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山寺宏一が語る『リロ&スティッチ』 「他とは違う特別な役です」

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公開中の映画『リロ&スティッチ』日本語版で山寺宏一が再びスティッチの声を演じている。

本作は、ハワイを舞台に、両親を失ったナニとリロの姉妹が、暴れん坊のエイリアン・スティッチと出会い、かけがえのない家族(オハナ)になるまでを描いた作品。実写版でもスティッチの声をアニメーション版の監督も務めたクリス・サンダースが演じているが、日本語版も2003年のアニメーション以来、長年にわたってスティッチを演じ続けてきた山寺宏一が再登板している。

「スティッチには独自の発声法があるんです。アニメーション版のときに、クリス・サンダースさんが監督して生み出されたキャラクターですから、僕もその発声法に倣っているという感じです。2003年当時、おそらく多くの方がオーディションを受けられたと思うんですけど、オリジナルのスティッチの声、クリス・サンダースさんが演じるスティッチと同じような声を出せる人を探していて、僕が選ばれたんです。

ですから、役を演じる以前にまず“この声が出せるのか?”が問題。ドナルドと同じで、同じような発声法で同じような声質を出す、っていうのが命題で、その上で日本語で話さないといけない。とにかくクリス・サンダースさんをお手本に、そこに向けて必死にやる、という感じでしたね。

その後、日本でつくったテレビシリーズとかはお手本がないので、いろいろと大変でしたし、音響監督も大変だったと思います。だから僕は今もスティッチの正解が何なのかよくわかっていない(笑)。とにかくお手本に近づける。声帯模写に近いかもしれない。そういう意味では他とは違う特別な役ですよね」

山寺は終始、「僕よりも上手にスティッチの声を出せる人がいたら、その方にお願いしたいです」と謙遜するが、現在の日本で山寺よりも見事にスティッチを演じられる俳優はいない。本作の日本語版では、なんとオリジナルの音声と、山寺の演じた音声が両方使用されているという。

「今回の日本語版は僕がスティッチということで名前が出ていますけど、クリス・サンダースさんが演じた元の音もふんだんに使われているんです。だから僕が演じた声なのか、クリス・サンダースさんの声なのかはスタッフさんしかわかっていなくて、僕もどちらの声が使われているのか、実はよくわからない(笑)。わからないってことは、まぁちゃんとできたんだろうな、と。僕の部分だけスティッチらしさが欠如していて、観てくださる方にわかっちゃうのはイヤだったので。だから今回はすごく特殊な作品ですよね。僕はすべてのシーンが自分の声でないとイヤだ、とかは思っていなくて、『リロ&スティッチ』という作品がみなさんにしっかりと届くことが一番だと思っています」

本作を「アニメーションの名作を実写化した作品の決定版」だという山寺は、この物語は「ナニとリロの姉妹がメイン」と分析する。

「アニメーションの姉妹の話も僕はすごく好きでしたけど、実写になったことでこのふたりの物語がすごくリアルに感じますよね。ナニがまだ若いながらも一生懸命に親の代わりをしようと頑張っていて、リロは友達ともうまくいっていなくて、お姉ちゃんのナニとも喧嘩してしまい……。僕はもうその時点で涙してしまいました。リロが“大事な友達がほしい”って星に願いをかける場面とか、『ウィッシュ』ともつながる感じもしましたし。リロが“天使をちょうだい”ってお祈りをして、そこに現れるのが、悪魔のような破壊のエイリアン、スティッチっていうところが面白さですよね。

初めてスティッチを演じたときは、破壊のために生まれたエイリアンって聞いて、受け入れてもらえるんだろうか?って(笑)。だからこんな風にスティッチが世界で大人気キャラクターになるなんて僕は想像もしなかったですけど、スティッチが子ども、ペット、家族のような何かに例えられるような存在だったから、ここまで愛されているんでしょうね」

実写版もすでに全世界で大ヒットを記録しており、本作をきっかけに、これまでのスティッチ作品にも改めて光があたることになりそうだ。

「これまでの『リロ&スティッチ』のシリーズをどれくらい知ってくれているのか、ちょっとわからないんですよね。スティッチという存在と、この姿はみなさんに知ってもらっていると思うので、この映画がきっかけになって、リロ&スティッチってこんな話なんだ、って思ってもらえたら、シメたものですよね。アニメーション、その後の続編、それから沖縄が舞台の日本オリジナルのシリーズまで取り揃えてありますので!」

『リロ&スティッチ』
公開中
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