈」だった。そこで、今はまだ一般に知られていない作家の優れた作品を掘り起こして並べれば、そこには「未来の国宝」があるのではないか——そんな視点から企画された同展は、観客それぞれが自らの眼で「未来の国宝」を探す楽しみのある展覧会だ。

展示作品は、縄文から現代まで、制作年代もジャンルも多岐に及ぶ。例えば、縄文時代では、火焔型土器を中心にいくつかが国宝指定されているが、ほかにも指定されるべき縄文土器がたくさんあるという。雪舟に代表される室町時代には、伝記が謎に包まれている絵師たちによる個性的で魅力的な作品が残されており、また若冲をはじめとする「奇想の画家」の発掘が進んだ江戸絵画でも、知名度は低いながら素晴らしい作品がたくさんある。さらに、明治以降の絵画や超絶技巧の工芸は、「知られざる鉱脈」の宝庫。これまであまり目にしたことのないインパクトの強い作品が一堂に並ぶのが大きな見どころだ。

なお、同展では序章として、今や日本美術のスーパースターとなった「奇想の画家」の紹介もある。特に若冲作品では、戦災にあい、これまで白黒図版でしか知られていなかった幻のモザイク屏風が、最新のデジタル技術と学術的知見の融合により復元された成果を見ることができる。また、2024年に新発見されて話題となった、若冲と応挙の合作による二曲一双屏風の公開もある。大阪・関西万博が開幕した関西では、大規模な展覧会が多数開かれているが、同展もまたぜひ訪れたい充実した特別展となっている。
<開催概要>
『日本美術の鉱脈展 未来の国宝を探せ!』
会期:2025年6月21日(土)~2025年8月31日(日)
会場:大阪中之島美術館 4階展示室
時間:10:00~17:00、2025年7月18日(金)~8月30日(土)までの金土、祝前日は19:00まで(入場は閉場30分前まで)
休館日:月曜(7月21日、8月11日は開館)、7月22日(火)
料金:一般1,800円、大高1,500、中小500円
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2559727
公式サイト:
https://koumyakuten2025.jp//
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