映画『アット・ザ・ベンチ』の“聖地”に2日間で3,000人が集結! 奥山由之監督「きっとこのベンチもすごく喜んでくれている」
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(C)2024 Yoshiyuki Okuyama/Spoon Inc, All Rights Reserved.
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すべて見る映画『アット・ザ・ベンチ』の屋外上映イベントが、映画の舞台となった多摩川沿いの“あのベンチ”で5月31日・6月1日に開催。そのオフィシャルレポートが到着した。
『アット・ザ・ベンチ』は、2024年11月15日に公開され、奥山由之監督の自主制作ながら興収1億円を超えるヒットとなったオムニバス長編。入場無料で行われた屋外上映イベントには2日間で約3,000人が来場。会場内にはキッチンカーも並び、祝祭感あふれる空間となった。
映画上映前には、奥山監督が挨拶。スクリーン正面の最前列には、撮影に使われたベンチがあることから、「ここにあのベンチがいます。僕が小さい頃から散歩の途中などに座っていたベンチなので、とても愛着があって。だからいつかこのベンチがなくなる前に作品として残しておきたいなと思って、信頼する仲間たちと、1年半くらいの期間をかけて、みんなでたまに集まって5編のオムニバス作品をつくりました。とてもミニマルなチームでつくった自主制作映画ではあるのですが、その分、愛情が詰まった作品になっています。今日は皆さんとこの場所で、同じ時間を過ごせることをとてもうれしく思います」と呼びかけた。
そして映画の上映が開始。観客は物語の舞台となったベンチを、皆で囲むようにしながらスクリーンを見つめていた。屋外上映ということで、寝転んだり、座ったり、時に笑ったり、食事をとったりと、それぞれが思い思いのスタイルで映画を楽しんでいたが、中には劇中の第2編の物語にちなんで、スーパーで買ってきたお寿司を持参する人の姿もちらほら。5つの物語が終わり、エンドクレジットに入ると自然と拍手が沸き起こったように映画の余韻を楽しんでいる様子の観客だったが、映画の上映が終わるとさらに大きな拍手が鳴り響いた。



映画上映後は、奥山監督と、この日の屋外上映をプロデュースしたキノ・イグルーの有坂塁、渡辺順也によるトークショーが行われた。奥山監督が「端の方で皆さんの様子を見ていたんですが、本当に感無量というか。愛にあふれる時間でした。こういう経験をさせていただいて本当にありがとうございます」と語ると会場からも拍手が。有坂が「東京だけでなくて、愛知とか、秋田とか、大分などからここに来ましたという方もいらっしゃったんですよ」と明かし、「やはり屋外上映の醍醐味というのは風を感じたり、雨が降ってきたり、映画館でいうところの4D上映みたいなところも魅力だと思います」と語った。

奥山監督は、改めてスクリーン正面に立つベンチの方を見て、「きっとこのベンチもすごく喜んでくれているんだろうなと思います。ビックリしているかもしれないですね。この状況はどういうことなんだろうと思っているのかもしれない」と笑顔を見せた。「本当にここに座って、友だちに悩みを打ち明けたり、家族で話したり。いつの間にか設備としてのベンチを超えて、ひとりの人格のようなものを感じているので。今は(イベント用の強いライトの)逆光であまりよく見えないんですが、今日は皆さんに出会えてきっと幸せに感じているだろうと思います」としみじみと付け加えた。

<作品情報>
『アット・ザ・ベンチ』
公開中
公式サイト:
https://www.spoon-inc.co.jp/at-the-bench/
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