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デビュー60周年の五木ひろし、明治座での『喧嘩安兵衛』は「集大成としてお見せしたい」

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左から坂本冬美、五木ひろし

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歌手・五木ひろしのデビュー60周年を記念した『五木ひろし特別公演 坂本冬美特別出演』が、7月5日(土) から東京・明治座で上演される。演目は第一部が昨年生誕100周年を迎えた三木のり平演出の『花のお江戸の快男児 喧嘩安兵衛』(作:小野田勇)を上演。第二部は坂本冬美を迎えた『スペシャルショー』を披露する。

五木が本作を初めて上演したのは38年前。昨年、久しぶりに大阪・新歌舞伎座にて再演を果たし、今回で6度目の上演だ。「今まで出演した演目の中でも、一番再演の回数は多いんじゃないかなと。思い出深い作品です。今の時代だからこそ、派手で豪快な時代劇をお見せしたい」と五木。「昨年の再演は、僕にとっても大勝負。自分なりにやりきれたと思いますし、自信もつきました」と振り返り、「喜寿も迎えましたし、もう年齢のことは考えず、役に徹したい。もう最後だと思うので、集大成としてお見せしたい」と、闘志を燃やす。

見せ場である大立ち回りも健在。「すべてトライですよ。右手に刀、左手に槍を持ってね。初演当時のままの、豪快な立ち回りをお見せできれば。お客様も期待してくださっているので」と語り、「僕がエネルギッシュじゃないと、見てくださる皆さんも元気になれない。疲れたなんて、言っていられないです」と自らを奮い立たせる。

長年演じる主人公・安兵衛については、「親友を思う気持ちを持った、男としての生き方。そういった今の時代、失われつつある大切なものが、安兵衛の中にはある。飲兵衛ですが、人には優しい。そういう男らしさに惹かれます」と魅力を語った。

相手役で坂本が特別出演する他、笹野高史、太川陽介、麻乃佳世、曽我廼家寛太郎らが顔を揃える。「私と同い年の笹野高史さんには当時、おかん婆さんというおばあさんの役をやってもらったのですが、これが見事にハマりまして、昨年、今回とリクエストをしました。笹野さんは『五木さんがやるんだったら』と承諾してくださった」と感謝を語った。

昨年の新歌舞伎座公演に続き、坂本が武家の娘・堀部幸を演じる。男勝りの性格の持ち主で、安兵衛とも衝突するが、次第に思いを寄せ合い、後に夫婦となるキャラクターだ。

「前回は頑張り過ぎてしまって、五木座長から『もっと肩の力を抜いて、普通でいいよ』とお言葉をいただきまして、歌のステージもあるので『それじゃあ、声がもたないよ』とも……。今の私が、若くはつらつとして幸を演じられるかなと思ったんですが、座長や笹野さんが70代になって、チャレンジ精神で再演しようと頑張っていらっしゃるのに、私にはできませんなんて、とても言えません。先輩方に負けないよう、気持ちは10代で(笑)、自分を奮い立たせました」(坂本)

幸の注目ポイントは、ずばり「急にかわいい乙女に変わるところ」だといい、「凛としたじゃじゃ馬ですけど、安兵衛さんの男らしさ、情の深さに惹かれていって、がらっと180度変わるんです。その変わり具合をお客様に見ていただきたいですね」とアピール。「乙女のかわいらしさ? そこは一生懸命演じています! 自分が持っていないものですから(笑)」と意気込んだ。

今年1月からは、初のジョイントコンサート「ベストカップルコンサート~華やいで艶やかに~」を、全国17カ所で全27公演行い、ますます絆が深まった。「僕の相手役は彼女しかいませんから。今、一番輝いている時期ですし、今回も引き受けてくれて、とてもうれしい」(五木)、「常に全体を見渡し、さりげなく気を配ってくださる。私のことを、誰よりも分かってくださっているので、新たな一面を見出してくださるはず」(坂本)と、互いに全幅の信頼を寄せる。

また、第二部の『スペシャルショー』に関して、五木は「ジョイントコンサートで特に好評だった男歌、女歌、それに和楽器の合奏は、ぜひ明治座でも盛り込みたい」といい、「明治座さんは、盆が回ったり、“すっぽん”や“せり”もあるので、劇場ならではのプラスアルファの趣向を凝らせれば。お芝居の部分も含めて、より一層磨きをかけて、良い上演を目指したい」と、進化を約束した。

坂本はデビュー10周年の際、初の東京座長公演を明治座で行っており「特別な舞台に立てる喜びと一緒に、プレッシャーもあり、1カ月無事に務める自信がなくて、当時は千秋楽を指折り数えていた」のだとか。そんな坂本の背中を押したのが、五木だったそうで「先輩に『ダメだよ、劇場を嫌いになっちゃ』って仰られて。本当、今思うと、罰当たりですよね。今はこうして、明治座さんの舞台に立てることに喜びを感じますし、幸せです」と、決意を新たにしていた。

取材・文/内田 涼

<公演情報>
デビュー60周年記念
『五木ひろし特別公演 坂本冬美特別出演』

第一部『花のお江戸の快男児 喧嘩安兵衛』
[作]小野田勇
[演出]三木のり平
[補綴]吉本哲雄
[補綴・演出]金子良次

<あらすじ>
元禄十五年十二月十五日明け七ツ、本所松坂町吉良上野介邸門前、大石内蔵助が打ち鳴らす山鹿流の陣太鼓を合図に赤穂四十七士が亡君の意趣を晴らさんと討ち入ったり…。お話は討ち入りから遡りまして元禄七年、徳川の世も五代を重ねて将軍綱吉が納める下、天下泰平、商業・文化の花開く時代でございます。就中、江戸はお膝下、幕府始まって以来の繁昌を誇っておりましたが、その反面、武道はまったく軽んじられ、槍刀より金が物言う世の中、その上、幕府の大名取り潰し政策と相まって、扶持を離れ仕官の道を閉ざされた浪人の群れが八百八町にあふれておりました。ここ江戸上野は花見客で賑わう寛永寺清水堂から中山安兵衛と清水一学の歯車が廻り始め……。

第二部『スペシャルショー』
五木ひろしと坂本冬美共演でお届けするショータイム
[構成・演出]松園 明

日程:2025年7月5日(土)~27日(日)
会場:明治座

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/itsuki2025/

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