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松岡充「デヴィット・ボウイが導いてくれた」 ミュージカル『LAZARUS』開幕

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ミュージカル『LAZARUS』ゲネプロより

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ミュージカル『LAZARUS』が2025年5月31日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉で開幕した。開幕を前にした30日、同劇場でゲネプロ(総通し舞台稽古)と初日前会見が行われた。

(前列左から)白井晃、鈴木瑛美子、松岡充、豊原江理佳、上原理生、
(後列左から)渡部豪太、崎山つばさ、小南満佑子、遠山裕介

伝説的なロック・スターで、1970年代以後のファッションやアート、カルチャーに多大な影響を及ぼしたデヴィッド・ボウイ。本作は、彼の最後のアルバム『★(ブラックスター)』と同時期に制作され、遺作ともなったミュージカル『LAZARUS』(2015年オフブロードウェイで初演)の日本初演となる。ボウイが主人公を演じた映画『地球に落ちて来た男』(1976年)にインスパイアされた本作は、地球に取り残されたまま酒に溺れ、死ぬことも故郷に帰ることもできなくなった宇宙人トーマス・ニュートンの、その後の物語である。

演出を手掛ける白井晃は「10年前にデヴィット・ボウイが(脚本家の)エンダ・ウォルシュと一緒に作った作品を初めて上演させていただけると言うのは非常に光栄に思っていますし、この機会を与えていただいたことに感謝しています」と切り出し、「本当に素晴らしい歌唱能力のある人たちと一緒に仕事ができて、とても上質な作品になっていると思います。また、デヴィット・ボウイの思い、エンダ・ウォルシュの思いが詰め込まれた作品で、“ミュージカル”と言っているんですが、なかなか通常のミュージカルの領域では語れないような作品なので、楽しみにしていただければ」と話す。

白井晃

トーマス・ニュートン役を主演する松岡充に対して、白井は「まずは舞台に向かう姿勢が素晴らしいと思います。歌唱も含めて、この作品の理解、そしてデヴィット・ボウイという時代を引っ張ったアーティストを心から尊敬もされていますし、その魂をしっかりと受け継いでいただいているなと思います」と絶賛。松岡は「白井さんは普段あんまり褒めてくれないので(笑)、めっちゃ嬉しいです」と照れ笑い。初日を前にした心境について松岡は、「怒涛の稽古期間でした。直前まで舞台稽古をやっていたのですが、もっとまだ何かがあるんじゃないか、もっとまだ何かできるんじゃないかと探している最中」と語る。

松岡充

実際、松岡は初日の2週間ほど前まで、自身のバンド「SOPHIA」の30周年記念全国ツアーを行うほどの多忙ぶり。「こういう仕事の仕方は絶対しないぞというか、できないぞというスケジューリングだった」というが、「僕は14歳の頃に初めてデヴィット・ボウイに出会って、彼との出会いがなければ、恐らくバンドマンにもなってなかったし、デビューもしていなかったし、SOPHIAもなかった。となれば、この話を受けない選択肢はなかった」と話す。そして「スタッフもメンバーもファンの皆さんも理解してくれて……稽古場の皆さんには本当にご迷惑をおかけしながらもなんとかここまで来られたのは、デヴィット・ボウイが導いてくれたのではないかと本当に思っています」と思いを吐露。

豊原江理佳

少女役の豊原江理佳は「毎日探して、見つけたと思ったら、また手からこぼれていって……みたいなことをずっとみんなでやりながら今日になったという感覚。この作品がお客様にどう届くのかとても楽しみです」と話し、マエミ・日本の女役の小南満佑子は「世界的大スターが遺した作品を、日本で初演するということで、ワクワクとドキドキが高まっています」と興奮気味。エリー役の鈴木瑛美子も「みんなでたくさん話し合って、いっぱい練ってきた。後はお互いを、白井さんを信じて演じるだけ」と意気込んでいた。

小南満佑子
鈴木瑛美子

ベン役の崎山つばさは「愛に溢れたカンパニー。ベンはマエミと一緒に弾け飛ぶような愛を表現する役。深い愛を届けられるように頑張りたい」と話し、マイケル役の遠山裕介は「舞台稽古が始まってから、舞台セットと映像と照明とが素晴らしいので、早く皆様に披露できるのを楽しみにしています」。

崎山つばさ
遠山裕介

ミュージカルという枠では語れない、唯一無二の世界観を構築

渡部豪太

ザック役の渡部豪太は「渡部豪太、今回は一切歌唱いたしません」と高らかに宣言し、「歌がないのかと寂しかったです。でも皆さんの歌をきいたときに、その思いは吹っ飛びました。名曲の数々を素敵に歌い上げてくださるから。今、人生で1番デヴィット・ボウイさんの曲を聞いています」。バレンタイン役の上原理生は「色んな受け取り方ができるし、想像する余白がいっぱいある作品。観た後に何か分からないけれど、感情の波が押し寄せてくる作品なので、楽しみにしていただけたら」と語っていた。

上原理生

上演時間は約2時間(休憩なし)。劇中にはこのミュージカルのために書き下ろされた「Lazarus」「No Plan」「Killing a Little Time」のほか、「Changes」「Absolute Beginners」、「Heroes」をはじめとするデヴィッド・ボウイの代表曲を含む全17曲が織り込まれている。なお、デヴィッド・ボウイの遺志を尊重し、音楽パートは英語での歌唱となる(日本語字幕あり)。会見で白井が話していたように、通常のミュージカルという枠では語れない。音楽と映像と物語とをパッチワーク的に融合させて、舞台芸術でしか見られない唯一無二の世界観を構築していた。横浜公演は6月14日(土)まで。大阪公演は6月28日(土)~29日(日)、フェスティバルホールにて。ぜひお見逃しなく!

取材・文・撮影:五月女菜穂


<公演情報>
ミュージカル『LAZARUS』

音楽・脚本:デヴィッド・ボウイ
脚本:エンダ・ウォルシュ
演出:白井晃

出演:
松岡充
豊原江理佳、鈴木瑛美子、小南満佑子
崎山つばさ、遠山裕介
栁沢明璃咲、渡来美友、小形さくら
渡部豪太、上原理生

ダンサー:Nami Monroe、ANRI、KANNA
演奏:益田トッシュ(Bandmaster)、フィリップ・ウー(key)、松原“マツキチ”寛(ds)、Hank西山(g)、三尾悠介(key)、フユミカワカミ(おふゆ)(b)
スウィング:塩顕治、加瀬友音

【神奈川(横浜)公演】
2025年5月31日(土)~6月14日(土)
会場:KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉

【大阪公演】
2025年6月28日(土)・29日(日)
会場:フェスティバルホール

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/lazarus2025/

公式サイト:
https://lazarus-stage.jp/

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