『彼女たちのアボリジナル・アート オーストラリア現代美術』アーティゾン美術館でアボリジナルをルーツとする女性作家たちを紹介する日本初の展覧会
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イワニ・スケース《えぐられた大地》2017年、ウランガラス(宙吹き)、石橋財団アーティゾン美術館 © Courtesy the Artist and THIS IS NO FANTASY
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すべて見る2025年6月24日(火)より、東京・京橋にあるアーティゾン美術館では、『彼女たちのアボリジナル・アート オーストラリア現代美術』を開催する。オーストラリア先住民によるアボリジナル・アートの中でも、複数の女性作家に焦点を当てた、日本初の展覧会だ。
近年の国際的なアート・シーンでは、地域独自の文脈で生まれた作品への再考が進められている。2024年には、第60回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展で、アボリジナル作家の個展を展示したオーストラリア館が国別参加部門の金獅子賞を受賞するなど、アボリジナル・アートへ注目度はかつてなく高まっているが、現在オーストリラリアで評価を得ている女性作家の多くが、アボリジナルをルーツとする作家たちなのだ。

例えば、植民地時代に失われた地域の伝統文化を復興させる活動に積極的に携わっているマリィ・クラーク(1961~)や、カイアディルトと呼ばれるコミュニティの出身で、80歳を超えてから絵画制作を開始し約2,000点に及ぶ作品を残したマーディディキンガーティー・ジュワンダ・サリー・ガボリ(1924頃~2015)、砂漠に自生する草を主な素材に伝統技法を用いながら立体作品を制作し、日常的な物事を映像作品にしているアーティスト・コレクティブ、ジャンビ・デザート・ウィーヴァーズなど。

彼女たちは社会問題、環境問題、過去の歴史、失われた文化の復興など、幅広いテーマを扱うと共に、バティックやジュエリー、編み物など、それまで芸術作品として受け入れられなかった創作を芸術表現に昇華させた。同展ではオーストラリア各地で活躍する様々な世代の7名と1組の作家たちの作品を通して、アボリジナル・アートに脈々と流れる伝統文化の息遣いや、脱植民地化の進む彼女らの新たな創造活動を紹介する。
<開催概要>
『彼女たちのアボリジナル・アート オーストラリア現代美術』
会期:2025年6月24日(火)〜9月21日(日)
会場:アーティゾン美術館 6・5階展示室
時間:10:00~18:00、金曜は20:00まで(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜(7月21日、8月11日、9月15日は開館)、7月22日(火)、8月12日(火)、9月16日(火)
料金:ウェブ予約1,800円、窓口販売2,000円
※日時指定予約制、学生無料(高校生以上要ウェブ予約)
※予約枠に空きがあれば、美術館窓口でもチケット購入可
※『石橋財団コレクション選 コレクション・ハイライト 』も同時開催
公式サイト:
https://www.artizon.museum/
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