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ハンブレッダーズ×w.o.d.×Kanna『TOUCH THE GOOPAN CHECKERS』愛と感謝にあふれたSPイベントをレポート

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『TOUCH THE GOOPAN CHECKERS』5月29日 恵比寿LIQUIDROOM Photo:タマイシンゴ

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Text:小川智宏 Photo:タマイシンゴ

ハンブレッダーズ、w.o.d.、Kannaによる3マンイベント『TOUCH THE GOOPAN CHECKERS』が5月29日、恵比寿LIQUIDROOMにて開催された。このイベントは、同じ事務所の同じチームに所属する3アクトが、共通のチーフ・マネージャーの誕生日を祝して企画したというスペシャルなイベント。(開催前のインタビュー記事前編はこちら)それぞれのライブはもちろん、各バンド、ユニットからひとりずつ参戦した幕間のDJタイムにいたるまで、全員でバンドを支えるマネージャーに対する愛と感謝を伝えようというあたたかなヴァイブスに満ちた、とても居心地のいい一夜となった。その模様をレポートする。

Ken Mackay(w.o.d./b)

会場に足を踏み入れると、聞こえてきたのは最初のDJ、w.o.d.のKen Mackay(b)によるDJプレイ。トップバッターを務めるKannaにつなげるためだろう、ヒップホップを中心にかけながら、フロアを温めていく。すでにフロアを埋め尽くしているお客さんも思い思いに音に乗り、気持ちよさそうに身体を揺らしている。そしてKenのDJが終わると、いよいよKannaのステージがスタートだ。

Nouchi(MC)

「リキッド、調子はどうですか!」。出てくるなりMCのNouchiがオーディエンスに声をかける。1MC1ギターで鋭いフロウと熱いサウンドを届ける彼らはこの3組のなかでも異色の存在だが、まるで友達に声をかけるようなそのフレンドリーさが、一気に会場を巻き込んでいった。1曲目の「Super Junky Monkey」から、Koshi(g)の弾くゴリゴリのリフとNouchiのキレのあるラップがグイグイとフロアを攻め立て、それに応えてオーディエンスは手を挙げる。いきなり歌詞を間違えてNouchiは「歌詞間違えたー!」と叫ぶが、それもご愛嬌。むしろその飾らない感じがお客さんの心をガッチリと掴んだようだ。

Koshi(g)

さらに「耐えた!」で一気にサウンドはハードに。Koshiのギターはどんどんエモーショナルに、一方Nouchiのボーカルはどんどんポップになり、ステージ上でぶつかり合い、Kannaにしか生み出せないグルーヴを生み出していく。「我々のライブの楽しみ方をまだ知らん人も多いと思う」。3曲終えてNouchiがそう語り、オーディエンスにコール&レスポンスを求め始める。そうして始まった「Boys&Boys」ではフロア全体を巻き込み、大合唱とジャンプの波が生まれていく。さらに「空」を力強く届けると、ここで改めて挨拶。「1MC1ギターのふたり、Kannaです」というNouchiの名乗りに拍手が送られる。Koshiは「憧れの先輩たち」との対バンに向けて、スタジオに入ってたくさん練習してきた、と自信のほどを見せた。ここまでの彼らのパフォーマンスは完全に仕上がっているし、LIQUIDROOMの広いフロアを完全に掌握してしまっているように見える。

Kanna

その後もライブはさまざまな楽曲を畳み掛けていく。ラブソング「Naa Naa Love」、ファンキーに跳ね回るリズムが自然とオーディエンスを揺らしていく「Playaz」、そしておおらかで優しいメロディとそれを支えるどっしりとしたサウンドが響き渡った「You」。Nouchiの歌が温度を高めれば、Koshiのギターもそれに負けじと熱くなる。ふたりだからこその相乗効果が、ライブの現場でもKannaの音楽を作る原動力なのだと思い知らされる。

ライブもあっという間に終盤を迎え、Nouchiは「最高です! 最高でしょ?」と一言。「また一緒にイベントやりたいなと、後輩ながらに思ってるんで」と再会を誓うと最後の曲「Make My Day」へ。Nouchiがヒューマンビートボックスで鳴らすスクラッチ音とKoshiのギターがバトルを繰り広げ、LIQUIDROOMはどこまでも盛り上がり続けていったのだった。

Kanna
木島(ハンブレッダーズ/ds)

Kannaがステージを去ると、続いてのDJはハンブレッダーズから木島(ds)。場の空気や前後の流れなどお構いなし、彼の愛するアニソンをメインに据えた、趣味全開のプレイリストは、何よりも彼自身が楽しそうなのがとてもよかった。曲の合間のコールまで実演しながら盛り上げるプレイは、普段あまり見られない木島の姿を見ることができたという意味でもとても貴重だった。

w.o.d.

そして続いてのライブアクトはw.o.d.。挨拶がわりの「エンドレス・リピート」がハコをビリビリと震わせ、場の空気を塗り替えていく。「w.o.d.です、よろしく」。サイトウタクヤ(vo/g)の短い挨拶から続けざまに「イカロス」へ。サイトウのギターが鋭く炸裂し、Kenのベースが爆音でオーディエンスを揺らす。中島元良(ds)の叩くタイトなビートがその暴れん坊な音を束ね、前へ前へと押し出していく。3ピースバンドのソリッドな魅力をこれでもかと見せつけるようなオープニングだ。

中島元良(ds)

一転、美しいメロディが広がる「1994」では、先ほどまでのヘビ―さとは打って変わって、今にも空に飛び立ちそうな軽やかなサウンドを響かせてみせ、ミドルチューン「2024」ではサイトウの歌がじわじわとフロアに浸透。静と動のコントラストが鮮やかな「喜劇」まで、w.o.d.というバンドの武器の多さを改めて示すような楽曲が並び、フロアを翻弄するようなライブが続いていった。

サイトウタクヤ(vo/g)

そこまでを終え、サイトウが口をひらく。「Kanna、w.o.d.、ハンブレッダーズ、俺ら合わせて『TOUCH THE GOOPAN CHECKERS』です」と戦隊ヒーローのように自己紹介。フロアの反応を見て「……ややウケということで。調子どうすか?」と続ける。そして話題は先ほどの木島のDJプレイへ。元良と一緒にさんざんイジり倒した挙句、「ハンブレッダーズがトリやってくれるんで、俺らは好きにやります」と宣言。「ちょっとうるさいですけど、大丈夫ですか?」という言葉に、オーディエンスからは大きな歓声が湧き起こった。確かにw.o.d.のロックは「うるさい」。だが、それは無闇に音がでかいとか分厚いとか、そういうことではない。あるべきところにあるべき音があって、それが最大の出力を発揮した結果、とんでもなく巨大なエネルギーが生まれていくのだ。

Ken Mackay(b)

それを如実に体現していたのが、続いて披露された「STARS」。彼らにとってはターニングポイントとなった楽曲が、ここでもその威力を遺憾なく発揮。イントロから起きた歓声は、そのままでっかい盛り上がりとなってフロアを席巻していった。さらに「楽園」、「踊る阿呆に見る阿呆」と楽曲を届けると、「またライブハウスで会いましょう」という言葉とともにラストチューン「My Generation」へ。ハンマーのように振り下ろされるリフに、オーディエンスは嬉々として飛び跳ねる。最後まで自分たちのスタイルを貫いて走り抜ける、さすがのパフォーマンスだった。

w.o.d.
Koshi(Kanna/g)

あとはトリのハンブレッダーズを残すのみ、その前に本日最後のDJを務めるのはKannaのKoshiだ。じつは彼にとってこれが初めてのDJだそうで、前日にはw.o.d.のKenから猛特訓を受けていたらしい。まあ、ロックDJに小手先のテクニックなんて必要ない。本当に好きな曲を好きなようにかけてみんなで盛り上がる、それがすべてである。そしてKoshiのプレイはその意味で最高。ここまでのライブとDJで積み上げられてきた高揚にさらなる盛り上がりをアドオンして、見事ハンブレッダーズにバトンを繋いでみせた。

ハンブレッダーズ

さあ、いよいよこの日最後のアクト、ハンブレッダーズの登場である。SEに乗って登場したムツムロ アキラ(vo/g)、でらし(b)、ukicaster(g)、木島の4人に拍手が送られる中、「グー」からライブは始まっていった。ハンブレらしいグッドメロディが、w.o.d.とは違った意味でまたしてもLIQUIDROOMのムードを塗り替える。

ムツムロ アキラ(vo/g)

同じ事務所、同じマネージャー、しかし音楽性という意味ではまったくといっていいほど違う3組による対バンは、そのクルクルと景色が変わっていく感じがとても楽しい。「w.o.d.、最高でめっちゃ大きい音だったけど、俺たちもそれ以上に大きいギター鳴らしちゃうもんね」というムツムロの言葉とともに「ギター」に突入すると、フロアからは早くも大合唱が生まれていく。さらにKannaのラップを引き合いに「僕もそこそこ韻踏めるってところを見せようかな」と「常識の範疇」へ。ムツムロの軽やかなライミングにukicasterのギターソロがさらに色を塗り足すように鳴り響いた。

ukicaster(g)

と、ここでムツムロが「この場を借りて謝罪を……」と話し始めた。何を謝罪するのかと思えば、先ほどの木島のDJについてだ。「KenやKoshiは次のアクトに繋げるDJをやったのに、木島は我を出してしまっていた」という彼の言葉に、でらしは「でも最高だったよ!」とすかさずフォロー。そして当の木島は「背負ってるもんが違う。日本のアニメ文化のためにやりました」と反論する。

木島(ds)

さらにムツムロはこのイベントの趣旨を説明した上で、今回のお祝いの対象であるマネージャーと初めて会ったときのことを回想し始める。いい話になるのかと思いきや、「ハンブレッダーズのどの曲が好きですか?と聞いたら、当時僕らが一番嫌いな曲を好きだと言った」というエピソードを紹介する。しかしそれもムツムロらしい愛情表現。その「一番嫌いな曲」である「睡眠至上主義」をマネージャーに捧げるようにプレイしてみせ、大歓声を浴びるのだった。

でらし(b)

でらしのベースソロから突入した「ワールドイズマイン」のアッパーなビートがフロアをガンガンに踊らせると、いよいよライブも最終盤。「Kannaもw.o.d.も最高! ぜひまた一緒にやりたい」と口にするムツムロ。「音楽を通していっぱい友達ができてます」という言葉とともに、新曲を初披露。ハンブレッダーズらしいグッドメロディと同時にバンドアンサンブルの進化をはっきりと感じさせるアッパーチューンが、ここにきてフロアの温度をさらに一段押し上げる。そして最後は「弱者の為の騒音を」。最高の一体感とともにライブを終えた。その後、アンコールではハンブレッダーズがこの日の「主役」であるマネージャーのリクエストで「ライブハウスで会おうぜ」を届け、最後は本日の出演者全員を呼び込んで挨拶。最後まであたたかな空気のまま、イベントを締め括ったのだった。

<公演情報>
『TOUCH THE GOOPAN CHECKERS』

5月29日 東京・恵比寿LIQUIDROOM
出演:Kanna / w.o.d. / ハンブレッダーズ

セットリスト

■Kanna
1. Super Junky Monkey
2. 耐えた!
3. いいんじゃNight!
4. Boys & Boys
5. 空
6. Naa Naa Love
7. Playaz
8. You
9. Make My Day

■w.o.d.
1. エンドレス・リピート
2. イカロス
3. 1994
4. 2024
5. 喜劇
6. STARS
7. 楽園
8. 踊る阿呆に見る阿呆
9. My Generation

■ハンブレッダーズ
1. グー
2. ギター
3. 常識の範疇
4. 睡眠至上主義
5. ワールドイズマイン
6. 新曲
7. 弱者の為の騒音を
En. ライブハウスで会おうぜ

<ライブ情報>

■Kanna
6月8日(日)『SAKAE SP-RING 2025』
6月10日(火)『HOT STUFF presents Ruby Tuesday in OSAKA 9』
8月17日(日)『SUMMER SONIC 2025 OSAKA』

■w.o.d.
『LOVE BUZZ Tour』

8月23日(土) 東京・Zepp Shinjuku
9月11日(木) 愛知・Electric Lady Land
9月12日(金) 大阪・BIGCAT
【チケット情報】
料金:4,600円(税込) ※入場時ドリンク代が必要
最速先行受付:6月8日(日) 23:59まで
受付URL:https://w.pia.jp/t/wod-tour25/


■ハンブレッダーズ
ファンクラブツアー『帰宅部定期演奏会vol.2』

8月6日(水) 愛知・名古屋DIAMOND HALL
8月7日(木) 大阪・なんばHatch
8月14日(木) 東京・豊洲PIT
【チケット情報】
料金:4,649円(税込)+ 1ドリンク別 ※部員のみんなヨロシク価格
一次エントリー受付:6月9日(月) 23:59まで
受付URL:https://hmbr-fc.com
※オフィシャルファンクラブ「帰宅部」への入会が必要

関連リンク

ハンブレッダーズ 公式サイト:
https://humbreaders.com/

w.o.d. 公式サイト:
https://www.wodband.com/

Kanna 公式サイト:
https://lit.link/kannanagoya

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