99歳の看板俳優・おかじい2年ぶり舞台へ!『恋はみずいろ』再演
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「老いと演劇」OiBokkeShi岡山公演『恋はみずいろ』チラシ
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すべて見るOiBokkeShiによる『恋はみずいろ』が6月14日(土)、15日(日)、岡山芸術創造劇場ハレノワにて上演される。
俳優・介護福祉士の菅原直樹が2014年に立ち上げた「老いと演劇」OiBokkeShi。実際に介護を経験する人々と演劇公演を作ったり、認知症ケアに演劇的手法を使ったワークショップを全国で展開したりと、老人介護と演劇とを重ね合わせた活動を行ってきた。
看板俳優の「おかじい」こと岡田忠雄さんは99歳。認知症の妻の介護をしながら演劇に力を入れてきた。OiBokkeShi旗揚げの時には88歳で、2023年に妻を亡くし、体調を崩して昨年は舞台に立つことができなかった。おかじいが、『恋はみずいろ』の再演で2年ぶりに出演する。
舞台は午後5時になると防災無線から「恋はみずいろ」が流れる町の老人ホーム。母親の行方を探す青年が、母の故郷の町にやってきて、ホームで暮らす祖父を訪ねる……という物語。今作はもともと2022年に菅原が開催した演劇ワークショップがきっかけで生まれた作品。演劇未経験の高齢者、障がいをもつ人、認知症の人、介護をしている人、若者と、さまざまな人たちが集ったワークショップは2年間続き、2024年にワーク・イン・プログレスの形で上演された。
OiBokkeShiの旗揚げ公演『よみちにひはくれない』は、妻の徘徊に悩んでいたおかじいとともに、認知症のおばあさんを実際の商店街で探し回るものだった。『ポータブルトイレットシアター』でも認知症の妻を介護する役を演じた。『レクリエーション葬』でおかじいは、生前葬まで行った。OiBokkeShiの作品の中で、そのまま自分のような役を演じ続けてきたおかじい。今回の再演に「特別出演」という形で参加するおかじいは、青年の祖父を演じる。やはりこの役も、現在実際に施設で暮らしている自身の境遇と重なる。もちろん、セリフがあり、物語があり、あくまでも演劇ではある。が、現実と演劇とが重なったその時、本当のことがそのまま客席に伝わってくる。99歳のおかじいの演技は、そのままおかじいの人生そのものだ。できることなら、まだまだおかじいの生きざまを観続けたい。
文:釣木文恵
<公演情報>
「老いと演劇」OiBokkeShi
『恋はみずいろ』
作・演出:菅原直樹
出演:粟井美津代、植月尚子、内田京子、内田一也、金定和沙、申瑞季、杉本愛、竹上康成、種原大悟、中島清廉、西春華、吉田省吾
【特別出演】岡田忠雄
2025年6月14日(土)・15日(日)
会場:岡山芸術創造劇場ハレノワ 小劇場
※福岡公演(7月5・6日)あり
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2511113
公式サイト:
https://oibokkeshi.net/schedule/
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