『2025イタリア・ボローニャ国際絵本原画展』板橋区立美術館で 29の国と地域から76組の入選作を一堂に紹介
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umeco(日本)「そこにある」
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すべて見る毎年春にイタリアで行われる「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア(BCBF)」にともなって開催される『イタリア・ボローニャ国際絵本原画展』。児童書のためのイラストレーション・コンクールの入選作を紹介する同展は、新人イラストレーターの登竜門としてよく知られる。その59回目となる展覧会が、6月27日(金)から8月11日(月・祝)まで、今年も東京の板橋区立美術館で開催される。
児童書のトレンドや今後の動向をも示す同展への関心は高く、今回は89の国と地域から過去最多となる4,374名の応募があり、29の国と地域の77名(76組)が入選。日本からは、umeco、うめだよしの、木村友美、小池結衣、波田佳子、神鳥海南江の6名が入選をはたしている。その全入選作品を一堂に展示する同展は、多彩な表現やテーマ、技法からなる様々な作品や実験的な試みが楽しめる貴重な機会だ。
今回はまた、特別展示のひとつとして、2024年に国際アンデルセン賞・画家賞を受賞したカナダの絵本作家シドニー・スミスの作品紹介がある。スミスは、2023年に同館のイラストレーター向けワークショップ「夏のアトリエ」に招聘されたこともある画家で、今回の展覧会の図録の表紙も描きおろした。この特別展示では、絵本原画を含む約50点の作品とスケッチブックとともに、この表紙の原画も紹介される。

もうひとつの特別展示は、2024年に「ボローニャSM出版賞」を受賞したブラジルのイラストレーター、エンリケ・コゼール・モレイラの新作絵本の紹介だ。同賞は、35歳以下の入選者を対象に、イラスト分野の新しい才能を支援するために設けられた賞で、スペインの出版社SM社から絵本出版の機会と賞金が授与されるもの。今年刊行されたばかりの絵本『La danza del cielo y la tierra(空と大地のダンス)』をいち早く目にできるのがうれしいところだ。

会期中は、講演会や絵本作り講座、ワークショップなど、多彩な関連イベントが企画されている。また、印刷・製本産業が盛んな板橋区は、様々な分野で絵本を活かした取り組みを進めており、今回も同展の会期に合わせ、板橋区内や周辺会場で、これまでのボローニャ展入選者の展覧会も行われる予定だ。同展とともに、街中のカフェやギャラリーなどを巡りながら、「絵本のまち板橋」の魅力にもふれてみたい。
<開催概要>
『2025イタリア・ボローニャ国際絵本原画展』
会期:2025年6月27日(金)~8月11日(月・祝)
会場:板橋区立美術館
時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(7月21日、8月11日は開館)、7月22日(火)
料金:一般900円、大学600円
公式サイト:
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/4000016/4001926/4001928.html
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