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『黙然たる反骨 安藤照』渋谷区立松濤美術館で 忠犬ハチ公像で知られる彫刻家の活動を網羅的に紹介

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安藤照《忠犬ハチ公》制作年不詳 鹿児島市立美術館蔵

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渋谷区立松濤美術館では、2025年6月21日(土)より、『黙然たる反骨 安藤照』展を開催する。渋谷区を代表するモニュメントのひとつ《忠犬ハチ公像》(初代)を制作した彫刻家、安藤照(1892~1945)の没後80年を記念して、その仕事を網羅的に紹介する、日本初の回顧展だ。

1892年(明治25)鹿児島県鹿児島市に生まれた安藤は、上京して早稲田大学商科へ入るも、その後同校を退学し、東京美術学校彫刻科塑像部予備科に入学した。彫刻家になってからは帝国美術院展覧会(帝展)を舞台に活躍し、1934年(昭和9)には《忠犬ハチ公像》(戦時中に金属供出される。現在のハチ公像は安藤の息子で同じ彫刻家の士/たけしが制作)、1937年(昭和12)には《西郷隆盛像》(鹿児島県鹿児島市)と、代表的なモニュメントを制作。着実に彫刻家としての地位を築いていたが、1945(昭和20)年5月、原宿や表参道などを焼き尽くした「山の手空襲」の犠牲となり、53年の生涯を閉じた。

安藤照《兎》制作年不詳 鹿児島市立美術館蔵

多くの作品を保管していた渋谷区代々木の自宅兼アトリエも爆撃されたため、現存する安藤の作品は約30点と少ない。しかし、彼の生涯を、関連する作家たちの作品とともにたどる同展では、1928年(昭和3)、帝展の審査員制度をめぐる師・朝倉文夫の行動に異を唱えて、新たに作品研究の場「塊人社」を立ち上げ、芸術家への戦争協力の要請に、やむを得ず「塊人社」の社員で軍需工場を作り、戦闘機の部品の石膏型を製作するなど、安藤照の足跡から当時の日本の彫刻界や時代の雰囲気などを知ることができる。

安藤照《女性仰臥像》1927(昭和2)年 鹿児島市立美術館蔵

そんな激動の時代にあって、あの《忠犬ハチ公像》はどのように制作されたのか? 制度や時勢と戦いながら、黙々と制作を続けた彫刻家の生き様に改めて興味が湧くに違いない。

<開催概要>
『黙然たる反骨 安藤照 ―没後・戦後80年 忠犬ハチ公像をつくった彫刻家―』

会期:2025年6月21日(土)~8月17日(日)
会場:渋谷区立松濤美術館
時間:10:00~18:00、金曜は20:00まで(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜(7月21日、8月11日は開館)、7月22日(火)、8月12日(火)
料金:一般1,000円、大学800円、高校・60歳以上500円、中小100円
※土日祝及び夏休み期間は小中学生無料、金曜日は渋谷区民無料 
公式サイト:
https://shoto-museum.jp/

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